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海外駐在:語学力よりも大事なのは人間力?

海外駐在において、語学力よりも大事なのは人間力と言われたりもしますが、ここでの人間力は相手を理解すること、言い換えると異文化理解力となります。

私の経験上、業務をする上で語学はもちろん大事ですが、これだけでは成功せず、異文化理解力も同じくらい必要です。

海外で仕事をしていても、日本の延長線の気持ちや振る舞いで仕事をしてしまいがちですが、同僚や顧客は現地人です。考え方や文化は異なるため、現地に特化した仕事の進め方ができないと、人を理解すること、動いてもらうことは難しくなります。

海外駐在する人向けに、よくオススメされる本が異文化理解力です。

簡単に内容を説明すると、物事の見方は国ごとに異なり、それぞれの出身国に合わせたアプローチが必要であることや、具体的な国ごとの違いも書かれています。

これから海外駐在する方や、外国人と仕事をする方には是非読んで欲しい本です。

この本にも出てきますが、私が中華圏に駐在していた時に感じた日本と中国の仕事の進め方の違いは

リーダーシップにおいて、中国はトップダウン、日本は合議思考であることです。

次に、実際に直面した事例を紹介します。

リーダーシップにおいて、中国はトップダウン、日本は合議思考

中国で働く、駐在員として現地メンバーを束ねていくためには、トップダウンで指示を出すこと=判断して徹底させることが求められます。

日本では、周りの意見も尊重し、みなが腹落ちできる妥協点を探っていくことが求められますが、中国では上からどカーンと指示を徹底していくことが求められます。

私の肌感覚では、中国は日本よりもトップダウンで物事を決めていき、早く、的確な判断が求められます。

トップダウンの事例

歴史ある日系メーカーの日本人の購買部長と中国人部下が同席している打ち合わせで、私はサプライヤーの一社として中国人部下と一緒に参加していました。

日本では取引がある両社ですが、中国での取引は今回が初めてであり、商品の受発注のルールを決めるための打ち合わせです。

いくつかの案をこちらから提示して、それぞれのメリットとデメリットを説明したあと、どちらのルールで運用するかを決めてもらうことが目的です

中国人のメンバー同士がああでもないこうでもないと言い合っていますが、一向に話が収束する気配が見えません。
中国人メンバーが、たまに、上司の日本人部長に日本語で説明していますが、上司からの具体的なアドバイスもなく、淡々と議論は進んでいきます。

最終的に時間もきたので、調達部長に「どうしますか」と判断を委ねましたが、その上司は判断しようとせずに持ち帰ろうとしました。

その時に彼の中国人部下と私たちは顔を見合わせて固まってしまいました。

この瞬間に日本人部長の信頼は無くなってしまったようで、後で聞くところによると、中国人スタッフは彼の言うことは聞かなくなったようです。

日本人は管理が厳しいけど何も決めない

部長がいなくなった後、その部下たちは、こんなことを言って退出していきました。

そもそも、なんでこんなことが起こるのか?

文化を理解した上でのアクションが起こせていないことが原因です。

今回のケースの日本人部長も、日本と中国の文化や違いを理解していれば、違ったアクションを起こせた可能性があります。

異文化を理解して仕事をすること、非常に重要だと感じました。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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