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白黒つけない。


-白髪染めをしながら、僕は白髪染めについて考えてしまいます。


白髪染めって、理美容室の数あるメニューの中でもやりたいメニューじゃなくてお客さんにとってしなければならないメニューの筆頭なんですよね。

そりゃお客さんからの注文だし、技術も覚えてきたし、僕も施術はします。

だけど「うわ〜!白髪染めって楽しい〜〜!」って感じた事ないし、そんな人ほとんどいないと思うんです。

染め終えた人もせいぜい「落ち着いた」とか「ホッとした」で終わり。

ただその落ち着きもたった2週間しか続かない。

2週間を過ぎると、だいたいひと月の間ソワソワして過ごすことになる。

あと結構お金がかかる。

そしてベタ塗りするから身体にも悪い。

今これを読んでくれている中に該当する人は少ないと思いますが・・自己満足なのは承知なんだけど、その割にはやっぱり大変な事が多い。


僕が何を言いたいのかを申しますと、白髪なんて完全に染まらなくてもいい、隠しきらなくてもいい、そこに日本人の几帳面さは要らないということです。

若い頃やってたおしゃれ染めをそのまま継続したって多少は目立たなくなります。

だから40代になって白髪染めに切り替える時期をしぶしぶ探らなくたっていい。


近年、ようやく"白髪肯定ブーム"になりましたが、あの手この手でお洒落なものにしようと結局手間がかかります。

それはそうですよね、業界としては短いサイクルで売り上げに多大な貢献していた白髪染めメニューをただ辞めるわけにはいきません。

売り上げとしては残さないと、って考えます。

それでも全然いいのですが、一番簡単なのは自分のやりたい明るさの髪を、つまり白髪が増えてきても今までやってたおしゃれ染めをふつうに続けていればいいのです。

もちろん地毛のままだっていいですし、ティント(色味)を加えたり、10トーンぐらいの明るい髪にしたりすれば意外と目立たないわけです。

だからあのべっとり塗って、キッチリ染めるって白髪染めじゃなくても、もういいと思うんです。

僕ら人間自体、白か黒かで生きる、なんてできないし、いろんなものが混在してひとりの人間になっているし。
白髪の生え方も人それぞれだから好きなおしゃれ染めをしてみれば、その混ざり具合もそれぞれ違う。かえってその方が楽しめる。


白い服、白い壁、白い車、白い花、白い肌、白い恋人・・・

白っていいですよね。

どうして髪だけワルモノか

白髪=おばさん?

白髪=だらいない?

僕らの責任もいくらかはありますが、
誰がそんな事を言い出したのか。

みんな自分だけ若くなろうとしたい気持ちもわかります。周りがきちんと染めてるから自分だけはイヤなのでしょう。


もちろん中にはジアミン(カラー剤に含む)アレルギーや、その他の理由でいわゆる白髪染めをしていないもたくさんいます。

自分の意思で、白髪染めを辞めた人もたくさんいます。僕はそういった人たちを残念に思ったりはしません。
だからできれば「なんで白髪染めしないの〜?」とか「白髪はっけ〜ん」とか妙な言い方はしないで欲しいんです。


それに理由がもうひとつ。

それは小学生ぐらいの子どもたち。

昔に比べて子どもたちの髪にも白髪は生えるようになってきました。

小学生の髪に白髪が数本あることは珍しくありません。

昨年の夏休みに職場体験で来てくれた6年生女子の髪には、元気の良い白髪がたくさん生えていました。

だから見かけてもビックリしないであげて下さい。芯のある子は気にしないことができますが、純粋な子は少しずつ少しずつそうやって大人が刷り込んでゆく結果となってしまいます。

「カネ白髪」なんて迷信もありますが、そっちの方がよほどマシな気がします。

そして、、子どもたちは髪を染められません。

中学生くらいになってクラスメイトからおちょくられるのも、自分の母親の白髪を見て悲しい気持ちになるのも、きっと大人が白髪をワルモノにしているからですね…


「白髪が気になって気になって仕方がない!」

「あー、どうしても許せない!」

と感じるのも、周りにいる人たちが皆、自分は負けじとバッチリ染め続けているからです。

そんなに気になるんなら坊主にウィッグ
これ最先端、値段もお手頃で質の良いウィッグは、たくさんありますのでよかったらご紹介します。


カモフラージュで得られる"若さ"はありません、若さは身体の内側からにじみ出てくるものですからね。


白黒ハッキリせず、気楽にいきましょ。


たまには美容師ハルヤギでした

あ、とゆーかこれじゃ美容師らしくないかな。



#白髪染め #おしゃれ染め #小粋な白髪 #固定観念 #ワルモノ

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