ELVES FALATH EVO+ でみんゴルバイクを作るまで
概要
ELVES FALATH EVO+ (2025モデル)をオーダーカラー&オリジナルロゴでみんゴルバイクにする上で考慮したことのメモです。
・全体的なコンセプト。新バイクを導入する理由。
・主要パーツ採用の考え方
・ELVESへのオーダー、ロゴ含めたカラーオーダー、組み上げなどのロジ
・採用しているコンポ Wheeltop EDS TXのメリット
・トータルコスト
などについて触れています。
60-70万円程度で富士ヒルクライム・ロングライドで十分使えるエアロロードバイクになっているかと思います。
全体コンセプト
進化著しい最近のタイヤシステムを採用するため、前後ディスクブレーキのロードバイクへの変更を決めました。
もともとリムブレーキモデルで前後併せて1000gのヒルクライム用軽量ホイールをヒルクライムイベント時に採用していたのですが、最近チューブラーの選択肢が限定的になってきている状況です。従来は軽量といえばチューブラータイヤ&チューブラーホイールだったと思うのですが、コルサプロスピードシリーズにチューブラーがなかったり、23cのタイヤがなかったり、そもそもクリンチャー&TPUチューブで片側200gを切りそう、かつカーボンスポークでクリンチャー/チューブレス用ホイールの重量もかなり軽くなってきており、1000g程度の重量のものも入手が見えてきていました。
また、去年から始めたシクロクロスバイクのタイヤ幅が33cで、シクロクロスシーズン後は28cのスリックタイヤで走ってみたのですが、それと23cのロードバイクを比べるとものすごくクッション性がいい、走った時の地面の突き上げがかなり違ったことも自分の中では大きかったです。
チューブラータイヤの選択肢の減少、クリンチャー/チューブレスタイヤのラインナップの豊富さ、ワイドタイヤの選択、熱に比較的弱くリムブレーキで使えなかったTPU/ラテックスチューブ選択可能など最近のタイヤシステムが可能になるという点が新バイク導入の最も大きな理由です。
ディスクブレーキになるということ自体はそれほど重視していません。どうせ雨の日はそんなに走らないので、フロントだけディスクになっていれば雨の日のヒルクライベントのダウンヒルくらいなら大丈夫でした。リアブレーキ自体はそれほど自転車を止めるという点で重要でないと思っていますし、ブレーキのタッチ、晴れの日の止まり方自体はリムブレーキのほうが好きです。
フレームについてはいつかはエアロロードに乗りたかったのでエアロタイプを選んでみました。最近はオールラウンダーとエアロロードの境目があまりないようなSL8などのフレームが多いですが、重量的には500g程度しか変わらない(エアロ効果を無視して単純に富士ヒルで30秒くらい遅い?)程度だったので重量面ではあまり違いがないと考えています。前回は軽量を重視してマットブラックでしたが、今回は重量は置いといてちゃんときれいな色のフレームにもしたい気持ちが強かったです。エアロロードタイプ、かっこいいでしょう?
タイヤシステム(Yoeleo入手済。ARP待ち)
ヒルクライムイベント
ホイール:ARPホイール発注中 (リムハイト45mmのGD4。カーボンスポークモデルで発注もカーボンスポーク不具合とのことで現在組み上げ中断中だそうです。前後およそ1000g。
タイヤ:検討中。コルサプロスピード26cをマクハルチューブレス運用、もしくはGP5000/アジリストファスト25c+TPUチューブ。転がり抵抗の低そうなタイヤを採用予定。
それ以外の普段使い
※YoeleoホイールについてのNote記事新しく追加(12/10)
https://note.com/shironeko108/n/nc901a61e4680
ホイール:Yoeleo SAT c60 DB Pro NXT SL2
タイヤ:GP5000 32c+ヴィットリアのラテックスチューブかTPUチューブ。
快適性重視の32cタイヤ。ホイールは60mmハイトで外幅32mmの極太ホイールなのにカタログ値1330g。実測で1369g。60mmハイトで1400g切ってて世代が変わった感あります。パンクリスクを考えクリンチャー運用。
リムハイトはゴツく見える60。88もラインナップにあったけどそれを選ぶ勇気なし!ちなみにリムにはニップルホールないので、チューブレス運用も問題なさそうです。スポークも金属、ベアリングもスチールベアリングだそうで、耐久性をそれなりに重視したホイールとのインタビュー記事もどこかで見ました。(確か前のモデル。今のモデルコンセプトはどうなんだろう?追記:Note内にありましたw リンク先ご参照。 https://note.com/compo_de_ring/n/n2f59e56ede96)
