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サピックス:4年生:夏期講習3日目(約数):算数のメモ

算数授業ノート: 素因数分解と最大公約数

1. 素因数分解

1.1 素因数分解の定義

  • 素因数分解とは、ある数を素数の積で表すこと

  • 例: 6 = 2 × 3 (2と3は素数)

1.2 素因数分解の方法

  1. 小さい素数から順に割っていく

  2. 割り切れなくなるまで続ける

  3. 最後に残った数も素数となる

1.3 素因数分解の例

  • 10の素因数分解:
    10 = 2 × 5

  • 12の素因数分解:
    12 = 2 × 2 × 3 = 2² × 3

1.4 素因数分解の利点

  • 数の構造を理解しやすくなる

  • 約数を見つけやすくなる

  • 最大公約数や最小公倍数を求めるのに役立つ

2. 素因数分解と約数の関係

2.1 約数の定義

  • ある数を割り切ることができる数

2.2 素因数分解を使った約数の求め方

  1. 数を素因数分解する

  2. 素因数の組み合わせを考える

  3. 全ての組み合わせが約数となる

2.3 例: 42の約数

  1. 42の素因数分解: 42 = 2 × 3 × 7

  2. 約数:

    • 1 (何も選ばない)

    • 2, 3, 7 (1つ選ぶ)

    • 2×3=6, 2×7=14, 3×7=21 (2つ選ぶ)

    • 2×3×7=42 (全て選ぶ)

よって、42の約数は 1, 2, 3, 6, 7, 14, 21, 42

3. 最大公約数

3.1 最大公約数の定義

  • 2つ以上の整数の公約数のうち、最大のもの

3.2 最大公約数を求める方法

3.2.1 連続法(ユークリッドの互除法)

  1. 大きい数を小さい数で割る

  2. 余りが出たら、小さい数を余りで割る

  3. 余りが0になるまで繰り返す

  4. 最後の割る数が最大公約数

例: 32と56の最大公約数

  1. 56 ÷ 32 = 1 余り 24

  2. 32 ÷ 24 = 1 余り 8

  3. 24 ÷ 8 = 3 余り 0
    最大公約数は 8

3.2.2 素因数分解を使う方法

  1. 両方の数を素因数分解する

  2. 共通する素因数を見つける

  3. 共通する素因数の積が最大公約数

例: 32と56の最大公約数

  1. 32 = 2⁵
    56 = 2³ × 7

  2. 共通する素因数: 2³

  3. 最大公約数: 2³ = 8

3.3 3つ以上の数の最大公約数

  • まず2つの数の最大公約数を求め、それと3つ目の数の最大公約数を求める

  • この過程を繰り返す

例: 24, 36, 48の最大公約数

  1. 24と36の最大公約数: 12

  2. 12と48の最大公約数: 12
    よって、24, 36, 48の最大公約数は12

4. 応用問題

4.1 等分問題

  • ビスケットやリンゴなどを等分する問題

  • 余りや不足がある場合の考え方

例題1: ビスケットの等分

問題: 40枚のビスケットを同じ数ずつ子供に分けると、4枚余った。何人の子供に分けられるか?

解き方:

  1. 余りを引く: 40 - 4 = 36

  2. 36の約数を求める: 1, 2, 3, 4, 6, 9, 12, 18, 36

  3. 4枚余ったので、4より大きい約数が答え
    答え: 6人、9人、12人、18人、36人

例題2: リンゴと梨の等分

問題: リンゴ40個を同じ数ずつ分けると6個余り、梨85個を同じ人数で分けるとちょうど配れた。何人で分けたか?

解き方:

  1. リンゴ: 40 - 6 = 34

  2. 34と85の公約数を求める

  3. 34と85の最大公約数: 17
    答え: 17人

4.2 不足がある場合の等分問題

例題3: ノートと鉛筆の等分

問題: ノート92冊を同じ人数で分けると8冊余り、鉛筆123本を同じ人数で分けると3本足りない。何人で分けられるか?

解き方:

  1. ノート: 92 - 8 = 84

  2. 鉛筆: 123 + 3 = 126

  3. 84と126の公約数を求める

  4. 84 = 2² × 3 × 7
    126 = 2 × 3² × 7

  5. 最大公約数: 2 × 3 × 7 = 42

  6. 42の約数: 1, 2, 3, 6, 7, 14, 21, 42

  7. 8冊余っているので、8より大きい約数が答え
    答え: 14人、21人、42人

5. まとめ

  1. 素因数分解は数を素数の積で表す方法

  2. 素因数分解を使うと約数を簡単に求められる

  3. 最大公約数は連続法や素因数分解を使って求められる

  4. 等分問題では、余りや不足を考慮して公約数を求める

  5. 実生活での応用例を考えることで、理解が深まる

6. 復習のポイント

  1. 素因数分解の手順を覚える

  2. 素因数分解と約数の関係を理解する

  3. 最大公約数を求める2つの方法(連続法と素因数分解)を練習する

  4. 応用問題では、問題文から必要な情報を抽出し、適切な方法で解く

  5. 余りや不足がある場合の考え方を身につける

以上の内容を理解し、練習問題を解くことで、素因数分解と最大公約数に関する理解が深まります。日常生活での応用例を考えることも、学習の定着に役立ちます。