グレイヘア3年目(4)母ちゃんは新八
前回の グレイヘア3年目(3)夫の反応と息子の反応「第2段階」はこちらです。
朝はもさもさ茶髪だった母が、学校から帰ったら短く刈り込んだ白髪頭に大変身! でも、7時間一緒にいながら、息子アルフォンス(仮名)はそのことにまったく気づいていなかった。
さすがに驚きましたが、息子ならあり得る、というのが我々夫婦の見解でした。
実は、息子が2、3歳くらいのころ、私が眼鏡を外すと、とても嫌がった時期がありました。あまりにぐずぐず言うので、夫が少し怒って息子をたしなめたことがあります。
夫「いいかげんにしろ。眼鏡を外しても母ちゃんは母ちゃんだろ?」
息子「ちがう!」
夫「だいたいなあ、どっちが母ちゃんだよ?」
外して置いてある眼鏡と私(眼鏡なし)を交互に指さす夫の問いに、息子が憤然としながら指さしたのは「眼鏡」の方。
そうなんです。息子の中では「眼鏡」こそが「母」の本体なんです。
漫画『銀魂』の新八かよ!と思いました。志村新八君も「眼鏡が本体」と言われていましたよね。
「眼鏡」が「母」の本体なのであれば、同じ眼鏡をかけてさえいれば、髪の色も長さもなんでもよくて、もっと言えば私ではない他の誰かでもいいわけです(書いてて悲しい)。だから、父親に言われるまで気づかなかったのも納得、納得(んなわけない)。
母(眼鏡)の付属品(私)の変化を認識した息子が言いました。
「頭が白くなったってことは、おばあちゃんになるってことでしょ? ぼく、それは嫌だなあ……」
ちょっと待て。
何日も悩んで、施術してからも息子はどう思うか、反対されたら今は諦めるしかないか……とドキドキしながら帰ってきたのに。何も言わなかったのは容認してくれたからと安心してたのに。この気持ちどうしてくれるんだ。
「7時間気づかなかったんだから、どうでもいいってことだよね? だったらこのままいかせてもらうよ」
半ば押し切るように言うと、息子は「分かった」とうなずきました。
でも、学校の友達にからかわれて、それが続くようなら考え直さないとかもなあ、とも思っていました。眼鏡の付属品なりに、息子を案じる気持ちはあるのです。
さて、家族以外の反応は――