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1冊の本と1つのイベントとその先の話。
1冊の本
1限から授業に出た。
授業が終わると雨が降っていた。
憂鬱な朝だった。
その日、私の手には1冊の本があった。
『愛とためらいの哲学』
端的に言えば恋愛論の本。
これが私の心をぷつぷつと突き刺す。
読み終えて、とにかくライフスタイルを変えなければ。そう思った。
ここでいうライフスタイルとは、生活様式のことではなく、後天的に獲得した性格、考え方や思考の特性みたいなものだ。
そして、ためらいの理由を考え直さなければならないとも思った。
なにかをためらう時に、理由があるから決断ができないのではなく、決心がつかないもしくは傷つかない楽な選択肢を選ぼうとするために理由が必要だということらしい。
これを実践すればわたしの恋愛観も少しはマシになるだろうか、と思いながら、ぷつぷつと穴の空いた心はまたぷつぷつと突き刺され、私は気がつくと寝ていた。
ハっと目を覚ますと、雨は止んでいた。
1つのイベント
この日の私には、もう1つ予定があった。
アシスタントナイト。
アシスタントとして働く4名の方々のトークイベントだ。
アシスタントとしての働き方、働くまでの経緯、これからのこと。
「これからどう生きよう」が現在の最大の問いである私には、まぶしかったり、羨ましかったり、憧れたり、いろんな感情が出たり入ったりしていた。
お話してくださった4名とも歳がものすごく近くて、人ごととは思えない切迫感みたいな焦りを抱いたりもした。
家に帰って一度冷静に自分の気持ちを見返してみると、やっぱり本当に好きで憧れる人を究極に追いかけるか、自分のスキルアップを優先するか、そういうふらふらとした迷いがあった。
1冊の本と1つのイベント
私になくて、話をしていた4人にあったものって。
そればっかり考えていたけれど、その答えは朝読んでいた本がくれた。
悩むことの目的は決めないことです。悩むのをやめれば、すぐにどちらかの人を選ばなければなりません。悩むことは、選ばないためであり、選ぶことを先延ばしにする理由として必要なのです。
そうだ、そうだった。
やっぱり私は決心をしない理由に迷いを据えていたのだ。
決めてしまったら動き始めなきゃいけないから、「やりたい」という誰にでも言える言葉と迷いを盾にして、楽な道を歩むことを無意識に選んでいたのだ。
でも、決めなきゃ、どこにいくか。
だれと、なにをするか。
みんなそれを決めてきたから、壇上にいる。
もちろんその他にもたくさん考え、努力をしてきたと思うけれど、そもそも私は今、考えて努力するという土俵にすら立てていないのだと思うと無性に悔しかった。
決心をしないなんて、そんな無駄な時間、一刻も早く終わらせなきゃいけない。
だから、決めよう。
決めるために、情報を得よう。
その先のこと
今まで適当にスクロールしてきたTwitterのタイムライン。
流し見していたnoteのホーム。
一つ一つちゃんと、とまではいかないけれど、プロフィールを改めて見てみたり、気になる方の過去の記事を読んでみたり。
そうすると、これまで"気になる"くらいの見方しかしてなかったことに気がつく。
気になる の先がないと、好きで憧れて尊敬するような人に出会えるはずもない。
気になるのなら、過去の記事を読めばいいし、SNSも遡ってみればいい。
そうしたらもっと興味が出るか、やっぱり少し違うと思うかの二択で、自ずと答えも出てくる。
そんな簡単なことにも気がつかないほど、目の前の些細な悩みを、大きくて解決し難い問題として捉えてしまっていた。
決めないでいた時間はもう帰ってこない。
でも、今ここで気がつくきっかけをくれた1冊の本と1つのイベントには、すこし運命を感じるし、とても感謝している。
結果としてどうなるかは、わからないけれど。
まずは、決心だ。
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