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「全国高校野球選手権」を「甲子園」と呼ぶのをやめるべき理由!

 前回の日記に続いて高校野球の話です!全国高校野球選手権が6日に開幕し、甲子園球場を舞台に熱戦が繰り広げられていますね!

 さて、今大会から新たに「クーリングタイム」なるものが導入されました!暑さ対策として5回終了後に10分間、空調が効いたスペースでクールダウンに努めるものです!夏って昔に比べて確実に暑いですもんね!

そうなんです!夏って昔に比べて確実に暑いんです!!!

 大会開幕前の7月27日には、国連事務総長から衝撃的な発言が飛び出しました!

「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」

 もう地球「温暖化」なんて生ぬるい状況ではないのです!地球が「沸騰」しているのです!夏の酷暑は地球規模で危機的状況を迎えているのです!

 日本も例外ではありません!日本の夏季(6~8月)の平均気温はこの100年で1.5度も上昇しているそうなんです!

 最高気温が30度を超える「真夏日」や同35度を超える「猛暑日」も30年前より激増しています!おそらく今後も夏の気温は上昇する傾向にあるのでしょう!

 そんな気温上昇の一途をたどる真夏の真っ昼間に、屋外で高校野球の全国大会を行っているんですね!

よりによって1年で最も暑い季節の!

よりによって1年で最も暑い時間帯に!

炎天下で野球をやっているんです!

どんだけドMなのよ⁉

【甲子園の平均気温も!】
 甲子園の平均気温も上昇しています!気象庁による気温の観測は1897年(明30)に始まったそうですが、同年8月の兵庫県は平均27.7度しかなかったそうなんです!しかし今年8月の兵庫は平均30.6度!観測初年度から3度近く上昇しているんです!

 最高気温も上昇しています!平成元年にあたる1989年は8月の最高気温が30.8度でしたが、昨年の8月は最高気温32.3度!今年の8月はさらに上昇して34.9度を観測しています!既に平成の初頭より4度も高いのです!

 このペースでいけば、夏の甲子園の気温が平熱を超えるのも時間の問題でしょう!そりゃあ~暑いよ!

【迎えた転換期】
 そうなると当然ながら「大会の時季を変えた方がいい」「日中の試合は回避すべき」「ドーム球場で開催できないか」といった世論は出てきますよね!

 近年の気温上昇を考えると、現状のままでの大会開催は既に無謀とも言うべき領域に達している気がします!クーリングタイムといった小手先の対策では既に「焼け石に水」で、開催時期や会場の変更などまで踏み込むべき「転換期」を迎えていると思います!

 一方で、会場の変更には反対の声もあります!日本中の高校球児は「甲子園」の出場を目指しているのだから、これからも全国大会の開催地は「甲子園」であるべき!という理由です!その気持ちも分かります!

 ただ、この1年間で最も暑い季節に野球をやるなら、ドーム球場と屋外球場のどっちがいい?という単純比較になったら、どっちがいいですか?

どっちがいいですか~???

【阪神はどうなのよ?】
 ちなみに全国高校野球選手権の開催期間中、阪神タイガースは本拠地の甲子園を明け渡して長期遠征に出るのが毎年の恒例ですよね!今季も7月30日の広島戦を最後に甲子園を離れ、8月1日の中日戦(バンテリンドーム)から長期遠征に出ています!

 そんな長期遠征前最後の甲子園となった7月30日の広島戦の試合後に、阪神の岡田監督は長期遠征についてこんなコメントを残しています!

「最初は名古屋ですけど、久しぶりに涼しいところでできるんで。それが一番」

 なんやねん!プロだって夏場は甲子園より涼しいドームの方がエエんやないか~い!そらそうよ!お~ん!

 甲子園よりドームの方が涼しくて快適やから、最近は「死のロード」って言わへんねん!なんやそれ!お~ん!

 プロだって夏場は暑い甲子園より涼しいドームでやりたいんだから、高校生だって同じでしょうよ~!

 そんなの夏場に野球をやるんなら、プロアマ問わず屋外球場よりドーム球場の方が理想的に決まってるんです!高校野球も甲子園からドームに移転した方がいいのは明白なんです!

