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デッキに採用するカードの基準(ボルドギcupAD1st)

こんにちは、シルクです。
ボルシャックドギラゴンcupで1位を取れたので、普段考えていることを発信しようという試みの第二弾です。

この記事は先日に書いたデッキ選択編の続きのデッキ構築編です。
ぜひ、こちらの前編のデッキ選択編の記事も読んで見てください。
(多くの人から好評いただき、嬉しいです)
ただ、内容的にはそれぞれで独立したものとなっているので、このnoteからでも読んでいただくことは可能です。

このnoteでは今回僕が使用した白単連鎖(以下、白単)というデッキを素材に、一般的にデッキに採用するカードをどのような軸で評価するのかという僕の持論をお伝えすることがメインとなっております。
(ちなみに今回の内容は説教くさいです、覚悟してください)

そのため、ADをやっていない方・他カードゲームプレイヤーにも有益な内容になっているはずです。全文無料なので、ぜひ読んでいってください。

採用カード

こちらが今期に僕が最終的に使用したデッキのリストです。

僕の今期の最終使用リスト

しかし、世間一般でよく使われていたリストは以下のようにオリオティスが4枚採用されていたリストでした。

よく見たリスト

僕がオリオティスを不採用にした理由を最も端的に書くと、オリオティスはプレイ回数は多いが、出した時の勝利貢献度の低いクリーチャーであると判断したためです。
と書いても、伝わりにくい部分があると思うので、まずカードを採用する際の僕の基準について、お伝えします。

デッキにカードを採用する基準

皆さんはデッキにカードを採用する時には何を意識するでしょうか?
僕はデッキにカードを採用する際には、そのカードをプレイする回数とそのカードをプレイした時の勝利貢献度の2つの軸でカードを評価します。

これは突飛なことを言っているのではなく、
・赤単速攻にモルネクを採用しても、100試合に1回しかプレイ出来ない(プレイする回数が少ない)ので、採用しない。
・逆にモルネクにブレイズクローを採用すると、プレイすることは簡単だが、モルネクデッキでブレイズクローを1ターン目に投げても、勝利に繋がっていないので(=プレイした時の勝利貢献度が低いので)、採用しない
みたいな当たり前のことを言っているだけです。

この2つの軸でデッキに採用するカードを評価すると、カードは以下のような4つのグループで構成されていることが分かります。

・プレイ回数も多く、プレイ時の勝利貢献度も高い
・プレイ回数は多いが、プレイ時の勝利貢献度は高くない
・プレイ回数は少なく、プレイ時の勝利貢献度も高くない
・プレイ回数は少ないが、プレイ時の勝利貢献度は高い

(あくまで、とあるデッキを作りたい時にそのカードがどのグループに位置するかという考え方であり、作りたいデッキが変われば、その都度カードの評価も変わります)

カードをグループ分けした時のイメージ図

カードをこのような4つの群に分けたときにデッキにどのカードを採用するでしょうか?当然、プレイ回数も多く、プレイ時の勝利貢献度も高いカードを真っ先に採用しますよね。

ただ、そのようなカードだけでデッキが40枚埋まらないこともあります。そうなると、次は以下のどちらかのグループのカードを採用することになります。

・プレイ回数は多いが、プレイ時の勝利貢献度は高くない
・プレイ回数は少ないが、プレイ時の勝利貢献度は高い

別にどちらのグループのカードを採用するのが正解というのは決まっていません。ただ、今採用を検討しているカードはどちらのグループに位置するカードであり、そのカードのプレイ回数やプレイ時の勝利貢献度に対する自分の見積もりは正しいのかという観点は常に持つ必要があると考えています。

そして、多くのプレイヤーはこの性質の違う2つのグループ・軸を正しく比較することが出来ていないのではないだろうと考えています。
以下によくあるパターンを自戒も込めて、2通り書いているので、こんなパターンに陥っていないか振り返ってみてください。

