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ソフトウェアの選び方 CAD編

 建築業界ではBIM化が進んでいますが、基本的にはCADです。建築士試験も手書きです。手書きの延長上にあるCADはまだまだ使い続けられるでしょう。

 さて、建築設計で独立された方に最初のCADを相談されました。住宅系だと初期投資の要らないフリーソフトのJWWを使っている方が多いです。小規模の構造設計を受注している私の所には、JWWの意匠図で構造依頼される方が8割近くです。かなりシェアがあることは間違いがありません。なのでJWWは使えるようにしておくことは小規模な事務所だとアドバンテージになることは間違いありません。

 しかしながらJWWは2DCAD。表現力も制限されます。ちょっとしたプレゼンボードを作るのも苦労します。工夫で乗り越える方もいますが、やはり3D系は持っていたほうが良いでしょう。

 住宅で簡単なプレゼン、もしくはリフォームのイメージを作るくらいなら、3Dマイホームデザイナーがお勧めです。安価できれいなパースが作れます。しかもスピーディーに。私も長らくリフォームではこれを利用しています。PRO版だと更に表現力があがりますが、最初は通常版で問題ないでしょう。

 基本、最初に選んだCADを使い続けることが多いです。JWWはフリーソフトで有益ですが、個人で作られています。作者も高齢になり最近はアップデートも少ない印象です。継続性も今のところ不透明なので、できれば継続性に問題なさそうな安定した企業のCADをお勧めします。

 CADはいつも使う物ですので、作業性に不満が残るようでは駄目です。できれば学生時代から使い続けているものがいいです。機能不足は補えますが生産性が下がっては意味がありません。新規で探す場合はスペックだけで選ばず、必ず試用して自分にフィットする物を選びましょう。

 とりあえず1つ、ということであれば、VectorWorksをお勧めしています。学生時代に使っている人が多い上、3Dもそつなくこなせます。BIM化は遅れてますが、BIMっぽくもなってきています。そういう意味ではCADもBIMもと欲張った製品になりつつあり、ちょっと高いですがお勧めです。

 逆に将来はBIMで、CADは2Dだけで良いということなら、DRA-CAD(LE版)をお勧めします。JWWやAutoCADからのデータを読み込んだときに不都合が起こりにくい上、毎年バージョンアップを重ね完成度が高くなっています。編集機能も高いです。カスタマイズ性も高く、自分仕様に設定すれば非常に効率的に作業を行うことができるでしょう。

 あと考えるべきは、取引先との連携です。やはりやりとりしているところと同じだと心強いです。複数ある場合は、その他のCADとの互換性を考えると良いです。全員がAutoCAD系なら、AutoCADおよびAutoCAD互換CADが視野に入ってきます。AutoCAD互換CADといっても、操作性は違いますし変換精度も価格も違います。やはり触ってみることをお勧めします。互換CADならIJCADが高い互換性と機能性・サポートなどからお勧めです。JWWと操作性を合わせたいなら、UIをJWWと似た感じにできるARESも候補になります。

 高価な建築専用CADは、現在ではお勧めできません。どのソフトも完成度は高まっていますが、ちょっと変わった建物を設計しようとすると難しくなったりします。年会費も高いです。建売をたくさんやりたいという方以外には今はお勧めできなくなってきています。住宅でもBIM化は避けられませんので、建築CADを買うくらいなら、ArchiCADなどを購入したほうが良いと感じます。操作のフィーリングで選べば良いと思います。

 とにかく一生使い続ける可能性が高いですから、しっかり検討し試用し、悔いの残らない選択をしてください!

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