来年以降は春は富士ヒルに向けて頑張るけど、夏以降はロングライドイベントで人生を豊かにしたいので快適性重視の構成です。といってもヨーレオホイールも十分軽いのでそれで富士ヒル登ってもいいかも?その場合、28cのタイヤ(GP5000かアジリストファスト)とTPUチューブでしょうね。
フレーム
みんな大好きELVES Falath EVO+(2025モデル)
前モデル(Falath EVO)で考えていたら新型が出た。ジオメトリもかなり大きく変わったので注文するとき結構戸惑った。よりリーチが長く、スタックが短く、攻撃的な感じになったので、発注時にフレームサイズを1サイズ下げて発注。そんな気軽にモデルチェンジするんだなぁ…たまげた。
ジオメトリ以外に大きな変更点はBB規格。前はプレスフィットだったのがTT47ねじ切り式になりました。重量は重くなってるらしいですね。
ELVESのメリットの一つとしてカラーオーダーが無料。みんゴルロゴと猫ロゴを送り付け、みんゴルロゴをできるだけ大きくしてくれと言ったらまさかのダウンチューブの一番でかいELVESロゴの位置に入れてくれた…たまげた(二度目)。
最近のみんゴルの流行はオレンジピンクのグラデ(エビカニの海と恋模様を描いたエモい夕焼けをイメージ)なのでそのカラーに合わせる。ELVESのサイトで簡単にできます。
相談はXのELVES公式アカウントへDMへ。日本語でのやり取りです。デザインと発注後はメールベースで現地のMandyと英語でやり取り。前にELVESフレーム買った時もMandyだったのでノウハウはかなりたまっているんじゃないかな。英語でもデザインの確認など安心して事務面やり取りできました。
なおくみ上げのためELVESから対応してくれるショップへの直送にも対応しています。20万円を超えると税関申告がめんどくさくなるとのこと。でも20万超えなかったのでここはよくわかりません。
重量は実測でフレーム1290g(49サイズ)、フォーク467g(カット後423g)、専用シートポスト275g、ベアリング2個で68g、ヘッドパーツ38g、BB111g。
サイズは小さめをチョイス。ELVESのフレームが大きめらしく、小さめを選んだ方がいいのかもしれません。
コンポ構成
Wheeltop EDS TX-RA6000(電動。ワイヤー式ブレーキ・カーボンレバー)
理由としては価格面(国内販売価格11万円。ヤフーショッピングなどでのポイントもつくので10万円くらい?)の他、完全ワイヤレス、1段ごとの調整が可能な点を重視しました。
重量的にも左右レバー376g(実測付属のブレーキワイヤー付きで左右計420g)、FD189g(実測190g)、RD320g(実測335g)なのでそれなりに軽量。
完全ワイヤレスなのでFD取り外しも簡単そう、何よりギヤ1段ごとのディレイラーの位置をアプリで調整できるのが個人的には非常にメリットが大きいです。というのもシマノシステムで全く使えなかった軽量サードパーティ製のスプロケ(11-32t, 11sで163g)がEDSのおかげで使えるようになりました。実際に入手する前からも期待していたのですが、アプリを通して簡単に調整できました。
変速スピードはもっさりしているような気がする(シマノデュラエースR9100機械式シフト比)けど本当に一瞬のギヤチェンジが大きな差になりそうなロードレース・スプリントシチュエーションは自分には関係ないので許容可能。ヒルクラくらいなら全く問題ないですし、フロントももっさりですが着実に変速できます。でも改めてフロントシングルでリア変速だけなら機械式変速で十分というか、直感的にギア変更がわかりやすいので電動より好きかもしれん…リムブレ・機械式変速も好きなんだと再認識。
クランク
Elilee X310。互換性重視で24mmシャフトを選択しています。太いシャフトに比べると少し高いけど、将来別の自転車に使うかもしれないし…
ちなみに前モデルX320だと24mmシャフトは少し重かったですが、X310では24㎜もそれより太いシャフトも同じような重さのようです。
チェーンリングはEA90タイプにつけられるスパイダー(パワメ)を介してシマノのダブルチェーンリングが取り付け可能。パワメはSigeyiを採用しました。ちょっとAssiomaと比べると上振れ気味(60分弱で7W程度)??まだ箱根ヒルクライムでしかデュアルレコードとっていないので今後サンプル数を増やして確認します。
富士ヒルだとパワーメーターが参考にならないのと、フロントシングル用にダイレクトマウントタイプのチェーンリング40tも検討しています。
気になる重量は、左右クランク(シャフト付き)だけで実測313g、パワメが101g、チェーンリングは転がってたシマノアルテグラR8000 50-34tを適当につけて150gくらいで合計568g。これがフロントシングルになるとイーストンEA90ダイレクトマウントチェーンリング40tで91gなので404g見込み。とっても軽い!