 それでも「甲子園」という名の下に、高校野球の甲子園開催にこだわる層は一定数いるのですが。

 そこで私は思うのです!

まずは全国高校野球選手権を「甲子園」という愛称で呼ぶのをやめることから始めてみませんか~⁉

【大会名の代名詞】
 高校の団体球技の全国大会はいろいろありますが、その中で会場名が代名詞のように広く浸透しているのって、高校野球の「甲子園」と高校ラグビーの「花園」ぐらいじゃないですか?

 主な高校の団体球技の全国大会って、一般的に何と呼ばれることが多いでしょう?
・全国高校野球選手権は「甲子園」
・全国高校ラグビー大会は「花園」

 ↑この2大会は会場名が代名詞のように定着していますよね!(仮にA群とします)

 一方で、全国大会の呼び方が会場名以外で定着している競技もあります!
・全日本バレーボール高校選手権は「春高」
(2010年までは全国高校バレーボール選抜優勝大会)
・全国高校バスケットボール選手権は「ウインターカップ」
(2016年までは全国高校バスケットボール選抜優勝大会)
・全国高校サッカー選手権は「選手権」
 ↑このあたりは上記の呼び名が広く浸透していると思われます!(仮にB群とします)

 このA群とB群には大きな違いがあります!会場名が大会の代名詞となっていないB群は、開催地が固定されていないのです!

【開催地の変遷】
 ではB群の3大会について、2000年以降に決勝が行われた会場の変遷を見てみましょう!

◆全日本バレーボール高校選手権決勝
2006年以前=代々木第一体育館
2007年=さいたまスーパーアリーナ
2008~10年=代々木第一体育館
2011~12年=東京体育館
2013年=所沢市民体育館
2014~18年=東京体育館
2019~20年=武蔵の森総合スポーツプラザ
2021年以降=東京体育館

◆全国高校バスケットボール選手権決勝
2001年以前=東京体育館
2002年=代々木第二体育館
2003~11年=東京体育館
2012年=広島県立総合体育館
2013~17年=東京体育館
2018~20年=武蔵の森総合スポーツプラザ
2021年以降=東京体育館

◆全国高校サッカー選手権決勝
2013年度以前=国立競技場
2014~20年度=埼玉スタジアム
2021年度以降=国立競技場

 ご覧の通り、3大会とも決勝の地は移転を重ねています!

 このように開催地を移転できるのは、会場名が大会の代名詞になっていないからこそではないでしょうか⁉

 もし高校バレーの代名詞が「春高」ではなく「代々木」だったら、会場を東京体育館に移すのは困難だったかもしれません!さらには所沢で開催するなんて不可能だったでしょう!

 高校バスケだって大会が「ウインターカップ」ではなく「東体」の愛称で定着していたら、広島での開催は実現しなかったでしょう!

 高校サッカーも「選手権」ではなく「国立」と呼ばれていたら、決勝を埼玉で行うのは反発を呼んだかもしれません!

 やはり「大会」を「会場名」で呼ばないからこそ、移転が可能になっているのではないでしょうか?

【開催地移転のネックは?】
 対して高校野球はどうでしょう?どうしても「甲子園」という愛称が定着していると、なかなか開催地を動かしづらいですよね⁉「甲子園」と呼んでいるのに他の球場で開催しているのは変ですもんね!

そうなんです!「甲子園」という愛称が、開催地移転の足かせになっているはずなのです!

大会を「甲子園」と呼ばれることがネックになっているのです!

 だから、開催地を移転しやすくするためにも、まずは全国高校野球選手権を「甲子園」と呼ばないようにすることから始めてみませんか~⁉

【大会を何て呼ぶ?】
 では全国高校野球選手権を「甲子園」と呼ばないとなると、代わりに何と呼べば良いのでしょう⁉

 シンプルに「選手権」が良いのではないでしょうか⁉

 ちなみに春に甲子園で開催される「選抜高校野球大会」は、「選抜」と呼ばれるのが一般的ですよね!「センバツ」というカタカナ表記の方が浸透しているかもしれません!

