長い目で見た わらしべ体験。
ふにさんの笑しべnote企画に乗っかってみようと思った。
12年勤めていた派遣先で ある年年度末に有給をもらい 東京に遊びにいったことがあった。
この時期にわざわざ休みを取ったのには
ネタをしたいがための時期チョイスだった。
とはいえ 私は年度末に忙しい仕事など持ってはいなかった
会社と言うものは不思議なもので、忙しくない派遣にまで
「年度末に休むなんて!」みたいな空気感を漂わせてくる。
私はといえば、バジェット系も終わらせているし
顧客も持ってない 年度末業務など一切なかった
そのうえ、他の人の業務を手伝えるような立場でもなかった。
それでも 社員に「え?そこ休むんですか」なんて言われたのだった。
さて どんなネタをしたかったかと言うと
切腹最中を持って行って こんな忙しい時期に休んでごめんね
切腹するほどごめんちゃい♪って言いたかっただけ なので みんなが忙しいタイミングでなければ成り立たない。
有給を使い ミュージカルを観に行ってその帰りに
新橋で途中下車をして 切腹最中だけをかって帰りの新幹線に乗った。
そして 翌日、同じ課のメンバーに
「こんな時期にお休みもらって切腹するほど反省してます。(笑)」と ネタを実行して お土産を渡して満足していた。
この辺りのネタ好きを、同じ課のメンバーは知っていた。
「このネタのためだけに 昨日休んで東京ですか!」と笑ってくれて 自分のプランがうまく行ったことに満足していた。
当然だが 他の課のいつもお世話になる営業さんにも切腹最中をおすそわけして
切腹最中 お詫びの定番なんですって 面白いと思いませんか???と
きゃっきゃしながら話していた。
そこから2年ほど経った4月・・・。
支社全体の営業に関わる部署に異動していた。
朝 袖机を開けると・・・。昨日はなかった
箱が入っていて
その箱には 同じ課にも アシスタントとして組んだこともない先輩営業の名前が付箋で付いていました。
「?」
朝礼後 その先輩営業に声をかけると・・・
「2年前の今日 ゆきさんが切腹最中をお土産に持ってきてくれたんだ 」
その時の切腹最中の帯を見せてくれて、一冊の雑誌を開いて見せてくれました。
そのページには切腹最中が取り上げられていたのでした。
「この雑誌みて 思い出したから 」と
箱の中身は 十火 の丸 トヨスのオシャレな米菓子だった
250円ほどのお菓子が・・・
2年を経て 4倍以上になった。
「もってかえって 召し上がってくださいね みんなの分は別にありますから。」
そう その営業は添えてくださった。
私はいつも 会社で誰かに何かをいただくと それがどんなに少なくなっても 部内の女子全員にお裾分けすることを知ってくださっていての 一言だった
家に帰り 家族にこの話をした時、母が「気持ちのええ人達と仕事をしてんねんなぁ」とお茶を入れてくれた。
ネタとしてお土産に持っていきたい!それだけの計画が 時を経て それ以上のものになって
会社で娘が大事にされていることまで 両親に伝えるものになった・・・。
時間はかかったが 何十倍にもなって 私のところに帰ってきた・・・。
かけがえのない わらしべ長者経験だ・・・。
ちょっとした 自分の楽しさのお裾分けは 違った形でもっと大きなものとの交換になった
笑顔の交換・・・。 これぞ 笑しべ体験だなと思い出したのだった・・・。