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【統計で分かる】伸びるVtuberと伸びないVtuber【1/3】

 キズナアイの登場によって一躍脚光を浴びたVtuber業界。それ以降、Vtuberの人数は増え続け、現在では16,000人を超えるとされていますが、その分、競争は激化。個人Vtuberには、「努力しているのにYouTubeの登録者数が伸びない!」という悩みを抱える方も多いかと思います。
 インターネットを検索すると、現役Vtuberから有識者まで様々な人が、「伸びるためには○○をしろ!」と自らの経験を基に話していますが、経験ではなく、実際のデータではどうなのか。この記事では3回に分けて、Vtuberの統計データを基に、伸びているVtuberの秘訣に迫ります。

調査対象

 今回の調査では、2021年3月にYouTubeで初配信・初投稿を行ったVtuberの内、企業のブランド力が働かない個人勢Vtuber、297人を対象としています。

Vtuberの内訳

 297人の個人勢Vtuberの内訳は以下の通りです。

女性:174(58.6%)
男性:88(29.6%)
バ美肉:33(11.1%)
男女グループ、性別不明:2(0.7%)

 女性が約6割、男性・バ美肉が約4割となっています。個人的にはもっと男性の人数が少ないかと思っていましたが、男性Vtuberも多くの方がデビューしているようです。

引退・休止の人数と内訳

 引退・休止されたVtuberは40人で、内訳は下記の通りです。なお、3か月以上配信・投稿されていないチャンネルは休止としてカウントしています。

女性:25
男性:13
バ美肉:2
合計:40
 女性全体の内、引退・休止の割合は14.4%、男性の場合は14.8%、バ美肉の場合は6.1%となっています。

 今回の調査は2022年4月に行ったので、約1年で297人のVtuberの内40人、割合にして13.5%が引退や休止となっており、活動を続ける難しさが分かります。

統計に使う数値の内容

 これから、統計を用いて伸びているVtuberの分析を行っていきますが、統計の取りにくい一部のVtuberは除外しています。その内訳は以下の通りです。
 また、バ美肉はこれ以降、男性として集計しています。

除外したVtuberの内訳
男女グループ、性別不明:2
引退・休止:40
チャンネル登録者数非表示:7
外国語が中心のチャンネル:8
※今回は日本語を中心として活動するVtuberの分析を行うため、外国語中心のチャンネル(全て外国人のVtuberでした)も除外しています。

統計に使用するVtuberの内訳
女性:138
男性:102
合計:240


YouTube登録者数の平均値と中央値

 Vtuberの女性138人、男性102人のYouTube登録者数について計算しました。結果は以下の通りです。

女性 平均値:1,551
   中央値:620
男性 平均値:427
   中央値:245

 登録者数の多いVtuberによって平均値が吊り上げられているため、男女ともに中央値と大きな差が見られます。
 中央値は数値を順番に並べた際の中央なので、中央値を超えていれば順位は上位50%になります。
 活動して約1年経過した際のデータなので、現在活動されているVtuberは勿論、これからVtuber活動を始めようと考えている方もひとつの目安になるのではないでしょうか。
 では、上位のVtuberと下位のVtuberの差はどれくらいなのでしょうか。

 Vtuber240人の合計登録者数は257,594ですが、なんとその内の25%がたった4人のVtuberの登録者でした。また、上位15人(全体の6.3%)のVtuberで50%の登録者数を占めており、残り225人のVtuberで50%の登録者数を分け合うという格差社会が出来上がっているのが分かります。

 では、下位225人のVtuberの登録者数の分布はどうなっているのでしょうか。下のグラフがそのヒストグラム(分布図)になっています。

 もっとも多いのが登録者数300以下で、大半が登録者数900以下となっています。よく、登録者数1,000が一つの壁だという言葉を耳にしますが、実際、1年間活動しても登録者数1,000を超えられるVtuberは一握りだけという厳しい現実が分かります。

YouTubeの動画投稿数と総再生数

 こちらでは、YouTubeの合計登録者257,594の内、50%を占める上位15人と下位225人について、各チャンネルの動画投稿数や総再生数にどれくらいの差があるのか調査しました。
 まずは、動画投稿数になります。

上位50%(15名)  平均値:181
          中央値:176
下位50%(225名)  平均値:219
          中央値:145

 平均値で見ると、下位50%の方が高くなっていますが、中央値で見ると上位50%の方が高くなり、1.2倍の数値となっています。これは、下位50%の中に、投稿数が非常に多いVtuberがいて平均値が吊り上がっていると考えられ、総合的にみると上位50%のVtuberの方が精力的に活動していると考えられます。
 このデータは活動開始から約1年後のものなので、人気Vtuberを目指すには少なくとも2~3日に1回は配信する覚悟が必要かもしれません。

 続いて、各チャンネルの総再生数についての調査結果になります。

上位50%(15名)  平均値:339,318
          中央値:240,036
下位50%(225名)  平均値:27,838
          中央値:18,746

 チャンネル登録者数の割合から予想は出来ていましたが、こちらは恐ろしいほどの差になりました。平均値、中央値ともに上位50%の方が圧倒的に高くなっており、中央値で見ると上位50%が下位50%の約12.8倍となっています。
 動画投稿数に比べ、総再生数の差が大きいので、単純に投稿数を増やすよりも、いかにして動画を再生してくれる視聴者を増やすかを考えるかが、登録者数を伸ばすのに重要なのかもしれません。

終わりに

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
 今回は、3部にわたる記事の第1部ということで、総合的な内容を中心に記載させていただきました。
 Vtuberで活動している方は勿論、同じ趣味を持つ、Vtuberが好きな方にも興味を持ってもらえる記事になっていれば嬉しく思います。
 第2部では、伸びているVtuberと伸びていないVtuberの違いについて、更に踏み込んだ内容になる予定です。

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