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冬キャンプに行きたかった【実践編】

ようやく果たせた冬キャンプは、とある年の瀬でした。
前回の【計画編】のように自分的には準備万端、という気持ちで冬キャンプに挑みました。


想定外①【雨】

この日の予報は一日雨。
それまでもキャンプ中に雨が降ったことはあるのですが、車が横にないことがちょっと不安でした。
でも、いざとなったらデイキャンプに切り替えられることや、駐車場には車があるので、そこに戻ることもできるという選択肢もあったので、思い切って行ってみることにしました。

ひどい土砂降りではなかったのですが、冷たい冬の雨のお天気でした。
そして雨ってずっと降っていますので、傘をさしても防げるのは自分だけで、荷物がどうにも濡れてしまうことが困りました。
結局できなかったのですが、焚き火用の薪がぬれてしまわないようにと、あわあわしていました。

そして、テントを立ち上げたものの、跳ね上げ部分をうまく張れなかったのでそこに雨水が溜まってしまいます。試行錯誤した末、結局このときはテントをクローズしての、おこもりキャンプとなりました。

想定外②【地面のぬかるみ】

これも雨に通じるのですが、地面が雨でぬかるんでいることが思いのほか大変でした。グランドシートはやむを得ずとしても、インナーテントまでもがぬれるし汚れるのです。帰ってからの片付けを考えるとちょっといやになります。

そして、今回試しにやってみようと思っていた、グランドシートとインナーテントの間にコットを置くということができませんでした。
テントはもう諦めてるので仕方ないですが、コットはやはり泥で汚したくないのです。

結局この時は、インナーテントの中でコットを組み立てました。
前室に敷いたシートもぬれてしまっていたので、骨組みを地面につけたくなくて、本当に大変でした。
【雨対策は地面対策】だということを思い知りました。

他にも、林間サイトで地面は土なので、ところどころに水たまりができています。
最初に大丈夫と思ってテントを張った場所も、時間が経つとなぜか雨が溜まってきて、慌てて移動したり荷物を動かしたりと、てんやわんやでした。

想定外③【風】

実はこれがいちばんの想定外でした。
この時のキャンプ場は海沿いのキャンプ場でした。
初めて泊まったわけではないのですが、風速3mほどの風でも海風なので凄まじくて、これにもほとほと難儀しました。

風は陽が暮れてくる頃からますます強くなってきました。
屋外というのは本当に無防備なものです。

ここでまた帰るかどうか迷いました。
このままデイキャンプで帰るのか、それとも泊まるのか。
迷う気持ちのまま、ちょっと場内を巡ってみることにしました。

どこのサイトも風の勢いは変わりません。
ただその時に気づいてたのは、年の瀬なのでそんなに多くはないものの、他の人は普通にキャンプを楽しんでいらしたことでした。
あれ?みなさん意外とそんな感じですか?
ふっと気が緩むような気持ちを覚えながら、自分のサイトに戻りました。

おこもりキャンプを楽しむ

周囲の方の様子を見ることで、自分がなんとなく軽くパニックになっていたのだなと落ち着くことができました。

改めて、自分のテントのありったけ全部張ったガイロープとペグをもう一度確認しました。うん、しっかり張れている、はず。
そしてテントの中は、前室はさすがに足元に風が吹いているけど、インナーテントの中は意外とあたたかい。
熱源はシングルガスバーナーとアルポット(アルコールストーブとクッカーと風防が一体化したもの)があったので、確実にお湯は沸かせる。
調理ができなくても、もしものためのカレーめんもある。
よし!いける!

というわけで、腹を括ってキャンプを楽しむことにしました。

想定外③【風】追記

とにかくテント内を快適に過ごせるように再セッティングをしました。
雨にぬれないようにと、荷物を前室にいれてしまいたいので、もう使わない焚き火一式は一旦車に積みに行きました。そうすることで前室が広く使えるようになりました。

換気に気をつけながら、缶詰を温め、お湯を沸かしました。
前室にも風が吹いているので、アルポットの存在がとても頼もしかったです。

それなりにキャンプを満喫し、そろそろ寝ようかという頃になっても、風は一向に止みませんでした。
パタパタパタパタ……..と、しっかりペグを打って、ファスナーも閉まっているはずなのに、どこかが旗めいているのです。
そのテントが風にはためく音がずっと止まず、夜もほとんど眠れませんでした。

夜が明けて

早く夜が明けないかと、眠ったような眠ってないような状態で朝を迎えました。
風は収まり、雨は降ってませんでしたが、海には白波が立ち、空も暗い雲に覆われていました。

テントに溜まった水を注意深く落とし外に出ます。
朝を迎えられたことがこんなにも嬉しいのかと、心の底からほっとしたのを覚えています。

椅子とテーブルを外に出し、まだ暗い空と海を見ながらコーヒーを淹れました。
これがはじめてのキャンプだったら、きっと心折れていると思うのですが、なんというか、キャンプ沼の別のドアが開いたような気がしました。
自分なりのちいさなレベルアップ音だったのかもしれません。

結局この後また雨が降ってきたので、あまりゆっくりすることなく撤収となりましたが、近くの温泉にオープンと同時に駆け込み、ようやく暖かいお湯に浸かった時、心の底から安堵しました。

というわけで、はじめての冬キャンプはこんな感じでした。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。