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イベルメクチンを大量に服用するとどうなるのか?

はじめに

以前書いた記事ですが、巷で話題のイベルメクチンについて冷静にメリットとデメリットを把握して、正しい用量で使う様にしましょうと言ったのは良いのですが、ワクチン後遺症に効くドースを調べた治験などは存在しない手探り状態で、難しい問題であります。


そこで安全性がある用量の推定をコロナ対策として行われた治験から推測してみようと思います。

ツイッターで紹介して頂いたこちらのブログを参考にて、自分でも同じ元ネタのNIHのイベルメクチン臨床試験特集ページからドースを書き出してみました。執筆時では臨床試験のリストが上記ブログの6から9に増えていました。

コロナ対策として治験で使われた用量

POというのは経口投与。60 kgの人に12 mgが寄生虫対策でよく使われるので60 kg換算した値も付け加えました。

  1. TOGETHER: Double-Blind, Adaptive, RCT of Ivermectin in Nonhospitalized Patients With COVID-19 in Brazil
    - IVM 400 μg/kg PO per day for 3 days (n = 679)
    - i.e., 24 mg for 60 kg
    - No details on safety outcomes

  2. IVERCOR-COVID19: Double-Blind, Placebo-Controlled, Randomized Trial of Ivermectin in Nonhospitalized Patients With COVID-19 in Argentina
    - 2 days at the maximum total dose of 48 mg PO
    - No details on safety outcomes

  3. I-TECH: Open-Label RCT of Ivermectin in Patients With Mild to Moderate COVID-19 in Malaysia
    - IVM: 400 μg/kg PO daily for 5 days plus SOC (n = 241)
    - No details on safety outcomes

  4. Double-Blind, Placebo-Controlled, Randomized Trial of Ivermectin in Patients With Mild COVID-19 in Colombia
    - IVM 300 μg/kg PO per day for 5 days (n = 200)
    - 18 mg for 60 kg

  5. Open-Label RCT of Ivermectin in Hospitalized Patients With COVID-19 in Egypt
    - IVM 12 mg PO once daily for 3 days (n = 82)

  6. Double-Blind, Placebo-Controlled, Randomized Trial of Ivermectin in Patients With Mild to Moderate COVID-19 in India
    - IVM 12 mg PO for 2 days (n = 55)

  7. RIVET-COV: Double-Blind, Placebo-Controlled, Randomized Trial of Ivermectin in Patients With Mild to Moderate COVID-19 in India
    - Single dose of IVM 24 mg PO (n = 51)
    - Single dose of IVM 12 mg PO (n = 49)

  8. COVER: Phase 2, Double-Blind RCT of Ivermectin in Nonhospitalized Patients With COVID-19 in Italy
    - IVM 1,200 μg/kg PO once daily for 5 days (n = 32)
    - i.e., 72 mg for 60 kg
    - IVM 600 μg/kg plus placebo PO once daily for 5 days (n = 29)
    - i.e., 36 mg for 60 kg
    - A high dose of IVM (1,200 μg/kg) appears to be safe but not well-tolerated; 34% discontinued therapy due to AEs.

  9. Double-Blind RCT of Ivermectin, Chloroquine, or Hydroxychloroquine in Hospitalized Adults With Severe COVID-19 in Brazil
    - IVM 14 mg once daily for 3 days (n = 53)

イベルメクチンはカプセルやタブレットとして購入するとすでに寄生虫対策として実績のある用量の12 mgとして売っていることが多いです。

コロナ対策の治験では全体に12 mg以上のドースを使っている臨床試験が多いですが、コロナの感染初期の対策として投薬も1−2日の短期間で終了するパターンが多いかったです。

この位の短い投与期間では特に大きな副作用もなく、割と安全な薬であることが確認出来ます。

しかし、8のイタリアの研究がものすごくってなんと高ドースでは72 mgを60キロの体重の人に使う計算で、しかも5日間。冷え―。

そして、これは流石に副作用が記載されています。

視覚障害70%(3%)
副作用に耐えられなくて
30倍群の34.4%が脱落

上のオリオンTheハンターのブログから引用

脱落者はどのくらい?

