難しい顔をしながらも、内心ホクホクでペンを走らせます。
地元、黒磯市の駅伝大会が
中止であったこともあり、
今年はずっと走ることをサボっていました。
気合いを入れ直し、
ジョギングを再開しだすと
気になることが出てきます。
往復ビンタをされたように痛む
筋肉痛のお尻のこと。
ではありません。
気になるのは、
ランニングシューズのこと。
今履いているものは、
長年履いて、足に馴染み
不満はないのですが
自分の足用の靴型で
ランニングシューズを
作ったら、どうなるだろう。
そんな疑問が浮かびます。
足にピッタリの
走りやすい靴になるかしら。
素材は何を使おうか、
デザインはどんなもにしようかな。
想像は膨らむばかり、
作りたくてウズウズしてきます。
待て待て、
作らなくてはいけない靴は
山ほどあるわ。
待たせている人がいるのに
自分のばかり作っている場合か。
膨らんだ空想を打ち消し、
目の前の靴と向き合います。
仮づりしたアッパーに
線を描き入れて
あーでもない、こーでもないと
いつもの様に
デザインを揉んでいます。
毎回、シンプルなデザインに
落ち着くので、
周りの人からは、
時間をかけているようには
見えないのが
少し残念ではありますが、
自身の靴であろうと無かろうと
デザインすることは楽しいこと。
難しい顔をしながらも
内心ホクホクでペンを走らせます。
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