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富士ヒル対策(シルバー獲得まで)


概要/はじめに

実走経験ほぼゼロ、ほとんどZwiftのみの40代男性が富士ヒル対策として考えたことや実際に行ったことを記しました。まずはシルバー達成にあたり応援いただいた皆様に感謝の念を表したいと思います。本当にいろいろな人との関わりに支えられたと思っています。ありがとうございます。
本Noteは長文になりますがZwiftへの理解を前提知識として求めているのでその点ご注意ください。
また175cmで60キロ後半のヒルクライム界隈では比較的ふっくらしている体型です。向き不向きでいうとヒルクラあまり向いていないのは間違いないので、同じような体型の方、タイムが伸びず苦しんでいる方の一助になれば幸いです。


2024/6/2 シルバーリング取得成功

トレーニング

毎週ゴルビーをしてみたものの…

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、秘密結社「みんなのゴルビー」を主宰していました。過去形なのはおそらく後継者が継いでくれるからなのですが、ゴルビーを定期的にし始めたのは2022年4月、22年富士ヒルに向けて1か月トレーニングする予定でした。22年富士ヒルは76分中盤でシルバー逃したため、「厳しいトレーニングをすれば大丈夫だろう」と1年間ゴルビーを続けました。結果、23年富士ヒルでは数秒タイムが縮みました。ありえません。タイムが伸びなかったのは最後の坂を完全に流していたからなのですがそれでもせいぜい30秒ロス程度、23年の富士ヒルが天候面では最高のコンディションだったことを考えるともしかすると遅くなっていたかもしれません。結果24年5月まで108回のゴルビーをほぼ週1ペースでやり続けています。

1年目でタイムが伸びなかった理由

毎週ゴルビーをやっていたのですが、適切な強度で行えていなかったのがまず挙げられます。サリスH3でトレーニングしていたのですが、どうやらギアをトップ近くに入れてERGオンでフライホイールをブン回すとかなり大きな上振れになっていたようです。少なく見積もっても15W、もしかすると30W近く上振れていたかもしれず、22年4月のやり始めから23年5月まででZwift上は310Wから330Wまで上がりましたが、アシオマDuoでデュアレコをとり、5分最大値をサリスとアシオマで比べると乖離が見られ、アシオマ5分最大は5W程度(310→315)しか上がっていませんでした。ERGでギアをトップにするとやりやすいなーと感じていたのですが、サリス側を自分のパワーだと思い込んでいたことが敗因です(一敗)。
次に考えられるのが実践に即したパワーを出し続ける練習をしなかったことです。これはヒルクラ実走経験のなさにも起因していると思うのですが、せいぜいSST Med程度でお茶を濁していたのですが、ヒルクラでよく使うケイデンス75-80rpmで踏み続ける練習をしていなかったです。(二敗)

2年目でタイムが伸びた理由

まずはゴルビー時におけるサリスとアシオマの乖離をなくそうとしました。前述のとおりトップ側に入れてフライホイールを早く回すと上振れするので、逆にギアをロー側に入れると乖離は解消できました。サイコンでアシオマ側の5分ラップパワーを取得し、それがZwift(パワーソースサリス)と一致するようなギアを探しました。適切な強度管理を行った結果、23年6月から23年4月のベスト時で315W→330Wまでゴルビー5分5本を伸ばすことができました。(ダイエット後最終的には320~325Wくらい)
次に75分踏み切る練習をしていなかったので、毎週1回Ven Topを走ることにしました。富士ヒルコースの24kmになぞらえて通称15mileと勝手に名付けていたのですが、みんゴルと比較すると世に全く定着しませんでした。定着しない主な理由はしんどくて参加者がほとんどいなかったからだと思っています…
実際始めた当初はこの15mileがとてもつらく、ゴルビーは5分で終わるし最悪途中でギブアップもできますが、15mileは最後までやり切らないと終わりません。
VenTopはおおよそ富士ヒルのタイムくらいだといわれていますが、ベストタイムは72:50(2月。トロン)なのでトレイン効果、高地効果など込み込みでほぼ同じタイムに落ち着いたことになります。
15mileのタイムは改善にかなり時間がかかりました。23年6月は80分少し切れるくらいだったのが、75分を安定して切るのに23年12月くらいまでかかっています。そもそも20分測定による推定FTP値に近いパワーで走るのが苦手なのかもしれません。20分パワーからの推定FTP値285に対して75分ベストは280W、大体270Wくらいまでしか迫れませんでしたので、これも私がヒルクラに向いていないことの現れかもしれません。

