X-jamインタビューVol.1 子どもが人間らしく育つために、生活にあそびと芸術を 二本松はじめさん
X-jam studioにやってくるさまざまなお客様とのおしゃべりや、稽古の合間にゆっくりお話したひとときを、ときどき、インタビュー記事にまとめてご紹介します。
お客様 二本松はじめさん(つながりあそび・うた研究所所長)
宮島泰子さん(つながりあそび・うた研究所メンバー)
聞き手 城間優子(X-jam制作プロデューサー)
コーヒー担当 シモシュ(X-jam代表)
二本松 久しぶりだね。もうエアコンつけてる時期なんだ
———いつも夏はスタジオには来ないですもんね。
二本松 夏は我々が一番忙しい時期だから、いつもこのスタジオにレコーディングしにくるのは、春先だからさ
———まだ暖房の時期ですよね。今年は何もかもがイレギュラーですね。
そんな会話とともに、久々のX-jam Studioに動画撮影のために訪れた二本松はじめさん。つながりあそび・うたを通して、「人と人とのつながりあいって楽しいよ、生きているって楽しいよ」という思いを伝えるために「つながりあそび・うた」を今までに500以上も創ってきました。そして「つながりあそび・うた研究所」を29年前に立ち上げ、全国の保育園・幼稚園であそびうたのコンサートをおこなっています。
また、保育士・幼稚園教諭に向けても、あそびうたの指導や、子ども観を伝える様々な講演活動や研修会も行っていて、その総数は年間100ステージに及びます。日本全国の子ども達・保育関係者に「ピカリン」という愛称で親しまれている二本松さん。
いつもの夏なら、全国を飛び回っているのですが、特別な夏となった2020年の8月、今考えていることを、コーヒーとともにおしゃべりしながらお聞きしました。
目次
・子どもと育ち合う人を応援する仕事だから
・「最初はグー」の中に、人間が本来持っているものがある
・子どもは、好きな人と一緒にいることが気持ちいい
・子どもの生活とあそびがバラバラになっている
・なんか俺、やれると思うんだよね
・子どもには、空白の時間が必要
・あそびうたの詠み人知らずになるのが夢
子どもと育ち合う人を応援する仕事だから
———さて、近況報告がてら、お話を伺えたらと思うんですけど、今、子どもに関わる人、舞台関係者は、これからどうやって活動を再開していくか、すごく悩んでいるなあと感じるので、二本松さんにお話を聞くのが一番だと思ったんです。
3月1日に東久留米で行う予定だった「ゆめわかばプロジェクトコンサート」を、2月の中旬に、早々に中止になさったのをよく覚えているんですが、どうしてそんなに早い決断ができたんですか?
二本松 だってもう、1月頃から中国では新型コロナウイルスのことは言われ始めてたでしょ。まあ、あのへんから実際にはこの国では情報は操作されていたんじゃないかと思うんだけど、危ないという感じはあったし、やっぱりこの「夢わかばプロジェクト」のコンサートの主催メンバーの全レク一座って、保育士が多いじゃない?
みんな子どもと関わってる人なんだよね。子どもと生活して、子どもと一緒に育ち合うという人たちを一応自分の仕事のメインの対象にしているから、こういう活動するときに、ちょっとでも影響があったらまずいんじゃないかな、ということは、いつも意識してるよね。
一人だったら突っ走ったかもしれないけど、そういう趣旨を考えるとね。
だから、3月の終わりには今年の夏のサマーカレッジ(保育士向けのあそびうた研修会。全国数カ所で行われる)も中止決めたんだよ。
———早かったですね。
二本松 早かった。俺すごい早かったよ。それはみんなにも言われた。でも、躊躇はしなかったよね。
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