プロ同士だから生まれるアイデア。
俺は繊維のプロでも企画のプロでもない。
単なる「おもろい事をやりたいプロ」なだけ。
そこにセオリーもルールも何もない。
でも、一つだけ声を大きく出して言えることがある。
我武者羅に追求する
モノが好きな奴はどんどん追求していく。
例えば、俺の場合、F1のアイルトン・セナが大好きで、
1988年、鈴鹿のF1グランプリを観に行って、その時セナが
初めてワールドチャンピオンになった瞬間を観た。
そこから「マクラーレンレッド」に憧れた。
28歳、サラリーマン時代に観て感動した色。
それをずーっと思い続けていた。
42歳、Roginを立ち上げた。
その時にコーポレートカラーをこの色にした。
しかし、どうしてもこの色が出ない。
印刷では不可能と言われた。
ある日、模型屋さんでセナもMP4/4を見つけた。
その時に観た塗料。
見つけた。
その当時のマクラーレンレッド。
それを印刷会社に渡し、テストをした。
それでも実現できなかった。
諦めかけていた頃、九州の小さい印刷会社の営業が、
「ドイツならあるかもしれない」と言い出した。
調べて、ドイツの塗料メーカーから取り寄せてくれた、
そして憧れのマクラーレンレッドに名刺の色を変えた。
たった一つの色でも好きになったらとことん追求する。
自分が納得いくまで徹底的に探し求める。
昨夜、あるプロのパタンナーと飯を食った。
その時、彼の色の追求が同じような過去をたどっていた事を知り、
お互いの一つの事への追求する精神を知り、
ブレストを続けているうちに、全く新しい概念が生まれた。
「色」
徹底的に追求していく。
俺は糸から。
彼は加工から。
徹底的に追求する。
これはプロ同士だから生まれた新しい考え方だった。
プロって妥協を許さない。
妥協した時点でプロでなくなる。
我武者羅に追求する事で生まれるものがある。
唯一無二のモノだ。
徹底的に追求しない限り生まれない。
そのZONEに入らないと生まれない。
それを経験した奴は、常にそれを追求する。
周りが見えなくなっても追求する。
精神が弱い奴は途中で離脱する。
「やっぱ、やめておこう。無駄な努力だ」
あっさりと辞めてしまう。
戦わずして逃げてしまう。
ここで人の差が出てくる。
戦う奴しか生き残れない。
戦って負けても、再度戦って勝つまで諦めない。
それがプロやと思う。