その他パーツ
ブレーキ:前後Equalブレーキ。油圧が取り扱いめんどくさそうという印象で機械式。ただケーブル取り回し等考えると機械式でも面倒なので油圧でもよかったかな、という印象。アウターケーブルは最初日泉のウルトラライトアウターケーブルを試してみたものの全然ダメ。ブレーキ引いてもぐんにゃりするだけでパッドにプレッシャーがかからない(止まらなさそう)。さすがに怖かったので採用を断念しました(一敗)。結果アウターはシマノ。106g。インナーは日泉ケーブルです。最近これしか使ってないのでわからないけど、黙ってこれ使えばいいんじゃないかな?ケーブルはフル内装です。
Rスプロケ:クソ軽アリエクスプロケ。RiRDというメーカー。11-32tで163g。前にR9100のシフターで試したときは中間ギヤが全く入らずダメ。その時はサンシャインスプロケ11-34t(11s)を使ってました。サンシャインはまあまあ使えましたが、RiRDはほんとダメ。ただEDSの調整機能のおかげで今は中間ギヤでもまあまあ変速できます。高かったんですよこのスプロケ…100ドルくらいだけど。
ハンドル:フレームと一緒に買ったOrome Aero EVO(360/90)。チャームポイントは幅の狭さ。自分の乗車フォーム的には体を伸ばすより縮めて走ったほうがしっかり踏めるので幅狭、ステム短いハンドルチョイス。もともとの自転車でしっかり自分のサイズを把握していたので全く違和感なし。重量も案外軽く、実測378gくらい。あまりに重ければ軽量ハンドルに変えようとも思ってたけどせいぜい100g強の改善だと考えると今はこのハンドルを使い続けることに気持ちが傾いてます。きっとエアロなはず。ダンシングはしにくいけどスプリントなんてしないので問題なし。
ペダル:Assiomaなら300gくらい、Timeなら143g。地味にタイムはクリートがちょっと重いので実際のメリットは100gちょっとくらいなのかなとも思ってます。富士ヒルならパワメいらんよね。通過タイムわかってるから。
チェーン:デュラエース240gくらい?
チェーンワックス:スクワート。手があまり汚れないし個人的にはこれ一択。脱脂は超音波洗浄機とグゥーキンアルファで。これなら洗ってる感もあるし楽なので意外と脱脂楽しいです。
サドル:アリエクに決まってる。安いうえに尻に合う。110gくらい。2000円。
ディスクローターはMT800前後採用予定。意外とシマノが軽いんだ。前後で200gないはず。MT900との違いは塗装だけ疑惑もあるらしい。
仕上がり重量で7.0㎏位なんだと思います。フロントシングル・パワメ抜き・タイヤ軽量化で6.6kgくらいまでは見えているけど…うーん。
組み上げ
FF Cycleさまへ依頼。朝の10時から5時までかかって組んでもらってます。前の自転車のコンポ取り外し、Zwift用へのパーツ付け替えやブレーキのアウターケーブルのチョイスで付け替えたりもしたので紆余曲折もしましたが何とか1日で仕上がっています。
前のバイクのわけわからんフロントだけディスクブレーキ化にも応じてくれたし、本当にダメそうなパーツはちゃんとダメって言ってくれる(今回だと日泉のウルトラライトアウター不採用、印象深いものだとチャミロの超軽量ブレーキキャリパー不採用。)ので非常にありがたいです。
立地的には行きづらいところにありますが、近辺の方でお困りの方はぜひ行ってみてください。おすすめできる推しショップです。
価格(大物のみ)
フレーム/ELVES Falath EVO+:15万
ハンドル/Orome Aero EVO:1.5万(フレーム同時購入で割引)
コンポ/Wheeltop EDS:9万
クランク/Elilee X310:8万
パワメ/Sigeyi:7万
ホイール/APRホイール:25万、Yoeleoホイール:16万
よし100万行ってないなミドルグレードです。
ここに書いてないものはタイヤとかブレーキローターくらい?ブレーキは片一方だけ追加、ペダルも流用なので実質無料。
とはいえフレーム以外は機能・スペック的にはこれ以上をあまり望めないかとも思ってます。フレームもちょっと重いくらいでしょう?前のフレームも900gくらいだったし大丈夫…フレームの重みは人生の重み。
