見出し画像

『貧乏人ブギ』

<御先祖様編>
ねぇもんはねぇ どうしたってねぇ
なんとかしろって なんともなんねぇ
ビーン、ビーン、貧乏人ブギ 親子代々由緒ある貧乏
ビーン、ビーン、貧乏人は貧乏を絶対手放さねぇ

金がありゃ、暇がねぇ
暇がある時ゃ、金がねえと来た
ビーン、ビーン、貧乏人ブギ 自分忘れて子供が大事
ビーン、ビーン、貧乏人は元気で陽気で長生きよ

せっかく稼いだ虎の子を
勤め帰りに飲んで散らして
金を貯めるの諦めて
最後の望みを子供に託す

(語り)

おい長男坊、そこに座れ 一度しか言わねえから心によーく刻んでおけよ
おとっつぁんはな、一生懸命生きてきた
一週間に十日働いた お天道様に恥じることは何一つねぇ
ただ心残りはこの長屋暮らしの貧乏生活
おめぇのおっ母さんにも辛い思いをさせたばっかりだった
おい、長男坊 おめぇのだらしないおやじの、
だらしねぇこのおやじのたった一つの願い事だ
おめぇ、この貧乏から抜け出してくれ
おめぇならできる おめぇできる
頼んだぞ、せがれ

<子孫編>
貧乏人の子供は貧乏人の両親の苦労の背中を見て育つ
貧乏人の子供は貧乏人の両親を生きる手本にして育つ
貧乏人の子供は貧乏人の両親の言いつけ素直に守って育つ

貧乏人の子供は貧乏人の親に可愛がられて仲良く育つ
貧乏人の子供は親も貧乏をまとめて大事にしようと思う、だが
貧乏人の子供は貧乏を嫌うと親も嫌いになるかもしれないから
いつまでたっても貧乏よ

貧乏人の親は「お金がたくさんあったらいいのいいのにね」と口癖のように言うから
貧乏人の子供は「お金ってうちにたくさんないからどういうものかわからないけどさ、あったらいいもんだろうな」って思う、だが
貧乏人の子供は貧乏人の親は大事にしてたものを大事にするから
いつまで経っても貧乏よ

貧乏人の子供はずっと貧乏、だから貧乏があんまり気にならない、ね
貧乏人の子供は周りも全部貧乏、だから貧乏があんまり気にならないのね、つまり
貧乏人の子供は貧乏一色! だからいつまでたっても貧乏よ

ビビビビ貧乏人で ビビビビ どこが悪い
ビビビビ貧乏人は 名もなく清く貧しく美しく
ビビビビ貧乏人の唯一の弱点は、お金がないこと それだけよ

ビビビビ貧乏人は元気、陽気、長生き、働き者
いつまでもしっかり働く貧乏人
貧乏人が支える貧乏な日本の貧乏な日本の
貧乏な日本の貧乏生活
貧乏人は働き者だけどお金は全く貯まらない
貧乏人は貧乏をためるだけ

 
[セルフ解説]
なんでこんな歌作っちゃったかなー笑


たぶんだけど、このころの問題意識は
「なぜ貧乏人は貧乏をしたがるか」じゃなかったかなあ。

貧乏は貧乏人の心的構造に
問題があるのではないかという
個人的な内省を掘り下げていったら
<御先祖様編>と<子孫編>という
歌の構造になっていたんですよね笑

一般的な考えでは、
貧乏というものは脱出したくなる環境だから
それを嫌ってるはずですよね。

たしかに、極貧の人たちは、脱出していきますが

しかし、当時のわたしのように
「プロの貧乏はいかんが、趣味の貧乏は味わってもいい。
 そもそもが、長屋生活から始まった人間が
 マンションとかに住んだら、病気になるわ笑」とか
考えていると、こんなもんでいいかとも思うわけです。

再び、しかしですが、
もう、こんな仕事やってられんわ!とか言って
数年ごとに退職を繰り返したした場合、
転職活動に時間がかかって
わりと趣味のレベルを通り越しそうになるんですよね笑

そうするとね、
ほんと、自分が情けないっす。

なんか、オレ、間違ってんじゃないかな。

勤労は好きだけど、どうして経営者というのは
オレの疲労度がわからないまま
働かせて平気なんだろうか。

不満を言いながら働くのがいやだから
にこにこしながら働くけど
そうすると、どうして、
どこまでも働かせようとするんだろ。

もしかして、
いやいや働かないと大切にしようと思わないのかな。

いざ辞めるといいだしたときだけ、
大切にしようとするもんな。


よし、今度働くときは自分を守ろう。
疲れたときには、疲れたって言おう。


それが、ヘロヘロスピリットだぜ。
と思って、

啖呵を切って辞めた会社に

「求人、見たんですけどー」と電話したんだぜ。



オレも大人になったよ。

せっぱ詰まると、人間、
大人になるんだと思う。
遅ぇーけど笑


ということで、


デビューCD『百年経ったら墓ん中』の紹介を
終わらせていただきます。



ではでは。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?