1週間のメニュー組み立ての考え方はできるだけ高強度の練習を全力で行えるように心がけました。
土曜朝15mile、日曜夕方ゴルビー/リンガーをやることとするとあとは平日に週2回ハードなトレーニングするのが限界です。最終的に落ち着いたのは火曜朝4:30のPoppo練、木曜朝に23年Zwift Academy周回でした。Zwift Academyはフリーがあるメニューが多いので、全力を出せる。Poppo練は私よりお強い方がそろっているので自然と高強度練習ができるため参加しています。
あとは平日1日2hになるようにZ2領域での脂質燃焼を狙っています。というかそれ以上は無理です。合計すると週12-15h程度に落ち着いたかと思います。実走はほとんど行ってません…

トレーニングの時期分けは行いませんでした。ただ結果からみると世間で言われているL2でベーストレーニングは年中やらないとなかなか脂質代謝が改善できない一方、SST強度は6か月程度、VO2maxは3か月程度で伸びが悪くなった印象です。
もし中強度以上をあまりしたくない、ということなら世で言われているように冬場からベーストレをし、次第にSST、高強度を混ぜていくというのがトータルで見た場合にコスパ良いのかと思います。ゴルビーなら2か月週1やれば十分かと思います。VentopなどのSST強度は半年近くやったほうがいいですかね。
とはいえ疲労管理が適正に行えているのなら年がら年中やって逆に弱くなる、なんてこともなさそうなので、上を目指したい方が早く取り掛かるデメリットは特にないと思います。つらいですが。

機材

安く仕上げています。アリエクにかなり頼っており、有名メーカーと比べると安全性信頼性に欠ける部分もあるかと思われます。くれぐれも自己責任での取り組みをお願いします。

フレームVanyar リムモデル 900g (意外と重いけど安い。15万くらい)
Fフォークだけディスク用 400g弱に変更し、フロントディスク、リアリムのMix構成。もともとリムで購入したのですが、雨のダウンヒルがどうしても怖かったのでフロントだけディスクに変更しました。
フロントシングル40t/リア11-34t
ホイールはチューブラー Farsports F 40mm高537g(Disk) / R 25mm高535g (rim) (多分前後で7万円くらい?)
タイヤ Corsa Pro 23mm。280g x2。コルスピのパンクリスクは取りませんでした。あまりコルスピでもパンクしたことないですが…
ブレーキ Front Equal / Rear EEbrake (高い。前後で8万円)
ペダル アシオマDuo。トレーニングと外乗り時のパワー管理を同一のものにしたかったのでペダル式のアシオマをチョイス。
メインコンポはデュラエース9100。なおRDもフロントシングルなら34tでも9100が使えます。 
ハンドル・サドルはアリエクで軽いもの。
組み立て諸経費込みで50万円くらいかな…ここに至るまでかなり試行錯誤していますので実際にかかった分は不明。


フロントディスクブレーキ、リアリムブレーキの混成仕様

ダイエット

23年富士ヒル後は大体68-70㎏位を推移していました。L2でもそれなりに乗り込んで、週12-15hは乗っていて、消費カロリー>摂取カロリーとなっていたのですがなぜか痩せず…
本格的にダイエットというか体重減活動(ガリ活)をやり始めたのは24年ハルヒルの1週間前、その時点で多少むくんで68.5kgだったのですが、およそ1か月で64.0㎏程度まで落ちています。
1か月ガリ活のメインは風呂に長く入ること。飲み物を持ち込んで風呂に1h弱入って食べた分を汗で流して食後も体重をキープし続けるという脳筋的な考え方です。ゴルビーをやり続けるのもそうですけど、私は結構こういう力業に走りがちです。もうアラフォーなので治らないですね。
正直なんでこんなにストンと落ちたのかがわからないですが、脂肪についてた水が絞れたのかな、と思います。風呂で脱水しても、1リットル弱の水を風呂に入りながら飲んでいれば水分カラカラでWOできない、なんてことはありませんでした。エステの痩身マッサージももしかしたら運動と組み合わせるとすごい効果があるのかもしれないと思いました。

食生活自体は揚げ物スナック菓子をできるだけ避ける(食べてないとは言わない)くらいで基本たくさん食べてました。一日に3000kcal弱くらいです。脂質だけでいうと50-70gくらいは食べてるんじゃないかと思います。朝は抜いて昼まで我慢。昼も脂質を抑えると夜割と好きなもの食べられます。好きなものはセブンの豚ラーメンです。15mile後の楽しみでした。夜それなりに食べていれば朝はレッドブルなどのエナドリ飲めば激しいトレーニングも問題ありませんでした。高強度はせいぜい1.5hなので1000kcalちょっとの消費なので、体内貯蔵のグリコーゲンとエナドリのみでもやり切れると思います。

