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マイホーム作りは、新技術に飛びつくのはリスクを伴います

おはようございます。さまざまな年代の木造住宅の耐震診断を行ってきました。また最近は特に案件が多く飛び回っています。耐震性を高めるのは大切なことですが、逆に未来が見えてくることがあります。

新型の建材や、工法が出ると、建築家やビルダー、工務店はそれを取り入れるのは自然なことです。しかしそれが長年住み続けるにあたって良い物なのか?はその時点ではわからないことがあります。また施工方法を間違ってしまうことがあります。

今回は、私が見かけた過去の失敗的新技術および先進的で使い方を間違えたための失敗の、代表的な事例を紹介します。

新建材の床(1970年代~80年代序盤)

特に弱かった床材の例

 新建材が増え、特に床に直張りの木製フローリング風床材が増えます。しかしこの床材は耐久性があまりなく、繰り返し踏みつけるとたわんでくるのです。かなり普及したようで私は10例以上見て来ました。1階での採用の場合、床が落ちたりしたものもありました。湿気に弱いのです。2階では現存しているものもありますが、かなりたわんでいます。特に階段の上り切りの床、よく通る床の部分だけたわむみたいなことが多いです。

浴室のブロック基礎(~1980年頃)

土台が腐らないメリットはある

浴室の土台は、腐りやすいです。ユニットバスによって解消されましたが、それまではタイルの割れなどから水が漏れてシロアリ発生などの危険もありました。実際リフォームなどすると、かなりの確率で土台に水漏れしていました。

そこで改善策としてブロックを1mくらい積み、腐らないようにする方法が流行しました。しかし耐震性が低いことがわかり現在ではなくなっています。

構造用合板下地外壁(1980年代~2000年代前半)

外壁OSBが雨漏りでボロボロに

 阪神大震災頃から、構造用合板を外壁で使う事が増えました。特にラスカットは1976年に発売されて以降、手軽に外壁モルタルが塗れることから採用例が多かったです。これらは木ずり下地に比べて気密性が高く、また歪みが少ないのですが、通気工法前のものは、どうしてもヒビなどから水が入りやすく、壁内腐朽が増えました。断熱材の施工も増えたため、壁内の通気状態も悪くなっています。2000年代前半まで、壁内の急激な腐朽やシロアリの害が見られます。特に軒の出が小さい木造3階建てでは顕著で、3階までシロアリや腐朽が深刻化した事例を多く見かけました。

構造用合板下耐力壁(1981年~2010年代)

 告示1100号の改正で構造用合板耐力壁が認められました。しかし釘N50を遵守していることは少なく、間隔や施工方法も守られていないものが多かったです。2000年以降でも、受け材なしや、上部まで施工していないものが数多くありました。また2000年頃になると釘打ち機が普及していますがN50でない釘を打ち込む事例が多発しました。また釘のめり込みも管理されておらず、かなりめり込ませ耐力が低減しているものが多かったです。

鉄筋入りコンクリート(1990年代後半~2000年代前半)

 
基礎に鉄筋を入れることが増えてきました。ただ入れているものも多く、コンクリートの充填不良、かぶり厚確保されていないものが多くあります。爆裂しているものも見かけます。もちろん配筋方法はメチャクチャのものも多いです。丸鋼のものもありした。ジャンカも多いです。ジャンカは見た目が悪いので、ほとんどがモルタルで補修されており、見た目ではわからないのがやっかいです。
 瑕疵担保履行法施行により基礎の配筋検査が普及した2010年頃から、かなり良好になってきました。

構造計算された鉄筋コンクリート(2000年代後半~)

 構造計算は大切ですが、設計技術・施工技術が未熟のため、鉄筋入れすぎでコンクリートが充填できない、かぶり厚が確保できない鉄筋コンクリート基礎が増えました。特に法令遵守、図面遵守が叫ばれた2000年代後半から、その傾向が増えました。2010年代後半から耐震等級3が増えたため、更に鉄筋量が増えました。

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