HOUSE-DOCで、重量を考慮したらどれくら評点が変わるのか?
今回から5回に分けて、HOUSE-DOCユーザー向けにちょっとレベルアップを図ることができるテクニックを連載いたします。初回は地震力です。他のソフトのユーザーは意外と使いこなしていますが、HOUSE-DOCのユーザーは建物荷重を変えません。非常に重い建物、重い建物、軽い建物の3種類から選んでいるのではないでしょうか?実質重い建物と軽い建物の2種という人も多いはず。しかし建物の重量は意外と違います。今回はテキストの簡易重量表を用いて、HOUSE-DOCの付属のサンプルB建物(精密)を使って検証してみましょう。
B建物の特徴は、重い建物で、1階下屋が多い事です。必要耐力は面積から算出するので、B建物の1階の必要耐力は不利になるはずです。下屋の屋根の重量より2階床の重量のほうが重いからです。
2階の面積が少ないので2回の必要耐力は低いです。1階は多いです。では、これを簡易重量表に基づいて計算してみましょう。
計算内容は次回に譲りますが、計算してみると、2FのQrは21.8、1FのQrは66.72となりました。HOUSE-DOCの結果はそれぞれ22.009、73.616です。2階はだいたい良いのですが、1階は大きく違いますよね?これは屋根面積が大きく影響しているからです。
次に1階下屋が、コロニアルで、2階屋根が瓦の場合を見てみましょう。この場合、HOUSE-DOCで入力すると重い屋根になりますよね?不利側で入力しますから。今度はそれぞれ21.37、60.82です。1階が大幅に下がりましたね。屋根の影響は絶大なのです。Qrは必要耐力です。小さければ評点が良くなります。では、3つの結果を並べてみましょう。
はい。標準はHOUSE-DOCのサンプルをそのまま計算したものです。2階は良いけど、1階Xが悪いですね。簡易表を使っただけで0.6上がります。ちょっと極端な例なのですが、建物次第では簡易表を使った方が評点があがりますし、現実に即した評点となります。そして一番右が、下屋がコロニアルの物件です。なんと0.702まで上がり、HOUSE-DOCでそのまま入力したものに比べて0.122も上がっています。これは見過ごせませんね?
もちろん数字遊びでは駄目なのですが、標準よりも簡易表のほうがより現実に即しているので、より正しい評点になります。また2階屋根と1階屋根を別別に入力することもより現状にあった評点がでることになります。更に、この例では、補強箇所も少なくて済むようになります。
HOUSE-DOCユーザーは、安心精密診断2012などのユーザーの言っていることが理解できない部分があります。しかしここまで違うことがわかると、HOUSE-DOCユーザーも安穏としていられないのではないでしょうか?そこで、次回から補正方法を学習し、より正しい診断に近づけていこうではありませんか。
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