議会傍聴記
【ブログ更新日】2022-06-10 17:58:34
いつもはユーチューブで見ていますが、今日は久々に議会の傍聴に行ってきました。
そこで面白い現象を見つけました。
市長に近い議員が質問した時は、彼はきちんとしかも過剰サービス的に答弁をします。
ところが、市長と距離を置く議員の質問については、傍聴している市民にもその趣旨が分かる質問であっても、答弁の冒頭に「何を言おうとされているのか分かりませんが・・・」等々と困惑する姿を見せます。
つまり、「筋の通っていない、意味不明の質問をする議員」という印象操作を巧みにしているのです。
そして、小理屈を並べ、持論を述べ、質問にはどこでどう答えたのか分からないようにします。
彼は、銀行で為替の動向について調査する部署にいました。
銀行は民間企業の為替を仲介することでも収益を上げています。
そのため、為替情報を民間企業に提供する必要があるのです。
彼は、韓国ウォン(傍流中の傍流)を扱っていたということですが、それでも為替相場を予想する事は容易なことではありません。
そこで、銀行では、顧客企業を獲得したり、説明したり、時には当たらなかった時に理屈を展開するために、「ディベート術」を徹底的に仕込まれます。
彼は、この技術を議会答弁に使っているのですから、年配の議員をあしらうのは何の造作もいらないのです。
そして、ユーチューブで「市長の弁舌爽やかな姿」を見たユーチューブ視聴者は「市長、カッコイイ!!」となり、「議員は、レベルが低いのー」となるのです。
しかし、彼が、「ディベート術」を駆使していくら語っても、彼から物事の原則や本質を聞くことはできないでしょう。
彼が語っているのは、小理屈に過ぎませんから。
市長に近いとされる議員は、いずれも「定数16名か8名か」に焦点を当てて、その是非を語っています。
意図的か否かはわかりませんが、論点を完全にずらせています。
今回の問題は、そんな枝葉末節なところにはありません。
原理原則に関わることで、最低でも、次の3点が整理される必要があるのです。
① 市民の権利に関わることであることが理解されているのか。
② 市民の理解を得るという手続きがされているのか。
③ 市長と議会が並立しているという2元制を踏まえているのか。
さすがに、市長と距離を置く議員は、この3点に触れ、反対討論をされていました。
市長が答弁の途中に「恥を知れ、恥を」と叫び、議員を叱責しました。
そしてまずいと思ったのか、「と、声が上がってもおかしくない」と小さな声で付け加えました。
今回の騒動を見て、市民は「恥を知らなければいけないのは、市長では」と確信しています。