Yoeleo SAT C60 DB PRO NxT SL2について
前提:ライダースペック・使用目的
60㎏台後半、FTP290W程度、普段のライド(だいたい100kmちょっと)では200W弱巡行メイン、ちょっと頑張って230-250W程度で走る程度です。
タイヤはGP5000の32c、チューブは現在ラテックスチューブを使ってますが、TPUチューブを少し使ってたこともあります(同じ空気圧だと少し硬い乗り味ではあったものの、特段トラブルなし)。
Arise Performance製ホイールの納期が少し遅れそうだったのと、その時持っていたホイールが壊れそうだったので急いで購入。ロングライド、ゆるポタ中心にそれなりに耐久性の高いもの、かつ安価なホイールを探していました。レースでの使用は想定していません。
ヒルクライムはARPホイール(GD4:46㎜ハイト。1000gくらい?)を使う予定なので、それとは性格が異なるものを検討。ストップ&ゴーの少ない場面で巡行が楽なものがよかったのと、リムハイト高めのものを試したかったので、35/50/60/88の中から60mmハイトを選択しました。88となると60mmハイトに比べると400gくらい重くなる(50と60はカタログスペックで10gしか変わらない)のとやっぱり勇気がなくて選べませんでした。いつか激高リムを買う日が来るのだろうか…
注目したホイールスペック・特徴
今回のホイール選定上考慮したスペックの優先順位
1.価格
2.リムホールなし
3.太いリム
4.スチールスポーク、スチールベアリング
5.リムハイト60mmと重量のバランス
まず価格ですが、これが一番大きいです。あくまでつなぎ、最悪手放すことになってもダメージの少ない金額です。最近だとブラックフライデーセールとクーポンの組み合わせで11万円台で買えたみたいですね。(クーポンって色々あるけど自分に発行されたクーポン使われると実入りってあるんですかね?好きなインフルエンサーのクーポン使ってください。)私?私は男らしいので行きつけのショップで定価で買いましたははは。
次がリムにスポークホールがないこと。運用は基本クリンチャー&チューブでの運用を考えていたものの、ユーザー側としては穴があってもいいことないです。リムテープめんどくさそうですし、リムテープ起因のリスクを減らしたかったのでホールレスであることも重視しました。リムテープ起因のリムうちパンクが減ってくれることを祈っています。最初クリンチャー使ってて、1日に2回パンクしてからチューブレス・チューブラーに移行した過去があり、実はクリンチャーあまり使ったことなくてよくわかってないです。スポークが折れたらショップに持っていくつもりですので、スポークホールがないことによるメンテナンス性の悪さは目をつぶっています。
太いリムであることも重視しました。タイヤチョイスは32cを使いたかったので、できるだけ太いリムのものをチョイスしています。快適性重視です。なかなか内径23mm、外径32mmは見当たらないので、ここまでで実質購入を決めています。
ここからはかなり優先順位は下がるのですが、スチールスポーク、スチールベアリングである点はいいと思いました。軽さ・転がりの走行性能と耐久性のトレードオフだと思いますが、ここはどちらかというと耐久性よりのチョイスです。とはいえ後から鬼ベアリングは平坦・下りでは相当いいらしいという話を聞いて、平坦運用ならベアリングの転がりは大事そうだとも思いなおしています。将来的にセラミックベアリングに変えるかもしれません。
最後がリムハイトと重量のバランスです。60mmで1330gは魅力的、一昔前のホイールを考えると隔世の感があります。とはいえ使用目的としては正直もう少し重いほうが巡行楽なのかなとも思いますが、タイヤ・チューブ側を重くしてしまえば重量は稼げるので、ホイールが軽いに越したことはないと思っています。
実測重量・リム幅・推奨タイヤ幅
60mmでカタログスペック1330g(±5%)に対し
フロント632g、リア737g。合計1369g。カタログスペックの1330gより上振れること自体は元々想定していて、どこまで重くなるか心配していましたが、十分許容範囲内です。前のモデルは重量がカタログスペックより重くなることがだんだん多くなって、カタログスペックを変更したこともあったそうなのですが、今のところはほぼカタログスペック通りのようです。
