ジャンル:TSF(TS)の魅力をもっと知ってもらうために
はじめに
初めまして。火蛍と申します。普段は小説を書いたり、twitterで気ままにツイートを垂れ流している者です。
さて、まずは今回私がこの記事を書いた動機について軽く触れておきます。
いきなりですが皆さんはTSF(以下TS)というジャンルをご存じでしょうか。
TSFとは『Trans Sexual Fantasy』の略称で、いわば性転換モノのことです。
現在テレビアニメが絶賛放送中の『お兄ちゃんはおしまい!(以下おにまい)』もこのTSに該当します。
ここで話は一転、元々昔からTSというジャンルを好き好んでいた私は見事にアニメおにまいにドハマりしたわけです。
そんなおにまいをよさを周知してもらおうと知り合いを相手に布教活動に勤しんでいたわけなのですが
「TSは特殊性癖だから敷居が高いわ」
と言われてしまい
「は?」
となったのが発端です。
それまで私はTSがマイナー寄りのジャンルであるという認識を微塵もしておらず、周囲との認識の違いに衝撃を受けました。
そこで”TSというジャンルのどういった要素に魅力を感じられるのか”を紹介・解説することで読んでくださった方々に興味を持っていただければと思い書き起こした次第です。
初めてのNoteなので書き方などもよくわからず、語彙力が足りない時や伝わりにくい表現などがあるかもしれませんがご了承ください。
また、TSを語る上で避けては通れない話題の中に”下世話な話”も含まれていますが今回はあえてオブラートに包まずに語ります。そういったものの話をするときは見出しに※マークをつけておくので苦手な方は目次機能を使って項目ごと回避してもらえると幸いです。
TSの定義
TSとは先ほども軽く触れたとおり「性転換」を扱った作品です。
たいていの場合”男→女”になりますが”女→男”の場合もTSに含まれます。
性転換がどのようにして行われるかは作品によってまちまちで、代表的なパターンを紹介すると
①当事者本人のみ性別が変化・変身する
②異性同士で人格が入れ替わる
などがあります。
①は『らんま1/2』や『お兄ちゃんはおしまい!』②は『君の名は。』などが該当します。つまりおにまいが今期の覇権アニメになる数年前からすでにTSは社会現象を起こしていたわけですね。そしてこれらの中にも
”年齢相応の外見を維持して変身するパターン”
”幼少の外見に退行するパターン”
”一方通行の性別変化で戻れないパターン”
”特定条件で性別を変更できる・戻せるパターン”
などで細かく派生していきます。
肉体的な性別が完全に変更されることを条件としていることがほとんどのため”男の娘・ふたなり・ボーイッシュ・中性的”といった要素は基本的にTSとしては扱われません。
ただし後者二つは肉体的性別が完全に変化している場合はTSとして扱われます。
さて、ここまでジャンルの定義の話をしたところでいよいよ本題。TSというジャンルの魅力について紹介していきましょう。
TSの魅力
先に一つ前置きさせてください。
今回TSというジャンルの魅力を語る上でおにまいを引き合いに出すことが非常に多くなると思います。
それだけおにまいという作品にはTSを愛好する方の大半が魅力を感じているであろう要素が詰まっているのです。この一言だけで興味が出たらすぐにこの記事を閉じて原作を読むかアニメ本編を視聴しに行ってください。
TSの魅力は様々な細かい要素から感じることができますが、それらを先に要約するとだいたい
”変身への困惑・戸惑い”
”未知の領域に無防備に足を踏み入れる危なっかしさ”
”心身ともに異性に近づいていく過程”
この三つに行きつきます。
これらをさらにいくつかの項目に噛み砕いて解説していきます。
変身への困惑・戸惑い
”変身への困惑・戸惑い”という項目において私の中で定番と感じているシチュエーションが三つあり、
それが
『お風呂』
『トイレ』
『力負け』
です。
それらを私は”TS鉄板シチュエーション三銃士”と呼んでいます。
ではこれら三つを順番に紹介していきましょう。
お風呂※
まず皆さん、一般的なアニメでお風呂シーンといえばどんな状況を思い浮かべますか?
そう、肌色が最も多くなるシーンです。
肌色が多くなるということは最も性別の変化が視覚的に認識しやすいということです。それは変身した当事者もそれを二人称視点で観測している視聴者も同じです。
男→女の性別変化の場合、肉体的性別の象徴であった”アレがなくなっている”わけですよね。作品によってまちまちですが”髪が伸びている””胸に起伏が生じている”などなどもそこで鮮明に認識できるわけです。
おにまいもアニメ1話の前半でそういった描写があります。
TSをメインに扱う作品は初めてのお風呂シーンはたいてい一人で入るものです。つまり他者の視線を気にしなくてもいい空間にいる状況が発生し、周囲の視線を遮断できる点から自分の身体に直接触れるという行為を誘発させやすくなります。
要するにセンシティブなシーンを誘発させやすいのです。
それとは別にもう一つ、
皆さんは女性のお風呂と言われてどんなイメージを思い浮かべますか?
