効果は分からないけれど
扉を開けると、ムッとした空気が流れ込んでくる。 いや、むしろそのムッとした空気の中に飛び込む感じだ。 そして自分が座るべき場所を探す。 と言ってもそんなに広い空間では無いし、誰も居ない事がすぐに分かる。 バスタオルが敷かれた木の台の上に座る。 「あちっっ」という声が思わず飛び出るくらい熱かった。 少しお尻の位置を動かして、適温の場所を探す。 「ふぅ〜っ」と一息付くと、汗が吹き出してくる。
そう、私はサウナにいる
砂時計をひっくり返す。 上部の砂がサラサラとくびれを通して、下に落ちて行く。 この形状と残りわずかとなった砂が、最後に落ちる瞬間を観るのが好きだ。
外に出てシャワーを浴びる。 水風呂には入らない。 ぬる目のシャワーを浴びる。 だって、冷たいんだもん。
もう一度、サウナに入る。 中の古い木板にある落書きが目に入った。 『平木に勝った』 その左横に目をやると『平木に負けた』とある。 右横に視線を動かすと、『平木は弱い』、斜め上を見上げると『平木の〇〇○は小さい』とある。 なかなかに平木基準である。 平木の歴史を感じた瞬間だ。
砂時計の上部が空っぽになったら、再び外に出てぬるシャワー。
ストレス解消? スッキリする?? 疲労回復???
どこまで効果があるのか分からないけど、新陳代謝は良くなる気がする。
通常運転でも、発汗が良い感じがする。(そして、後のビールが美味い)
たまに来る近所の銭湯。 少し遠くにあるスーパー銭湯の半額くらい。 壁のタイルには所々ヒビが入っている。 天然温泉でも無ければ、露天風呂も無い。 見上げると天井近くの窓が空いている・・・覗かれそう?笑
費用対効果を考えれば微妙だけれど、遠くのスーパーな銭湯より近くの普通の銭湯。 ぷらぷらと歩いて行ける距離が良い。 椅子は少し低目だけどキレイで新しい。 湯桶も同じく新しく、頻繁に交換している様子。 そういえば、湯桶(ゆとう)読みってありますね。 筒じゃなくて桶なんだ・・・と思って検索すると、両方出てくる。 形状なのか派生から来るのか・・・日本語って奥が深いですね。
番台のおっちゃんに「ありがとう」と声をかけて外に出る。 おっちゃんは右手を軽く上げるだけ・・・ 僕なんかより阪神戦のナイターが気になって仕方ないようだ。 『おっちゃん、窓空いてるで』心の中でそっと呟く。
外に出ると風が気持ち良い
うん、ガンバレ・・・平木