リム幅は外径32mmのカタログスペックに対し、若干細く、31mmでした。内径は23㎜でカタログ通りです。
外径31mmに対し、GP5000の32c装着でほぼ同じ幅(31㎜)となっています。105%ルール(ZIPPの提唱するタイヤ幅に対しリム幅が105%に達しないと空力性能が悪化するという実験結果からのルール)を考えるとこのままだと少しタイヤ幅が太いので、空力面を優先するなら28cが理想的、30cだと実際にはめてみると少しタイヤが太い仕上がりになるかもしれません。
とはいえ快適性重視の場面では32cを基本使っていくと思います。32cとの違いを把握したいのでそのうち28cは試すと思います。
メリット・デメリット(出荷状態)
高速巡行がしやすいです。風向きにもよりますが35km/h以上くらいのスピードで進む分には実感できるかと思います。とはいえこれは60mmハイトなら当然だと思います。
30kmくらいの速度域(私的には150-180Wくらい)だと特に何も感じませんでした。
ストップしたところからの発進は特段感想なしです。重さは感じません。とはいえ60mmハイトということを考えるとこれはメリットに整理するべきだとも思います。
転がりについてもスチールベアリングですが特段悪さを感じることもなかったです。
明確なデメリットとしてはステアリングが非常に重い。これはワタシのロードバイクのハンドルが360mmでハイトが60mmなのでステアリングが重く感じるだけかと思いましたが、どうやらそれは思い違いだったようです。
ステアリングの重さ以外は初期状態でも違和感なく使えました。
スポークテンション/調整のすすめ
結論から書きますが、上記ステアリングの重さはスポークテンションを変更することで解消済みです。
ホイールに対する高いノウハウのあるショップにて相談してみたところ、スポークテンションが適正でないとそういう症状が出るとのこと。
もともとのスポークテンションがかなり高めだったとのことで、できるだけ低めに調整、テンションのばらつきなども調整してもらった結果、すぐにわかるレベルで乗り味に変化が生じました。
全体的にYoeleoホイールのスポークテンションが高めに調整されている可能性もあり、スプリントを使うクリテリウムやロードレースにはいいかもしれませんが、私のようなロングライド(+ヒルクライムもあるか?)目的には全くあっていなかったようです。全体的に組み上げの精度があまりよくないとのことだったので、購入後ホイールに高いノウハウを有するショップでの調整をしてもらうのがいいと思います。
スポークテンション調整は初めてだったのですが、それだけでステアリングがこれまで変わると思っておらず衝撃的でした。中華系ホイール全般、組付けの精度については高くないことが多いとも聞きますので、その他の中華系ホイールを購入されている方にもスポークテンション調整をお勧めしたいです。
総合的な感想
まず購入してよかったかという点についてはよかったと思っています。割と安いホイールで運動性能も違和感なく、スポークテンション調整の結果ステアリングもニュートラルな感じになりましたのでここは思っていた以上の結果が得られたと思います。
ホイールのスポークテンション調整はやれるならやったほうがいいと思います。強く推奨します。ステアリングが激変したのはとても印象的ですし、巡行にも好結果をもたらすのではないかと期待しています。巡航の改善についてはなかなかわかりにくいところだとは思うのですが、少なくともホイールテンション下げたので衝撃吸収性には期待したいです。スポークテンションもばらばらだったものがそろったとのことで巡行しやすくなるのだろうか…?巡行の改善は多分感覚的には把握できなさそうです。
誤算だったのがあまりに安く、リセールが期待できない点。これは自分で使い切ること前提に考え直せばいい(ロードで不要になったらシクロクロスのチューブレスで使う)ので私は問題にはならなさそうですが注意してください。
とはいえコストパフォーマンスが高いのは間違いなく、今のところ期待以上のホイールかと思っています。