姉や妹がいる方なら想像しやすいと思いますが、多くの場合、女性のお風呂は主に髪の手入れやスキンケア、髪の乾燥などを理由に長引きがちです。
当事者の身辺に女性がいる場合、彼女らを媒介としてそういった事情の説明を受けながらを自分自身が体験していくことで当事者の中にあった『偏見』が解消されて『イメージの中の女性』へと近づいていくのです。
これは後述する『変化の過程』にも通じていきます。
トイレ※
男性と女性では性器の形が違うので当然と言えば当然ですが用を足すときの姿勢が違います。
男性なら比較的容易にできる立小便は普通の洋式便器を使用する場合、女性ではかなり難易度が上がります。
ところで皆さんは男性と女性とで尿道の長さが異なることはご存じでしょうか。
身体構造の都合上、女性の尿道は男性よりも短いです。
そして人間の尿意に対する耐久力は尿道の長さと密接に関係しています。つまり女性の身体になったことで”男性の身体なら耐えられた尿意に耐えられなくなる”んです。
ここから『おしがま』や『おもらし』といった性癖に派生していくのでこれ以上の詳細は割愛しますがこういったところでも肉体的性別の違いが出てくるわけです。
これまでの感覚を過信して限界を迎えそうになってもじもじする姿はとてもかわいらしいですし、トイレに失敗してしまってその惨めさに嗚咽を漏らして泣きじゃくる姿などはとてもそそります。顔見知りにフォローされるとより惨めさが引き立ちます。
ちなみにおにまいのアニメ1話、3話、6話でもトイレに関する描写があり、3話と6話では失敗の描写もあります。
力負け
一般的に同じような身長の男性と女性を比較した場合、男性の方が筋肉量が多くなります。
つまりその分だけ純粋な筋力は下がりますし、幼女化などしようものならさらにその分だけ弱くなります。
特にこういった描写がしやすいのは”悪友の男とつるむようなシーン”で、今まで通りのスキンシップのつもりで軽く背中を叩かれただけで前によろけたり、転んでしまったりするわけです。
下手したら女同士ですら負ける可能性だってあります。
そういったところで『自分が弱くなった』ことを自覚していくのです。
男の悪友が相手だとここから『異性としての認識』や『押し倒し』などのシチュエーションへの派生もあります。
おにまいのアニメ1話でも一回り年下の妹相手に力負けして外に引きずり出されるシーンがありますがああいった感じです。
未知の領域に無防備に足を踏み入れる危なっかしさ
今のこの記事を読んでいる男性の皆さん、スカートを履いた女性が胡坐をかいているのをみたらどう思いますか?
それを良しとするかどうかはともかくとして”目のやり場に困る”と思います。
要はそういうことです。
自分が女性であり、周囲から女性として見られているという自覚が非常に薄いTSしたての頃に特に顕著に見られるパターンです。
少し社会的な話にはなりますが男には男の、女には女の作法というものがあり、どちらもその作法に則った世界の中で生きていると思います。
その上で、これまで男として生きていた男がある日からいきなり女の身体になってこれから女として生きていくとなったらどうでしょう。
これまでずっと男の世界しか知らなかったのに何の事前準備もなしに女の世界で生きていくことを強いられるわけですね。
現実的に例えるなら”日本生まれの日本育ちがいきなりアメリカ人としてアメリカで暮らせと言われているようなもの”です。
アメリカの社会でアメリカ人の見た目をしながら日本の作法や社会性に則って生きようとすればアメリカ人の視点から見て目立つのは当然です。
よって女の社会に馴染んでいくためには必然的に女の作法について学び、それを会得していかなければならないわけです。
おにまいでは主人公まひろは妹やその周辺人物からそういったものを学んでいきます。
これは後述する『心身ともに異性に近づいていく過程』にも通じていきます。
ちなみに男は床に座る場合、胡坐が楽な姿勢になりますが女性は所謂『女の子座り』の方が胡坐よりも楽な姿勢らしいです。筆者はTSできないので比較検証のしようがありませんが……
心身共に異性に近づいていく過程
最後に紹介するこの項目ですが先に断言させてください。
これはTSというジャンルにおいてもっとも肝となる要素であり、また新規を遠ざけている要素でもあります。
我々TS界隈に生きる者たちはここから最も美味い汁を啜っているといっても過言ではありません。
よってここから旨味を感じるようになれば貴方はもう立派なTS愛好家です。
さて、ここから本題。
皆さんは”外見に精神が引っ張られる”という現象を信じますか?