サプリはほとんどとっていないです。プロテインは腹の調子が悪くなり、クレアチンは体重が重くなり、最近話題のαシクロデキストリンも腹の調子が悪くなるなど体質に合わないものも多いのですが、有効性をいまいち感じきれなかったのが理由です。それよりも食事でタンパク質をしっかりとり、いろいろな食材からいろいろな栄養を摂ることを考えていました。せいぜい高強度前のレッドブルと富士ヒル直前のベータアラニンくらいです。

疲労管理

トレーニングの欄でも書きましたが、基本トレーニングで全力を出せるように留意していました。そのため疲労がたまることもそれなりにあるのですが、上述のメニューをこなしていくと私の場合4~5週間で疲労がたまりました。疲労がたまったらレスト週、場合によってはほぼフルレスト(火曜・木曜にGrin and Bear itを1回ずつ)とし、休む時はZ2もしませんでした。
なぜこうなったかというと、個人的にアクティブレストの有効性がわからなかったので、中途半端に休むくらいなら完全にフレッシュにする。筋肉は簡単に衰えないけど、心拍はすぐに落ちるので、VO2maxを刺激できるメニューでお茶を濁す、という考え方です。
また私はTSSはあまり頼りにしていません。一応Intervals.icuでTSS管理はできますが、これは人と比べる意味は全くないと思っています。自分の中で疲れがたまったタイミングとTSBを見比べて目安にするのはいいかと思います。特に練習メニューが毎週あまり変わらない場合は自分の中でTSBの上下を見るうえでは役に立つと思います。
また同じTSSでも疲労度がリンガーのTSS80とゴルビーのTSS80とZ2のTSS80は明らかに違いますよね。ローラーより実走のほうが疲れますし。

メンタル面の管理

この点はワタシはあまり苦労しない点です。本気度がそれほどないだけなのかもしれませんが、趣味の一つと割り切り、結果が出なくても大したことはない、というメンタリティです。特にヒルクライムはワタシは苦手な部類に入ると思いますし、ほかの人がさっとシルバー獲得しているのをみていいなぁと思うことは結構ありますが、まあ人は人、自分は自分なので…
もともとロードバイクを始めたのが弱虫ペダルがきっかけだったのと、ダイエット目的だったのですがいつのまにかハマってますね。
よくみんゴルでもいうのですが、悪いことは少しくらい外的要因のせいにしてもいいと思っています。みなさん十分頑張ってらっしゃいますし、ロードバイクは自分との戦いが大きな割合を占めていると思いますのでどうしても内罰的になりがちなのは理解できるのですが、「悪いことは社会のせい。自分は悪くない」と少しくらい割り切れると楽なのかな、と思います。おすすめです。程度問題ですが…

実走対策

24年6月の富士ヒルに向けて5月にハルヒルに出ました。ハルヒルは48分ちょい切りでした。
ハルヒル試走はGW前とGW中に1回ずつ、富士ヒル試走は前々週、前週に1回ずつなので、1h程度のヒルクラを5回練習したくらいです。これは本当に足りてないと思います…でもうちの周り平地だし信号多いのでヒルクラの実走練習できるところが少ないんです…だからズイフトばかりしているんですが。
ポイントとしては山に登るケイデンスをしっかり認識することですかね。私の場合70rpmだとじきに足が売り切れる、80rpmくらいがよかったです。

当日の走り方

シルバー獲得確率をできるだけ上げる走り方をしました。ベストタイムより確実に75分を切ることを目的としています。
目標ラップタイムと実際のタイムの比較
一合目下駐車場 12:00/11:30(267W)
5km地点    17:30/16:50
1合目看板   19:00/18:20(250W)
2合目看板   29:30/28:50(251W)
3合目看板   41:00/40:30(242W)
15km地点   48:00(同タイム)
大沢手前のUターン前の看板 54:30(同タイム)(231W)
20km地点   64:00(同タイム)
奥庭駐車場看板 68:00(同タイム)(224W)
ゴール   1:14:00(1:14:02)   

試走でタイムを大きく失った3合目-大沢間を勝負所ととらえ、できるだけマージンを前半で稼ぎ、それを使いながらなんとか大沢下のUターンまで54:30で行く、というプランでしたが、一緒にはしったくろねこさんには前半早すぎとの指摘を受けています。確かに後半いっぱいいっぱいでした。とはいえ後半弱いので、元気のあるうちにタイムを稼げたのはそれはそれでよかったと思います。来年以降は前半の入り方をできるだけマイルドにしようと思っています。

