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遊戯王カード列伝『サイバー・ドラゴン』編



はじめに

どうも、火蛍です。
今回は前回の次回予告にもあった通り、サイバードラゴンについて紹介していきます。
アニメGXの主要キャラクターの主力カードということもあって遊戯王を遊んだことがなくても名前を知っている人もいると思います。
そんなサイバードラゴンはOCGではどんな活躍をしてきたのか、それを紐解いていきましょう。

サイバー・ドラゴン


①相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

初出は2005年5月26日発売のCYBANETIC REVOLUTION。
前回のゴーズよりさらに昔のカードです。

効果は読んで字のごとくです。
小難しい説明は必要ありません。

カードゲームにおいて『テキストが短いカードは強い』という不文律があります。
サイバードラゴンもその不文律に当てはまる1枚です。

少し余談にはなりますがアニメ初登場時のテキストは『リリースなしで召喚できる』でした。
カード化の際になぜか特殊召喚に強化されたことで大幅に地位をあげることになります。

このカードの主な活躍時期は2005~2009年、2017~2019年の二度に渡ります。
その活躍をそれぞれの時期に分けて解説していきます。

このカードが環境に与えた影響

2005~2009年

サイバードラゴンは初登場から環境で華々しく活躍することになります。
当時はテーマデッキが環境で戦えるほどのパワーを持ち合わせておらず、汎用性の高いカードを組み合わせたグッドスタッフのスタンダードが構築の主流でした。
高ステータスのモンスター場にを出す、出させないの駆け引きがゲームの中心にあり、1ターンに1度の通常召喚権をより多く行使して先にステータスの高いモンスターを場に出せる先攻が有利という風潮がありました。

そこに現れたのがサイバードラゴンです。
当時の下級モンスターは攻撃力1500~1800が関の山、デメリット付きの下級モンスターでようやく2000を超えるかどうかというラインだったのですがサイバードラゴンの攻撃力はそれらを上回ります。

そしてサイバードラゴンの効果はその制約上後攻側が先に使えるようにデザインされています。
これによって『先攻有利の定石』が覆りました
先述の通り、サイバードラゴンは特殊召喚によって場に出てくるため、後攻側は残された通常召喚権を使ってサイバードラゴン+他のモンスターという展開方法を取れます。
先攻側が出したモンスターをサイバードラゴンで倒し、横のモンスターで直接攻撃するという単純にして強力な戦法は当時のスタンダードの基本として根付きます。

その後も概ね下級モンスターを処理する打点要因として活躍を続けるサイバードラゴンに新たな活用方法が見出されます。
キメラテック・フォートレス・ドラゴンの登場です。

サイバードラゴン+フィールドの機械族モンスターを融合を使わず墓地へ送ることで出せるということもあり、機械族対策のカードとしての地位が築かれます。

2008~2009年ごろになるとシンクロ召喚が導入され、サイバードラゴンにさらなる役割が与えられます。
シンクロ素材としての活用です。

エクストラデッキから登場する高ステータスのシンクロモンスターたちには打点で対処できなくなり、打点要員としての役割はそちらに譲ることになるのですが今度はそのシンクロモンスターの素材として重宝されはじめます。
レベル5というステータスがここで活き、サイバードラゴン+低レベルチューナーから大型シンクロモンスターに繋ぐという新たな強みを得たのです。

そんなこんなで役割を少しずつ変えて活躍し続けたサイバードラゴンは準制限カードを経て制限カードに送られることになり、その活躍はいったん鳴りを潜めることになります。

2017~2019年

時代のインフレを経て制限解除され、中堅カードの地位に甘んじていたサイバードラゴンに二度目の活躍期が訪れます。
その転機となるのがキメラテック・メガフリート・ドラゴンの登場です。

効果はカスそのものですが場に出すことだけを目的に採用されています。

『サイバードラゴン』モンスター+EXモンスターゾーンのモンスター1体以上という素材で融合魔法を使わずに呼び出せるこのカードを使うためにサイバードラゴンを採用するプレイヤーが現れ始めます。
というのも、メガフリートが登場して間もなく、展開の暴力でエクストラリンクを狙うデッキが環境に台頭してきたためです。
エクストラリンクというのはリンクモンスターのリンクマーカーをつないでいき、EXモンスターゾーンを2ヵ所埋めてしまう事象のことです。

当時はEXデッキからモンスターを出す場合は種類を問わず、初めに2ヵ所しかないEXモンスターゾーンの内のどちらかに出さなければならないというルールだったため、相手によってエクストラリンクされてしまうのはすなわち自分がEXデッキを使用できなくなるのと同義です。
それを回避するために相手のリンクモンスターをメガフリートの素材にすることで強引にエクストラリンクを解除する対策法が使用されました。
当時のエクストラリンクを狙うデッキには夢幻崩界イヴリースというリンクモンスター以外の特殊召喚を封じるモンスターを相手に送りつけるギミックが標準搭載されていました。
じゃあサイバードラゴン特殊召喚できないじゃんと遊戯王に詳しくない方は思うかもしれませんがここでサイバードラゴンのレベルが活きます。
サイバードラゴンのレベルは5、本来レベル5というのは通常召喚する場合にリリース1体が必要になる数字です。
イヴリースによる展開封じは通常召喚には関与しないため、イヴリースをリリースしてサイバードラゴンをアドバンス召喚することによって『エクストラリンクの解除とイヴリースの除去の両立』が実現できたのです。

そしてこの時期はサイバードラゴン単体でも打点要員としての活用法が再び輝くようになります。
ライオウやインスペクトボーダーといった高打点のメタモンスターを単独で突破できる点が評価されました。
中でもインスペクトボーダーはデッキによっては対処法がほぼなく、出てきた瞬間に即詰みすらあり得るほどの影響力を持っているのでそれを手軽に倒す手段としてサイドデッキに2~3枚忍ばせる人もいました。

さらにこの頃にはサイバードラゴンそのものも大幅な強化を受け、後攻1ターンキル特化型のテーマデッキとして環境下位~地雷デッキぐらいの立ち位置でトーナメントでも活躍するようになりました。
現在のサイバードラゴンデッキはこの時に完成したといっても過言ではありません。

現在

現在のサイバードラゴンはルール変更によってメガフリートの地位が下がったのでメタカードとして使われることは減りました。
一方、サイバードラゴンデッキはというと後攻1キル特化のデッキとしてガチとカジュアルの中間ぐらいの立ち位置に留まっています。
マスターデュエルで遭遇したことのある方もいるのではないでしょうか。

時代の流れによってお呼びがかかったりかからなかったりするカードなのでいずれまたサイバードラゴンが輝く時代が来るかもしれません。

次回予告

次回紹介するカードは魔鍾洞です。
現代遊戯王を蹂躙した凶悪なロックカード、その強さとはいかに。
では。

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