・プレイ回数のみでカードを評価してしまっているパターン

「Aというカードはよくフィニッシュで使っているから、デッキから抜くのはないでしょ。」と考えて、オーバーキル気味なカードを採用しているようなパターンは多く目にします。
そのカードをプレイすることが出来た試合の99%の試合にそのカードがなくとも勝っているとしたら、そのカードのプレイ時の勝利貢献度は非常に低いことになります。
このようなカードを採用してしまうことは勝利貢献度の低いカードでデッキのスロットを埋めてしまっていることを意味します。いわゆる、そのカードなくても勝ってね?みたいなカードを高く評価しすぎるパターンがこれです。

プレイ時の勝利貢献度のみでカードを評価してしまうパターン

「Aというカード、この対面のあの局面で使えるとすごく強いんだよね」と考えて、プレイする回数が非常に稀なカードでデッキのスロットを潰し続けてしまうパターンもよく目にします。
このようなパターンは特定の対面のみに刺さるメタカードを過剰に評価したり、一度の成功体験に囚われてしまっているパターンに多いです。このような状態はプレイする回数の少ないカードでデッキのスロットを潰し続けてしまっている状態といえます。

以上のような事態はカードのプレイ回数やプレイ時の勝利貢献度の両方の軸でカードを評価できず、どちらかの軸のみでカードを評価してしまっているために発生しています。
このような状態を避けるためにカードのプレイ回数とプレイ時の勝利貢献度の両方の軸を意識して、どのカードを採用すべきか評価することが大切です。というのがこのnoteの趣旨です。

以上がデッキを作る際にどのようなカードを採用するべきかという基準を記した一般論です。話を今回のデッキである、白単に戻します。

今回、僕は「プレイ回数も多く、プレイ時の勝利貢献度も高い」カードで必須枠を埋め終わり、残りの採用カードを考えるときにオリオティスは「プレイ回数は多いが、プレイ時の勝利貢献度は高くない」カード、ロージアを「プレイ回数は少ないが、プレイ時の勝利貢献度は高い」カードであると評価しました。

もちろん、だからロージアを採用するというロジックではありません。
デッキの性質や環境によって、どちらの性質のカードを採用した方がいいのかは変化します。その中で今回は僕はロージアという「プレイ回数は少ないが、プレイ時の勝利貢献度は高い」カードを採用した方が白単というデッキの総合的な勝率に寄与するだろうと判断しました。
※これは本当に感覚の話ですが、白系のような勝つにしろ・負けるにしろ
一方的な試合展開になりがちなデッキタイプでは、たまに出すけど出すと強いみたいなタイプのカードは高く評価した方がいいと思っています。

このオリオティスではなく、ロージアを採用する判断が正しかったかどうかは今となっては、あまり重要ではないと思います。なぜなら、デュエプレのこの27弾AD環境を人類が競技的にプレイする瞬間は二度と訪れないからです。

繰り返しにはなりますが、ここで重要なのはデッキにカードを採用する際に「そのカードのプレイ回数」と「そのカードをプレイした時の勝利貢献度」を正しく見積もって、カードを評価することです。

ここまでの内容がこのnoteの本論です。
お付き合いいただきありがとうございました。

以下ではなぜ、オリオティスを「プレイする機会は多いが、プレイした時の勝率貢献度の低いカード」であると評価したのかということを説明しています。(ロージアがプレイ回数は少ないが、プレイ時の勝利貢献度は高いタイプのカードであることは自明のような気がするので、割愛しています)

この下の話はこのデュエプレ27弾AD環境環境に閉じた話になってしまいますが、興味ある方はぜひ読んでいってください。

オリオティスは勝率貢献度が低いのか?

オリオティスが有効な場面がある対面として考えられるのはミラー、サムライ、ブリザード、ツヴァイ、バイクです。
こう見ると結構あるなって感じなんですけど、どれも刺さりが微妙というか、出した方がちょっと得するが、大きく試合を有利にするわけではないという対面が非常に多いと考えています。それを対面ごとに説明します。

・ミラー

オリオティスでミラミラを無効にするリーサルはほぼ先行の特権で後手ではほぼ実現不可能です。その先行での成功率も高くて15%前後だと思います。
逆にオリオティスをプレイしたことにより、盤面・手札が苦しくなるパターンも多く存在しています。
そのため、ミラーではオリオティスプレイ時の勝利貢献度が低いと判断しています。

