埋没法完全攻略本
埋没法:瞼の表を裏を糸で縛り、二重を作る手術の総称。
分類は非常に簡単で
・瞼板法or挙筋法
・皮膚側結紮or結膜側結紮(結び目の位置の違い)
・線留めor点留め
・同一糸内単ー結紮or複数結紮 を組み合わせるだけです。
例えば 僕がやってる韓国式6点留め(自然癒着法)
は 皮膚側結紮挙筋法線留め(単一結紮)
SBCさんのクイックコスメティーク法などは 結膜側結紮挙筋法線留め(単一結紮) になります。
以下、簡単に上記分類について解説します。
瞼板法:瞼板を貫通させて瞼の表と裏を縛る方法の事。 なので瞼板上端法と書いてても、瞼板法なのです。 メリットは医者の取得が容易で、技術に差が出にくい。挙筋法より強度があるという意見も(エビデンス乏しい)。デメリットは瞼板は眼球に触れる場所なので、瞼板が変形や傷つくことで異物感が出ることや、糸が裏から露出した際にダイレクトに眼球を傷つける可能性も。
挙筋法:瞼板より近位端の挙筋の結膜を貫通させて表と裏を縛る方法。なので挙筋と瞼板の間を通す方法と書いていれば挙筋側が刺入点なら間を通そうが挙筋法です。 メリットは正しくやれば腫れにくい、食い込みが自然である事、デメリットは取得がやや難しい事、縛り方が強いと眼瞼下垂(これはほぼ確実)や眼瞼痙攣(エビデンス乏しい)などのリスクもあるなどです。
個人的な意見としては 持続も見た目もそう差はないと思います。 それぞれの医師が慣れてる方でお願いするのが良いかと思っております。
皮膚側結紮:結び目を皮膚の表側に埋没させる方法。メリットは取得が簡単で、抜糸もしやすい。デメリットは糸玉が皮膚から透けたり凸ついたりする可能性がある事。
結膜側結紮:結び目を裏側の結膜に埋没させる方法。メリットは皮膚側に傷ができない、デメリットは方法によっては抜糸が困難、異物感や、糸露出時に皮膚側ではなく眼球側に出てしまう、眼瞼痙攣(エビデンスは乏しい)などのリスクも。
これも意見はいろいろあって、僕は長年あらゆる埋没法をしてきて、今は皮膚側結紮しかしなくなった人です。結膜側結紮も高い可能性で抜糸ができるという方法でやってくれる慣れた医師に任せるならいいとは思います。僕は切開時も含めた修正の容易さを考えて、皮膚側結紮を推奨しております。
・点留め(図の真ん中の左二つの方法):皮膚側を同じ点か少しだけ水平方向に糸をかけて結紮する方法。メリットは手技が容易で手術時間が短い。デメリットは二重という水平方向のラインを点でしか作れない、強く縛らないといけないので、皮膚側組織が避けて結び目が奥に行きやすく取れやすいなど。
・線留め(現在の主流):希望する二重の線に沿って水平方向に皮下に糸を通して引き込む方法。メリットは綺麗なラインを出しやすい、強く縛る必要もなく自然など。デメリットはほぼなし。
いまだに点留めクリニックもあります(なお、何点留めの点留めって意味ではないです)。メリットがほぼないので僕は線留めしか勧めません。
・同一糸内単数結紮:わかりにくいかもですが、図の左下以外のすべてはこれにあたります。ループを作って糸を縛る際に、その糸の中では結び目の数は1個。という意味です。メリットは手技がシンプルで抜糸が容易。デメリットは複数結紮より取れやすい。 ・同一糸内複数結紮:上記において結紮部位が同じ糸の中に2つ以上ある場合です(左下の図)。メリットは取れにくい、デメリットは抜糸や修正が困難です。
以前は両方好んでやってましたが、やはり長期経過後の抜糸が難しいので、僕は現在は同一糸内単数結紮に落ち着きました。
これらの分類を組み合わせて一つの埋没法ができます。 代表的な埋没法を図に示します。
いろいとあっても埋没法は埋没法です。 埋没法で難しい人は結局はどの埋没法でも難しいですし、この埋没法でないと無理!みたいなスペシャルな埋没法はありません。取れにくさやデザイン性は多少は差はあるかもですが、埋没法である以上はいずれは緩むことが多いです。 埋没法は緩んだ際にまた修正して埋没法で二重にする人が多いです。だからこそ、抜糸や修正が容易な方法がいいと思います。 緩んだ後に全切開をする人も多いです。その際に意外と埋没法の癒着が強い事も多いです。そうなると結構全切開がやりにくい。なのであまりに強固な癒着を作らない方法が良いと考えます。
それらを考えると僕のお勧めの埋没法は
・皮膚側結紮瞼板法線留め(単一結紮)
・皮膚側結紮挙筋法線留め(単一結紮)
となります。
今後、埋没法を選ぶ際にどのような種類の埋没法なんだろうか?どういうメリット、デメリットがあるのか? など考えて選んでもらえると幸いです。 参考になったら他の誰かのためにいいね、リポストお願いします。