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ミュージカル「アニー」

ミュージカル「アニー」を観てきました。
 私はすごい昔、高校生の時、学園祭で「アニー」の脚本、演出をやったことがあります。
 演劇部というわけではなく、クラスに1つ演劇をするのが慣習としてありました。(ちなみに演劇部は学校になかった)

 普段、休み時間でも本を読んでいるような目立たない陰キャでしたが、不思議とそれは「私の役割」だと思ったのを覚えてます。
 その時、ミュージカルも見たし、舞台を作るドキュメンタリーでえらい子供が怒られてるのとかも見ました。

 何より2時間の映画を規定の30分にまとめなければならなかったので、どこをピックアップするかがものすごい大変で、映画は100回くらい見たのではないでしょうか。

 その過程で、主題曲「トゥモロー」は勿論、「メイビー」「ハードノックライフ」くらいは歌えるようになったのに・・・
 大分、今は歌詞が変わってるんやね。
 
  そんなこんなで「アニー」はかなり思い入れがあるミュージカルです。
 しかし、今年は短縮バージョンということで90分休憩なしでの上演。
 「え?ここも飛ばすのか!」というくらいかなり話は端折られてました。(素人と比べるのは申し訳ないですが、30分バージョンでも入れたような場面でも飛ばされてました。)

 とは言え、コロナ禍で上演できるだけでも奇跡ですね。
 一昨年は上演できず、去年は1日で中止になったらしい・・・
 
 90分ノンストップで観客の子供たちの興味を惹きつけるのも大変でしょう。
 「子供向け」みたいな体をして作りはそんなに子供に媚びてない感じがします。(犬とか出てくるけど・・・)大人たちだけが出る場面もしっかり作ってあります。
 
 今回はあらためて「孤児」ということについて考えさせられました。
 とある本で「1920年頃まで孤児の1歳以下の子供の死亡率は100%だった」というのを読みました。ちょうどアニー達の時代です。
 1940年代にやさしく面倒をみる保母さんを導入したことで、死亡率がぐっと低下したそうです。
 優しく触れる、話しかける、ということがどれほど子供の成長にとって大切か、ということが伺える話です。

 どういう経緯でハニガンさんみたいなアル中で子供など大嫌いな人が孤児院を経営することになったのか分かりませんが、アニー達孤児が人間らしい扱いを受けるのはもう少し先だったようです。

 とは言え、子供たちは自分たちの状況を受け入れたくましく育ってます。
 アニーのそんな原始的な逞しさが冷徹で仕事人間なウォーバックスさんの心も惹きつけたのでしょう。
(今回はその過程もかなり飛ばされてましたが)

 たとえ血のつながりはなくとも、養子縁組などがもっと身近になったり、子供を社会全体で育てる、できるだけ気にかけて優しく接する・・・という風潮が100年後の日本でもまだそれほど一般的でない感じが残念です。(むしろ昭和くらいの方があったのか?)

 最後の方の場面で「孤児たちにはこれから勉強をしてもらう」というような大統領?の台詞で、子供たちががっかりした演技をしたのがちょっと残念な表現だったように感じました。
 今まで「労働力」とされてきた子供たちが「自分たちの未来をつかみとるために勉強する」というのはどういうことなのか、ひとこと、ふたことでもあれば良かったにな、と思いました。

 

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