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【ロゴ・名刺デザイン】浅草 Barカルーナ様

この度、東京都台東区の浅草にあります「Bar カルーナ」様よりご縁をいただき、僭越ながらロゴ・名刺のデザインをさせていただく事となりました。

お店の顔とも言える大切な部分ですので、双方が納得のいくまで緻密にデザインを進めました。
大まかにではありますが、完成までの制作過程を紹介できればと思います。

制作概要

  • 内容:ロゴデザイン, 名刺デザイン

  • 掛かった期間:約9か月

  • 備考:印刷などのコストをできる限り抑えつつ映えるデザイン

期間については特に設けないという前提があったため、先述の通り双方が納得のいくまで時間をかけることとしました。また、何らかの印刷物として出力した際にできる限りコストを抑えたいとの希望でしたので色に頼らない工夫が求められるデザインとなりました。

デザインコンセプト

ロゴ

  • 店名にもなっている「カルーナ ブルガリス(Calluna Vulgaris)」を使う

  • 力強く、落ち着きがあり可読性が高くなるように

名刺

  • 落ち着いたオーセンティックな空間をイメージさせるデザイン

  • お店の情報は必要最低限に

制作過程

制作開始~決定稿までの一部(ボツ案含む)を紹介します。

ロゴ編

01.最初期案 方向性を決めるアイデア出しの段階
02.アイデア出しの段階(2)
03.方向性が定まってきました
04.デザインスタイルを限定し最終候補を絞り込んでいきます
05.文字装飾やアイコンデザインを固めます
06.レイアウトの最終調整案
07.決定稿

名刺編

当初はショップカードが別案でした
決定案のレイアウト調整
名刺 → ショップカードにも加工できる案を盛り込み2in1方式に

苦労した箇所

ロゴ

  • 「Barという空間の何処にオーセンティックな雰囲気を感じるか」というのは個人で異なるため、デザインへ落とし込む要素の擦り合わせに時間をかけた(アイデア出しが多いのはそのため)

  • ロゴアイコンとしての「カルーナ ブルガリスの抽象化」。小さめの枝が集まって全体的なシルエットを創り出しているが、ロゴとして縮小した際には細かなディティールは失われてしまう。特徴的な細部に注目しつつ、天へ伸びてゆく植物らしい生命力の表現方法を模索

  • バランス感と表情を乗せるため、文字単位の装飾・隙間・高さ揃えのベースライン調整など

些細な装飾の違いでも印象が大きく変わります
エリア外に残された微調整の残骸たち

名刺

  • 黒1色のみという制限の中で濃淡を利用し、オンデマンド印刷の低コストな環境下でも耐えうるデザイン性の確保

  • オンデマンド印刷特有の面積が大きい箇所に対する印刷ムラの発生

  • 名刺とショップカードの統合化によるコスト削減(入稿が1種類で済む)

  • InstagramのQRコードを印刷用(ベクター)データにゼロから作り直したがデザイン都合により最終的には読み取り不可で使用できなかった

  • 用紙の選定。カタログ上は同じ表記でもサンプルを取り寄せて実物での確認が必要で想定以上に差異があった。特に「厚みの感触」「白の温度」「印刷のムラ」

紙の厚さを測る写真。持っててよかったノギス
意図した色では印刷されたが、黒い領域にモヤモヤが出てしまった(写真下段)

デザインを終えて

いかがでしたでしょうか。
紹介したのは作業工程のほんの一部ですが、数々のデザイン工程を経て決定案へたどり着く様子をお伝えしました。他にも細部までこだわった部分は沢山あり載せきれないため割愛しますが、普段から何かしらのデザインコンテンツに触れている方でしたらすぐに気が付かれることと思います。

拡大しないと分からないような装飾(変化)ではありますが、一見して気が付かない「小さな変化の集合体」こそがデザインの神髄であり、その指揮を執るデザイナーは腕の見せ所でもあります。

ある程度の書体や色についての知識は必要になりますが、気になる方はぜひ「小さな変化」を探してみてください。

最後に、ロゴ・名刺というお店の構成要素として外せないとても大きな部分を信頼して任せてくださったBarカルーナ様、この場を借りて御礼申し上げます。

Bar カルーナ
〒111-0033 東京都台東区花川戸1丁目9-3
03-5830-7578

https://www.instagram.com/bar_calluna

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