仮にあなたが後攻時にオリオティス込みのリーサルを何度も浴びているのであれば、時の革命ミラダンテをオリオティス下で使い捨てにするプレイが不足しているのではないでしょうか?
ミラダンテを使い捨てにすれば、最低でも1ターンはリーサルまでの猶予が貰えるはずです。その猶予の間にミラミラを用意する、マナを貯めるなどの準備をすれば、そうは頻繁に先行のオリオティス込みのリーサルは喰らわないはずです。

・ブリザード

(特に先攻の)2ターン目にオリオティスを持っていると、出した方がギリギリ良さそうだが、出さなくても勝利の期待値的にはそう変わらないだろうみたいな場面が多発するはずです。

例えば、ララァ、ヴォイジャー、オリオ、レッドローズ、ミラミラみたいな手札を想定してください。この手札で先行2ターン目にオリオティスをプレイしますか?という話です。

オリオティスをプレイする場合には軽減かミラミラを置く必要がありますが、その進行は3スタで軽減出すルートよりも自信を持って、勝率が高いと言えますか?仮に勝率が高いとしても、ごく僅かですよね。
ということは、このオリオティスのプレイはそんなに勝利貢献度が高いわけではないのではないかみたい結論になるわけです。

・サムライ

白単の不利対面として知られているサムライですが、この対面もオリオティスの勝率への貢献度がそこまで高くないと判断しています。

ADではモノノフルピア、デュアルスティンガーが存在していているので、相手がオリオティスで2-3ターン無駄にしてくれるみたいなことはそう期待出来ません。
そのため、オリオティスをプレイして、相手の武者着地を1ターン遅らせても、オリオティスをプレイしたことでこちらの動きが1ターン遅れるため、結局武者の着地は防げないという事象が多く発生します。

もちろん、スポットで取り出せばオリオティスが刺さって勝ちのパターンはありますが、全力展開で相手の事故待ち、もしくはミラミラを大量に抱えて受け止めるパターンと比較して、オリオティスで勝つパターンが優位に多いかというと疑問が残ります。

・バイク

バイクという対面もオリオティスが刺さっているようで、そこまで勝利貢献度が高くないです。まず、大前提としてオリオティスを採用していなくともバイク対面には7割以上の勝率を期待出来ます。

では、オリオティスを入れると8割になるのかというと結構怪しいです。
負けるパターンのほとんどは禁断解放後のミラミラの透かし・ミラミラに触れないパターンです、これらの事故をオリオティスは防げません。

また、パワーラインが2500というのも厄介です。
これはコッコルアと同じパワーラインなので、同時にレッドゾーンに焼かれないように気をつける必要も出てきます。

細かく書くと他にもありますが、簡単にまとめると、オリオティスがなくても勝てるので不要であるが最も近い表現です。

ツヴァイ

この対面だけはオリオティスはプレイすると、大きく勝利に貢献するカードです。

以上のようにプレイを検討できる対面は多いが、強く刺さっている(=勝利に貢献している)と言えるのはそれほど母数も多くないツヴァイ対面のみです。以上からこの環境でのオリオティスはプレイする機会は多いが、プレイした時の勝率寄与度の低いカードであると判断しました。

ここまでのまとめ

・デッキに採用するカードを考える際にはそのカードのプレイ回数とプレイした時の勝利貢献度の2軸で考えるべきである。
・この2つの軸で考えると、4つのグループに分類される
・カードを評価する際にはこの2つの軸のどちらかしか考えずにカードを評価しているパターンが数多く存在する。
・このような事態を避けるためにそのカードのプレイ回数とプレイした時の勝利貢献度の2軸でカードを評価することが大切だ。
・今回の白単というデッキではオリオティスはプレイした時の勝利貢献度が低いと考えて、採用を見送った

この分かりにくいnoteを最後まで読んでいただきありがとうございました。
完全に考え方を体系化できているわけではありますが、「このカードの勝利貢献度は〜」などと僕がたまに言ってる内容をなんとか言語化出来たのではないかと思います。

また、機会があれば何か書きます。
その時にまたお会いしましょう。

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