城中さんに直撃!!「起業のきっかけ」

【筆者】
本日は、城中さんの起業のきっかけについてお聞きできればと思いますが、
何かきっかけはあったのでしょうか。

【城中さん】
きっかけは幼少期から感じていた『貧しさからの脱却』と『ハングリー精神』です。

父親が船大工の仕事を一人で営んでおりました。
船は木造か鉄(デザイン)で造るのですが、当然一人では作れません。
そのため兄弟3人とも幼少期から手伝っていたのですが、自分が小学校に上がったくらいの時に大黒柱である父親はケガや病気を繰り返しており、それが家計にとってはとても大打撃で、どんどん生活が苦しくなっていきました。

父の代わりに母が昼夜問わず懸命に働いている姿を見た時に、幼少期の自分でも、生きていくこと、食べていくことがこれほど大変なものなのだと感じていました。

それと同時に母親が苦労する姿をもう見たくない、そのためには自分が早く仕事をして、母親に楽をさせてあげたいという思いでずっといました。

この『貧しさからの脱却』が一つのきっかけです。

もう一つは、『ハングリー精神』です。
10代の時、家計の関係で既に働きはじめ、職人をしておりました。

経験も実績も技術もないので、基本的に人の手伝いをしていましたが、手伝いをする中で、誰かの下で働くだけじゃなく、自らがトップに立って物事を成し遂げたいという思いが出てきました。
それから、‟経験も実績も技術もない自分でも、いつかヘルメットに自分の名前を刻んでやる”と思って毎日がむしゃらに働きました。

働く意味を普通は大人になってからわかることの方が多いですが、自分は幼少期から働く意味、働く理由を叩き込まれたと思います。
大人になってから知ろうとしても知れないこともたくさんあるので、親には相当感謝しております。

【筆者】
素敵なエピソードを頂きありがとうございます。
誰かを想い行動する事ってなかなか難しいかと思います。
ですが、城中さんはこれまでも従業員を想う気持ちやお客様を想う気持ちを言葉の端々で感じていたので、その根源はご家族を想ってのことだったと思うと、その想いがもっと広がっていくと良いなと思いました。

【城中さん】
実際、「ハングリー精神」を持っていても、チャレンジできる土俵ってなかなか見つけられないじゃないですか。
だからこそ、弊社がそんな土俵でありたいと思いながら、会社経営や社員がチャレンジできる環境を整えています。

また、付加価値の高い仕事をすることは大事な事ですが、最初は頑張ること、時間を費やして何度も練習してトライすること、それが非常に重要です。
ある程度の線を越えないと一人前にはなれません。

料理の世界でも、まずは皿洗いを担当することが多いとよく聞きます。
フライパン一つも握らせてもらえないことが2~3年続くことだってあるといいます。
それでも、「皿洗いじゃなくて、料理がしたい」という爆発的な想いでやる気をみなぎらせ、お皿洗いしながら大将の良い部分を盗んで日々特訓し、
やっとの思いで料理ができた時、料理をする喜びを感じるのではないでしょうか。

最初からレシピを渡され、一丁前の服を着て厨房に立ってもなかなか感動は生まれないのではないかなと思います。
そんな人と同じ土俵に立った時の吸収力や、探求心は大きく変わってくると思います。

もちろん、今経営している中で、この自分の価値観とかを押しつける気はないのですが、自分のこの考え方は、両親の育て方で決まってきたかと思います。

なにも知らない、何もしない、ただ単に年取って腐っていくだけの悲しくてつらい苦労はないです。
それが自分が思うことを模索し行動におこす、それで成功、失敗を繰り返す苦労の方が何十倍も幸せです。

自分はこれまで起こった出来事すべて苦労とは思いません。
すべて楽しんでいましたし、会社経営して良かったと思っております。

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城中さんの会社設立までのご経験を聞いていくうちに、自問自答している自分が居ました。
「もっとやれる」と私自身も自信を持てるようになり、仕事=楽しいと思える人生について考えるきっかけになりました。
城中さんのお言葉一つ一つが相手への愛に溢れているなと改めて感じ、従業員様のイキイキとしたまなざしがそれを証明しているとも感じます。


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