この現象が真に存在するものであるとすれば、女性の身体を手に入れた男は次第に女性的な仕草・思考・言動に染まっていくことになります。
要するに身も心も女になっていくということですね。
これまで自分は男性であるという性自認の上で男性的な仕草や思考、言動をしてきたTS娘があるとき不意に無意識の内に女性的な仕草をしたとしましょう。
具体的には
”特定の誰かに対して甘えるような声を発する”
”椅子に座るときに内股になる”
”男からの視線を気にするようになる”
”自然に女の子座りをしている”
などです。
するとボーイッシュ女子が乙女な要素を見せたときのアレと同じようなギャップが発生します。
アニメおにまいでもまひろは楓に対して初対面以降は会うたびに甘えるような声を出すようになります。しかも本人にはまったく自覚がありません。
はじめは性自認が男であることを理由にそういったものを否定しがちですが時を経て『女であること』に慣れてしまったTS娘は次第にそう言った要素を高確率で受け入れていくようになります。
それが高じて”男から可愛いと思われたくなった”ところまで行きついたTS娘はもはや無敵状態です。男にとっての理想の『可愛い』を知っているわけですから女性として生まれ育った女性よりもはるかに的確に異性の急所を攻められるわけです。しかもそれを狙うことに対して一切の抵抗や躊躇がなくなっています。
格闘ゲームで例えるなら”スパ2Xバルログの機動力を手に入れたCTアラクネ”です。勝てるわけがありません。
魅力の相互関係
ここまで読んでくださった方はおわかりいただけたかもしませんが、TSというジャンルにおいて大区分される三つの魅力はそれぞれ密接な相互関係にあります。
つまりどれか一つにでも魅力を感じられたのであれば残る二つにも通ずる可能性が秘められているのです。
序盤……変身への困惑・戸惑い&未知の領域に無防備に足を踏み入れる危なっかしさ
中盤以降……未知の領域に無防備に足を踏み入れる危なっかしさ&心身ともに異性に近づいていく過程
といった具合に味付けが変わっていきます。
一粒で1+n(nは自然数)倍美味しいわけです。
私の解説から少しでも興味を深めていただけたのであればこれを読む必要はありません。今すぐTS作品を漁りに行ってください。
おすすめ作品紹介
ここで筆者からオススメできるTS要素のある作品をいくつか紹介させていただいていただきます。
お兄ちゃんはおしまい!
今最もアツい今期の覇権アニメで、日常系をベースとした作品になっています。
大人の男が中学生ぐらいの体形まで退行するタイプのTSで、分類としてはアニメの軽いネタバレになりますが一応可変型です。
途中から学校に通うようになるので学園モノ要素もあります。
原作は現在進行形で連載中なのでそちらを追いかけるのもアリです。
基本は日常系萌えアニメでありつつ、TSという要素をがっつりと前面に押し出した作風になっているので入門用としてかなりオススメです。
ちなみに原作とアニメでまひろの髪色が微妙に異なります。
完全に余談ですが『おにまい』で検索するとサジェストに『鬼舞辻無惨』が出てきます。
あやかしトライアングル
現在放送中のもう一つのTSアニメです。
高校生男子が年齢相応の体形にTSするのでおにまいとは趣が異なります。
原作はあの矢吹神なのでそういうところは安心ですね。
こちらも原作が現在進行形で毎週月曜日に更新されています。
俺、ツインテールになります。
ちょっと前に放送されたアニメで、主人公が特定条件下でTSする可変型の作品です。
髪型・シチュエーションといった性的嗜好を奪おうとする怪物と戦うという最高にバカバカしいメインコンセプトと戦闘シーンなどがある戦隊・ライダーといったヒーロー系特撮の要素が並立した作風になっています。
TS要素は上記の作品と比較すると少なめでヒーローものとして見ても一定の面白さが保証できるので特撮ファンならそこを切り口にして入れるようになっています。
原作ライトベルは完結済みなので一気読みもできます。
アニメを見る場合はリマスター版の視聴をオススメします。
魔法少女俺
こちらは『女→男』のTSを行う作品で、上述の俺ツイと同じく可変型TSです。
タイトルにもある通り、魔法少女要素を含む作品ですが全体としてはシュールギャグの要素が強く、TS要素もコメディ方面に振り切っていることが多いです。
ギャグアニメとして視聴する方が面白いです。
君の名は。
かつて社会現象を起こした映画作品です。
前述したとおり、『男女が互いの肉体と精神を交換する』というTSになっています。
上映期間中のテレビCMでよく流れていた『入れ替わってる~!?』のワンシーンとメインテーマの前々前世はあまりにも有名です。
TS要素もそこそこ多く、軽く触れるだけならどれよりもお手軽かつ、この作品は『単発映画故にサクっと観られる』ことと『黙って見ていればTS作品であることをかなり悟られにくい』という長所があります。新海誠監督というネームブランドの恩恵は大きいですね。TSに興味があるけど周りの目が気になるという方にもオススメです。
最後に
今かつてないほどTSがアツいのでこれを機にTSがメジャーなジャンルとして受け入れられるようになってもっとTS作品が日の目を見るようになってほしいです。というか流行れ。
以上、一TS愛好家によるTSの魅力紹介でした。
皆さんもTSから美味い汁を啜りましょう。
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