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【エッセイ】メダカの絵

欲しいなあ。メダカの絵。
でも、「メダカ」「絵画」で検索すると
「何これ」っていうくらい
そうじゃない系が出てくるんだよなあ。

AIに描いてもらおうとしたら
おひれはひれがついて
別物に仕上がってくるんだよなあ。

本物がいるから、それ以上の存在は
いないことは分かっているんだけど。

金魚の絵はいっぱい出てくるのに、
なんでメダカの絵は少ないんだろう。

金魚の画家はいるのに
何でメダカの画家は
いないんだろう。

そう思って、
実験的に何枚か
メダカを、
油絵で描いてみた。


そして、わかった。


メダカは難しいんだ。
メダカは小さくて、半透明だから、
身が少なくて、余白が多くなる。
だから、構図が難しい。

ほていあおいとか、カボンバとか、
岩とか水とか、小物を使って
構成しないと間が持たない。


結論、絵にするのが難しい。


迂闊に手を出すと大怪我が待っている。
富士山に登るくらいの技術と知識が必要になる。

構図は作家の個性、本質を如実に表す。
描写力は、表現世界に説得力を与える。
どちらも欠けてはならない。
生きて帰るためには。

対して金魚は、
多少構図が悪くても絵になるし
多少描写が弱くても絵になる。
あまり怪我しない。安全な山。
登り方がたくさんあることを
たくさんの絵が教えてくれるので
失敗も少ないだろう。

絵の大きさへの対応力も課題である。


金魚は巨大化させても可愛いし、
小さい作品はもっと可愛いので
拡大と縮小どちらにも対応できる。

対してメダカは・・・
拡大して思ったのだが、
顔が、・・・・・怖い。

野生味が強くなり、
小さいままでいた方が良いと
心から思った。

そうすると、拡大表現が使えないので
大作を描こうとすると、余白に困る。

描けば描くほど
考察すればするほど
メダカ作家が見つからない、
その理由に実感が伴う今日この頃。








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白土紘子
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