緊急事態宣言の日。想像力が危機を回避する
緊急事態宣言。この世の終わりみたいなタイトルなのに、内容はそんなに今までと変わらない。とにかく、自分の危機管理力で判断するしかない。誰かのせいとか、誰かが言うからとか、誰かが禁止するからとか、言っている場合ではないのだと思う。(それと政府に責任がないということは、また別問題。自分の身は、相手がどう出ようが自分で守らねば)
と言いながら、今日は特大口内炎でリンパまで腫れて熱っぽい。
これは子どもの頃からの体質(もっと言えば親の体質まるまる受け継いでる)なので、物が食べれないのは辛いけど普段微熱が出るくらいなら何にも気にしないのに、今はちょっと体温上がるだけで恐怖。
自分がかかるかどうかじゃなくて、「私今週誰に会った!?誰かに移した?」って、すごい頭の中検索が始まりました。
やっぱり「わからない」ってことが不安と疑心暗鬼の元凶なんだな。
いつもなら「口内炎つら」でおしまいなのに、「もしかしたらあの時都内に仕事に行ったから?」「なんか喉が痛いような気もして来た」ってどんどん大げさになる。
普段は、病院なんか行かないで、インフルエンザくらいなら、自分で治すぜと思ってるのに、この先どうなったらどこに連絡しなくちゃいけないんだ!?って一瞬焦りました。
まあ、証拠がない限り、本当に本当にただの口内炎とも言い切れないので、ちょっとしばらく自宅で様子は見なくてはですが、本当にいろんな人がこの恐怖と戦うのかと思うと、そりゃパニックにもなるなあ。SNSも荒れるはずだ。
そういえば、「今の日本人は想像力不足だ」と先日NHKのETV特集で、感染学の先生がおっしゃっていました。
最悪を想像する力がないから、街に平気で出られる。海外の現実を見せつけられて、ようやくこの現状が怖いものだということがわかってきた。
というようなことをおっしゃっていて、なんだか感染の問題から人間の想像力に話が及んだことにびっくりしたのでした。
私たち舞台人がいつもいつも叫ぶ「想像力を養おう」というふわっとしたメッセージが、生命の危機を察知するためにも重要だったとまで、私も考えが及ばなかったなー。
いつも想像力って、「人の気持ちをわかろう」というようなコミュニケーションの問題に単純化しちゃってたような気がします。
甘かった。
自分がちょっと体調不良になったことで、初めて最悪の事態を想像してシミュレーションした。これが、生きる力ってやつなのか。危機回避の手段なのか。
緊急事態は、誰かに宣言されてついていくのではなくて、自分で想像しておくしかないんだ。それが、自分と周りを守るということなんだな。
ハッと目が覚めた緊急事態宣言の日。