見出し画像

たましいの旅


アパートの台所の窓から見える
とても綺麗な空

家事の行く手をはばむ者
「あそぼ!あそぼ!」

横になったりしながら
買い物へ

パン屋さんのオリーブの木
実がなっている!
かわいい

おかえり
待ってたよ

おやつ
焼きりんご

ミントのお茶

子どもも食べた
アスパラと卵

本が届いた

ブルーノ・シュルツ(1982~1942)
ドロホビチ(現ウクライナ領)生まれ
高校の貧しい美術教師として創作に励むが
余暇に恵まれず残された作品は32篇に過ぎない

作品は異様にデフォルメされた
不安と夢幻の世界であり、
死者と生者、作り物と本物
正気と狂気が馴れ合い、せめぎ合う
終生、不吉な予感に怯え続け
42年、ゲシュタポに白昼、銃殺される。

「幼年時代へと向けた成熟こそが真の成熟である、とシュルツは言う」
「幼年時代に得た決定的な意味を有するイメージへと倦まず弛まず
執拗に遡行を繰り返す事である。

幼少時代へと遡る時間の中で、事物はことごとく醜く歪められる。
しかしこの歪みと不完全さこそが、幼少時代の名残を、
逆に告げているのである。」

巻末エッセイ 田中 順

家の内側で失くした鍵を家の外へ行って探し続けている
とどこかで聞いた

進む旅ではなく
還ってゆく旅



毎晩夜中に目が覚める

カーネーション
くすんだ紫


ユーカリの葉

毎日夢を見る、
毎日、毎日・・

毎日、毎日
還る練習


おやすみなさい。

いいなと思ったら応援しよう!