モーメントとは?~木構造のための構造力学~3
目次
第1回 計算書を読んでみよう
第2回 力のつりあい
第3回 モーメントとは?(今回)
第4回 反力
第5回 応力
第6回 断面について
第7回 図心・断面一時モーメント
第8回 断面二次モーメント
第9回 断面係数
第10回 許容応力度
モーメントとは?
モーメントはわかりにくい力なので、この章で確実に理解してください。
(今、読み返すとちょっとわかりにくいです。もう少し表現を考えてみます)
力学上のモーメントとは、回転する力です。例でいえば自動車のハンドルや、スパナなどがわかりやすいと思います。力のモーメントの記号はMでその公式は以下の通りです。
M=P×L
ここでPは力、Lは回転の中心からの距離です。つまり同じ力であれば距離が離れるほどモーメントは大きくなります。距離が二倍になればモーメントも二倍になります。シーソーを思い出してください。体重が異なる大人と子供がシーソーをする場合、子供をシーソーの先端に、大人はシーソーの先端より内部に入ったところに載りますよね。これはこのモーメントの仕組みを利用したものです。大人が乗っているところは中心から近いので、体重が重くてもモーメントは小さくなります。一方子供が乗っているところは中心から遠いので体重が小さくてもモーメントは大きくなります。このように日常でもその理論が使われています。回転しているものがあったら、その動作を確認してみるのもおもしろいですね。
回転の方向は時計回りが+(プラス)、反時計回りが-(マイナス)です。
力のモーメントの距離
モーメントの注意点は、距離の取り方です。力の方向などにより距離の取り方が変わってくるのでやっかいです。下図のように力の方向と力のモーメントの距離方向は直角です。
なので以下のようなケースが考えられるので、頭に入れておきましょう。
偶力のモーメント
モーメントの中でも日常生活に密接的でわかりやすのが偶力のモーメントです。
偶力のモーメントとは、作用線が平行で、大きさが等しく向きが反対の一対のモーメント力のことです。ハンドルそのものですね。ハンドルは中心からの距離が同じで、左右逆方向に手は動きますね。左手は上の方へ、右手は下の方へ。もちろん、時計回り、反時計回りのように回り方は一緒ですが。偶力のモーメントの公式は
M=P・L
です。左右の力が同じなので、この公式です。簡単すぎるので、逆に2倍してしまって間違えることがあります。あくまで左右同じ力というのが前提です。
次回は反力です。最初はわかりにくいかもしれませんが、文字通り反発する力です。これを乗り越えないと、そのあとの応力がわからなくなりますので確実に理解してみてください。
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