 高校野球に限らず、多くの高校スポーツの全国大会には一般的に「選抜大会」「選手権」があります!各種スポーツの「選手権」には全国高校総体(インターハイ)に組み込まれているケースも多く、高校総体の一部として開催される「選手権」は「総体」「インターハイ」「インハイ」として大会を指すことが専らです!

 一方で、少数派ですが「選手権」を高校総体とは別物として開催する競技もあります!サッカーがその代表例ですね!高校総体と一線を画して開催される全国高校サッカー選手権は、ご存じの通り「選手権」の略称が浸透しています!

 ならば全国高校サッカー選手権と同様に「全国高校総体に含まれていない全国高校選手権」である全国高校野球選手権も、「選手権」と呼ぶのがふさわしいと思います!

ということで、「甲子園」に代わる全国高校野球選手権の呼称は「選手権」がモアベターでしょう!

【会場名で呼ばれない理由】
 ところで、上記B群の3大会が会場名で呼ばれないのは、複数の会場を使用することにも起因していると思います!

 全国高校サッカー選手権が首都圏で複数の会場を使用するのはご存じの方も多いでしょう!直近の2022年度大会では国立競技場も含め全9会場を使用しています!メイン会場の国立を使用したのは開幕戦・準決勝・決勝の4試合のみ。国立でプレーできたチームも6校だけで、残る42校は国立でプレーしないまま大会を去っています!これでは大会全体を「国立」と呼ぶことはできないですよね!

 それでも、大会が「選手権」と呼ばれているからこそ、出場した選手たちは卒業後に「オレ、選手権に出たんだぜ!」って自慢できるんですよね!国立のピッチを経験していなくても、大会全体が「選手権」の通称で知られているから「オレ、選手権の経験があるんだ!」って胸を張って言えるわけです!

 ウインターカップも複数会場で開催された年があります!決勝が行われた上記会場の他にも、駒沢体育館・八王子市総合体育館などがサブ会場として使用されたことがあります!昨年の大会でもメイン会場の東京体育館と並行して、大田区体育館がサブ会場として使用されました!2002年度大会に至ってはメイン会場の代々木第二体育館の他に、専大など4大学と駒場高など3高校の体育館も使用し、併せて8会場での開催となりました!

 春高も例年は1会場での開催ですが、2013年にはさいたまスーパーアリーナと所沢市民体育館の2会場を使用して開催した例もあります!

 こうした複数会場を使用しての開催が選手から抵抗なく許容されているのも、会場名が大会の別名になっていないからでしょう!

 同様に高校野球も「甲子園」という代名詞から解放されれば、甲子園以外の球場も含めた複数の会場を使用しての開催も許容されるようになるのではないでしょうか⁉

 全国高校野球選手権の呼称が「甲子園」ではなく「選手権」で定着すれば、選手は甲子園以外の球場でプレーしても「オレ、選手権に出たんだぜ!」と卒業後に自慢できるようになるでしょう!

【全国高校サッカー方式に!】
 上記のとおり、大会の代名詞が「甲子園」から「選手権」に変われば、会場変更へのハードルは下がってくるに違いありません!きっと開催地の移転が許容される風潮へと変わってくるはずでしょう!

開催地変更に寛容な風潮へと変わってきたら、涼しいドーム球場の使用に踏み切ろう~!

 そうは言っても、ある年から全日程を一気にドームへと移行するのは反発もあるでしょう。あまりにもドラスティックでは抵抗もありますよね!

 まずは第1段階として、全国高校サッカー選手権の方式を取り入れてはどうでしょう⁉

 全国高校サッカー選手権は上記の通り、年度によって国立競技場や埼玉スタジアムをメイン会場として開催されています!そのメイン会場での試合は、国立開催時は開幕戦と準決勝以降、埼スタ開催時は準決勝以降のみに限定されています!基本的には上位まで勝ち上がったチームのみがメイン会場のピッチに立てるわけです!