タイム表はいろいろ探せば見つかると思いますが、そのタイム表に書いてあるタイムの意図を理解することが大事だと思いました。私の走り方は結果公式のタイム表にかなり近いかと思いますが、前半飛ばして後半粘り込むチャートだと思います。これはゲームプラン全体の話に深くかかわってくるので、安易にネットで拾ったタイム表通りに走るのは非常に危険、下手すると合わない脚質の人が作ったタイム表でそれまでの努力をふいにしてしまうかもしれませんので、タイム表は慎重に選ぶべきだと思います。タイム表と目標タイム近くで走っている動画を見比べることでもそのタイム表がどのようなゲームプランで作られたものか理解を深めることができると思います。

高地効果は私の場合平均で10%程度減でした。平地の75分出力が大体270Wですが、富士ヒル当日は平均242Wです。体重が64kg程度だったので3.8W/kgでのシルバー獲得となっています。

出力は260W程度から220Wくらいまで落ち込んでいます。
スタートから一合目下駐車場 267W
一合目下駐車場から一合目看板 250W
一合目看板から二合目看板 251W
二合目看板から三合目看板 242W
三合目看板から大沢下のUターン前看板 231W
そのあとは220W程度、奥庭後の平坦200W、最後の坂2分270W

水分は二合目看板までに300mlのポカリ+マグオンを飲み切っただけです。経験上、水を全く飲まないと足が回らなくなるので、必要最低限の水分補給を早めに済ませています。

みんゴルについて

楽しく活動させてもらっています。いろいろな意味でギリギリな集団だと思います。きっとそのうち解散すると思いますが楽しいことはみんゴルがあるうちにできるだけ積極的にやっていきたいです。グッズ作りとかZwift著名人のおっかけとかコミュニケーションをとる気のない「Nice Gorby」のチャットとか。最近地味に楽しかったのがハルヒル試走に行ったのにいきなりイタリアンを食べに行ったことです。走れよ、と。おいしいし安かったです。高崎はいいところだと思います。
怒られたらみんゴル解散しますが、Zwiftのクラブ機能上90人を超えました。あんまりゴルビーやってる人いないのでもっとやってほしいです。個人的にはZwiftレースで似たような実力の人にゴルビーをなんとかやらせるのが好きです。
みんゴル民にはみんゴルはワークアウトをやるところだということ、富士ヒルはライドイベントであってみんゴルグッズ配りや棒立ち写真(ハルヒルの某巨大チームのキラキラした写真になぜか対抗心を燃やし、真っ向から立ち向かう姿を表現。ちなみにハルヒルも富士ヒルも某EMUさまの走行動画を繰り返し見ています。ありがとうございます。これだけ見たからもう実質EMUのMはMinnanoの頭文字Mかもしれん)を撮りに来るオフ会だけではないことを認識してほしいと思っています。
トレインの話とか誰もしてませんでしたので、アニマルズ時代から一緒のくろねこさんに今年は引いてもらいました。もっとも幹部陣に富士ヒルデスマッチを強いて楽しんでいたワタシにも一端の責任はあると認識しています。


2024/6/1 600円で作ったみんゴル旗

まとめ/来年に向けての改善点

来年の目標は単独シルバー獲得。シルバーペーサーになれるくらい安定して走れるようになりたいです。

良かった点は…
・ダイエットは短期間でうまくいった
・友人が増えた
・1年間もしくは2年間ハードなトレーニングを続けられた
・メンタルが強くなった(鈍感になった??)
・機材面は満足
・当日の走り方も満足

改善点は…
・実走スキルなさすぎ
・前半早すぎるのを改善
・後半ヘタレすぎ、守りに入りすぎ

トレーニングプランとしては…
・ゴルビーはできるだけ続ける(実はそんなに抵抗感がなくなりつつある。リンガーとか足さなければまあいいかな、くらい。)
・15mileは11月くらいから月2くらい
・Zwiftレースをまた楽しむ(金曜ZEALなど)
・シクロクロス上位入賞を目標にするけどがんばりすぎない
・ゆるぽた、遠征など含めて自転車ライフを楽しむ

これまでとはまた少しトレーニングプランになりますが、これでどう反応するのかは楽しみです。

最後になりますが、富士ヒルに向けて長い間トレーニングを積んだこと、当日まで機材、ゲームプランを考えたこと、前日オフ会をしたこと、当日きちんと走り切れたこと、すべてが楽しかったです。来年もしっかり準備して自転車を楽しめるように頑張りたいです。

自分のまとめとして書いたのですが、最後まで読んでいただけたのならうれしいです。ありがとうございました。


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