ホイール2セットはともかくとして、パワメ・Fチェーンリング周りは単純にダイレクトマウントのチェーンリング+Assiomaでもいいような気はしている。Sigeyiとはいえどもパワメ高いので。Assiomaなどのペダル型パワメ持ってないならSigeyiなどのスパイダー型パワメ採用でいいと思います。
ホイールはARPホイールは今発注制限しているらしいので、今から簡単に入手できるワイドリムの軽いもの、という観点だとやっぱりYoeleoかな?ELVESのホイールはさらに安いけどリムの太さがYoeleoよりちょっと細いです。
何とか50万円くらいにしたいなら…
フレーム・ハンドルで17万、
ホイール:Yoeleoで16万(クーポン探せば10%くらい安くなりそう)
コンポ:Wheeltop EDS TXで10万ちょい、
クランクパワメ:Magene PES P505ならそこそこ軽いクランクとパワメで4万円くらい
あと工賃・スモールパーツで50万円ちょっと超えちゃうくらいですかね。ブレーキシステムは油圧でいいと思います。
現時点でのインプレ・今後の更新予定
2024年10月15日現在、まだ一番大事なホイールが入手できていないので、ホイール入手後のインプレ更新予定です。
追記。10月中にYoeleoホイールきました!早いね。できるメーカーだねYoeleo。
とりあえず、ホイール以外は完成しています。
一番気になっていたのがハンドル幅。以前は380mmを使っていたのを360mmに変更しましたが、これは自分の中では問題なかったです。あまり参考にならないとは思いますが、ヒルクラ・ロングライドに用途を限定(言い換えるとゴール前スプリントを想定していない)するならば幅の細さは問題なし。エアロ的にはいい結果になっていると思います。江戸川CR往復時点でホイールが鉄下駄ホイールにもかかわらず1~2mの追い風で200Wで35~37km/h程度キープは容易でした。とはいえこれはサンプル数が少なすぎるので、今日段階では可能性を感じる、という程度の評価にしたほうがフェアだと思います。
追記。Yoeleoホイールはとりあえずトラブルなく走れました。GP5000とTPUチューブもちゃんとつかえてる。もちろん速い気はしてますがこれがテンション上がって踏んだだけの結果なのかは不明。なんらかのエビデンスを示せるといいんですが…乗り心地は思いの外いいわけではないです。正直もっと良くなると思ってました。衝撃吸収はいいんだけど思いの外いいというわけではない、というレベルです。ラテックスチューブきたら変えて試します。(変える前の比較対象が前輪Vittoriaのコルサプロチューブラー30c(中身ラテックスチューブ)+後輪アジリストDuro28c (TPUチューブ)なので前輪のチューブが問題なのではと思ってます。)
次に気になっていたのがWheeltop EDS TXがクソスプロケとの組み合わせでうまくワークするかでしたが、これもおおむね問題なし。5~6段目でロー側からトップに向けてあげていくときに130kmのライドで数回もたついたことはありましたが自分の中では十分使えるというように考えています。おかげでより攻撃的なスプロケ選択が今後はできそうです。調整も非常に簡単で、1段ずつアプリでディレイラー位置を調整しながらできるので、無調整からでも10-20分もあればうまく調整できるんじゃないかなと思います。この点は十分評価できるポイントだと思います。問題は耐久性ですが、これは数年かけて評価する必要あるかと思っています。今のところは違和感なしです。
フレームについてはやっぱりオーダーカラーがいいです。きれいな塗装で気に入ってます。早速転んでしまったのでフレームに傷が入るかと思いましたが無傷でよかった…(レバーとRDは傷入って、若干RDの調整をやり直しました。まあこのくらいはね。)
なんで新しいものを導入すると転ぶんですかね…去年は去年でみんゴルジャージが最初のライドで転んで破けました。悲しい。
トータルの満足度は今のところ高いです。あとはARPホイールの導入を待つだけです。待ち遠しい!