 同様に全国高校野球選手権も甲子園をメイン会場とし、上位進出するとメイン会場の甲子園でプレーできるようにしてはどうでしょうか⁉

 例えば16強が出そろう3回戦以降を甲子園での開催とし、2回戦までをドーム球場で開催してはどうでしょう?(甲子園から最寄りのドーム球場である京セラドームが候補でしょうか)

 そうすれば大会全48試合中33試合をドーム球場で行うことになりますし、出場全チームが最低1試合はドームでプレーすることになり、酷暑対策として効果はあると思います!まずは試験的に大会の序盤だけでもドームでの開催を採用してはいかがでしょう~?

【予想される反応】
 この「序盤をドーム→勝ち上がると甲子園」という開催方式には1つの狙いがあります!

 この方式を導入すると、いつしか選手からこんな声が聞かれるようになるのではと想像しています!

「マジかよ~!次から甲子園かよ~!」
「甲子園なんて暑いじゃんよ~!」
「2回戦までドームで涼しかったのに~!」
「3回戦以降もドームでいいじゃんよ~!」
「このクソ暑い真夏に甲子園で試合って、マジ勘弁だわ~!」
「選手権なんて全試合ドームでいいじゃんよ~!」

 そうなんです!ドームと甲子園を併用するようになれば、きっと甲子園よりドームでの試合を望む声が出てくるようになると思うんです!

 そりゃあ~そうでしょう!涼しいドームで快適に試合しても「選手権」。クソ暑い甲子園で酷暑に耐えながら試合しても「選手権」。同じ「選手権」なら涼しいドームで快適に試合したいに決まってるじゃないですか~!

 大会の愛称が「甲子園」ではなく「選手権」として定着すれば、甲子園で酷暑に耐えながらプレーしなくても、快適なドームで試合しただけでも、「オレ、選手権に出たことあるんだぜ!」って一生自慢できますもんね!

 そして甲子園よりドームでの試合を望む声が支配的になってきたところで、全日程をドームに移行するのです!こうして段階を踏めば、きっと球児たちも全試合ドーム移転を抵抗なく受け入れやすいはずです!

【歴史や伝統からの変化】
 それでもまだ「歴史」や「伝統」を理由に、甲子園での開催にこだわる声は上がるでしょう!

 全国高校野球選手権は1924年(大13)の第10回大会から甲子園で開催されており、来年で甲子園での初開催から100年を迎えます!1世紀にわたって培われた伝統に終止符を打ち、変化への一歩を踏み出すのは決して容易なことではないですよね!

 その一方で、近年の高校野球には大きな変化が見られました!それは…

「丸刈りからの脱却」です!

 今夏の全国高校野球選手権を見ていても顕著ですが、丸刈りでないチームが増えましたよね!準々決勝に進出した8校を見ても、花巻東・土浦日大・慶応の3校が丸刈りではありません!

 高野連が今年行った加盟校への全国調査で、頭髪を「丸刈り」と答えた学校は全体の26.4%にとどまったそうです!つまり73.6%は丸刈りではないということです!

 この調査は5年に1度行われるのですが、5年前の2018年に行った調査では、76.8%の学校が「丸刈り」と回答していたそうです!つまり、この5年間で50.4%の学校が丸刈りをやめたということになります!

 元々高校野球は1915年(大4)の第1回大会から丸刈りが主流でした!しかし、100年以上にわたって続いていた「丸刈り」の伝統が、この5年で一気に変化してきたのです!

 高校生というのは大人よりもはるかに変化に対して柔軟です!「丸刈り」の伝統から変化できたのであれば、「甲子園球場」の伝統からも柔軟に変化できると思うのです!

 大人は「甲子園」の歴史や伝統にしがみつくかもしれませんが、実際にプレーする高校生は、開催地が甲子園から移転してもスンナリと受け入れるのではないか、と想像しています!

【状況は逼迫している!】
 それでもまだまだ「甲子園での開催」に固執する方はいるかもしれませんが、最後にもう一度念押ししておきますね!

 国連はこの夏、こう警鐘を鳴らしました!

「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が到来した」

 もはや「歴史」と「伝統」だけでは抗うことのできない、逼迫した状況を迎えているはずです!避けられない「転換期」を迎えているのです!

「歴史」や「伝統」よりも「球児」を守ろう~!

と素人ジョシは思うのでした!

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