こちらがそのイタリアでの臨床試験の論文。


参加者のまとめである図1を見てみましょう。

低ドース(と言っても衝撃の60 kgの人で36 mg計算で、通常の12 mgの3倍!!)のアームBをみても29人の被験者の内2人がFollow-upで脱落しています。最終的には3人が5日間の処方をこなさずNが26。大丈夫かこれ。

高ドース(衝撃の72 mg換算w)では11人がFollow-upで離脱😨し、最終的に13人が離脱してNが32から19へ。やっば。


イベルメクチンの体内への蓄積の具合

図2 薬がどのくらい体に滞在するかを見ている図を見てみましょう。

For these reasons and for feasibility considerations, it was planned to collect blood samples in a subset of participants at three timepoints: just before and 4 h and 48 h after the fifth dose.

とあるので、5日目の最後のドースの経口投与から0時間、4時間、48時間と採血しているようです。なので0時間でも前の4日分の蓄積があるわけで、イベルメクチンの血中濃度がゼロではありません。

with an elimination half-life of 18–35 h [11,12]

と参考文献リストを2つ付けてイベルメクチンの半減期は18時間から35時間だと書いてありました。

中村先生たちが言っているように体に結構蓄積する傾向がありますね。だから寄生虫対策で12 mgのカプセルを飲む時に1−2週間と間隔があいているのでしょうか。


副作用について

そして肝心な副作用についての表を見てみましょう。

コロナの患者がベースなので内臓(腹痛、下痢)や神経性(めまい、頭痛とか)の軽度の不調(Grade 1)を訴えた人が多い訳ですが、高ドースのアームCではGrade 2のより強い不調が目、内臓、疲労、感染症、神経性の異常、低血圧に現れています。やはりこのドースは短期間でも危なそうです。

低ドースのアームBでもGrade 2が増えていそうなのが、目、内臓、低血圧ですがNが少なく微妙。それでも目の異常に関してはGrade 1がはっきり増えているので低ドースで短期間でも目に副作用が来ると言えそうです。

全体に目の異常が際立っていてイベルメクチンの副作用と言えそうです。

これは5日間のデータですが、ワクチン後遺症対策としては60 kgの人で12 mgを3−6週間も飲むことをFLCCCは勧めていますが、そんな長い間イベルメクチンをとった治験は恐らくないでしょう。FLCCC自身が治験が必要だと言っているのですから。

しかし、メリットがリスクを上回るのならば使うのはありです。安全性についてはアネクドータルな経験例の寄せ集めになり、情報の質を確保しにくくなるのが辛い所です。

バランスを取ると、ワクチン後遺症に関しては効く人と効かない人にはっきり分かれる傾向のあるイベルメクチンらしいですのでFLCCCのプロトコルで効かないなーと思ったらば早めに打ち切るのが賢いのかも知れません。

毎日72 mgを5日間取ったら360 mg。
12 mgでも3週間とったら252 mg。4週間で336 mg。5週間で420 mg。

高ドースと近い量からそれを上回る量を投与しています。期間が長いくバラける為にマシとは言え、FLCCCは副作用があることがわかっている量を勧めていることが分ります。

コロナワクチン後遺症改善するというメリットは超デカイのでだから駄目とはいいませんが、半減期が18から35時間ある薬を毎日飲むのはどうなのか?とも思うし、あまりFLCCCには良い印象がないです。

上に貼った「イベルメクチンは最強なのか?」の記事にはイベルメクチンに慎重な医師の見解も多数載せてありますので、合わせてお読みください。

結論

・12 mgでも5日以上毎日飲んで大丈夫かは謎のまま。
・イタリアの治験であった36 mg x 5日間 = 180 mgまではギリギリセーフと仮定すると、12 mgなら3倍の15日間まではワクチン後遺症に効いているかの様子を見ることが出来るかも知れない。

そもそも48時間位ではかなり体内に蓄積したままの薬を毎日のむ必要があるのかも疑問ですし、一日おきにしたら12 mgで一ヶ月30日位は様子が見れるような気もしますよね。

参考までに、12 mgを毎食後に飲んで(つまり一日36 mg換算)で二週間も摂取して、ガンを克服したという体験談もあります。この場合はコロナワクチンからの急性なガンの克服という甚大なるメリットがありますので、このような高濃度もありかと思います。

免責事項。
私は医者ではありませんので、 くれぐれも情報を良く調べて自己責任でお願いします。そして、できれば信頼できるお医者さんに相談してイベルメクチンを使って下さいね。中村先生も遠隔診療されていますよ!

イベルメクチンもいいですが、食生活に問題がある人はそちらを改善するのが先でしょうし、元々体にあるような栄養や、食品から入ってくる栄養をサプリで補う方法も色々と医師の方々が試されています。

こちらにサプリについて書いてますので合わせてお読みください。