ツーバイフォーの耐震診断で難しい点
私は、ツーバイフォーの耐震診断をおかげさまで多くやってきました。基本、躯体内を調査できないツーバイフォー。もし壁を剥がせばスタッドなどが傷み、復元しても耐震性が下がってしまう可能性もあるので、なかなか破壊検査も難しいところがあります。そうなると非破壊の検査になります。
内部の石膏ボードをどう評価するかが非常に難しいです。耐力壁線が図面に載っている場合は比較的簡単です。そうでない場合はいろいろな手段を駆使します。磁石で釘ピッチを調べることができても、梁にきちんと緊結した耐力壁仕様かどうかは見抜きにくいからです。それがわからず、在来の延長ですべての石膏ボードを評価してしまう診断書が多く見られます。そんなことしなくても普通のツーバイフォーなら耐震性は確保されているものが多いので、思いっきり高評点になりがちです。さすがにこれは駄目だと思います。
次は外部の耐力壁です。内部と異なり磁石で調査することができません。小屋裏などから外壁下地が見られるところといえば、ユニットバスからです。そこから見られればある程度わかります。下地がわかればあとは釘ピッチです。図面に書いてある通りか磁石を併用して調べますが、なかなか確信が持てないことが多いです。
古いツーバイフォーは、雨漏りなど発見しにくく、発見できたとしても、既にだいぶ腐食が進んでいたりします。そのためサーモグラフィーによる非破壊調査は必須だと思います。在来のように筋かいは探せないので、あくまで雨漏り、漏水発見が目的です。バルコニー部からの漏水も比較的多いです。
当たり前ですが、ツーバイフォーの告示や仕様を覚えておく必要がありますし、図面を読み取る知識も必要です。そのあたりもチェックリストを作って漏れがないようにすると良いですね。
調査してみてツーバイフォーじゃなかったときの依頼主のショックの軽減も大切です。昔は、ズバリで言っていましたが・・・大人げなかったですね。別にツーバイフォーだけが優れた住宅ではないですので、そのあたりはやんわり説明するようにしています。また告示などを無視した家も多いので、そこも質問があったときに備えて、予め回答を覚えておく必要があります。ど忘れして信用を失わないようにしたいものです。
本編はここまで。以下は有料版の記事です。といっても私がツーバイフォーの耐震診断時に利用している告示のチェック表(Excel)のダウンロードができるだけです。おまけで、88条補正用、小屋裏収納をHOUSE-DOCで入力するときの補正の方法がついています。2x4用は珍しいので欲しい方はどうぞ。工夫すればHOUSE-DOC以外でも利用できます。
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