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いま、ふたたびのメエ語を:パプア諸語WSに参加して

2025年2月17日から20日まで東京外国語大学AA研で行われたパプア諸語のワークショップにお呼ばれして参加してきました。パプア諸語の現状や、研究の可能性に関する発表が多数聞けて、とても勉強になりましたし、勉強していたインドネシア語を初めて使うことができてうれしかったです。
初日にはわたしも以前調査したことがあるメエ語の発表も含まれています。

メエ語(エカリ語とも)はインドネシア、パプア州のパニアイ県を中心に話されています。トランス・ニューギニア語族、パプア諸語の一つです。

わたしは博士課程のときに2018年度のAA研で行われたフィールドメソッド語学研修に参加し、先生や他の参加者とともにメエ語の調査を行いました(あれ、博論は?)。そのときの報告書がこちらです。研修のときのことについては、また別途いつか書ければと思います。

https://publication.aa-ken.jp/ILC_2018_Mee_report.pdf

その後、ちょっとした研究ノートも書いています。

https://www.tufs.ac.jp/common/fs/ilr/contents/ronshuu/23/jilr23_sp_data_mee_aoyama_kuroshima.pdf

メエ語の響きはこちらから触れることができます。話者はわたしも前回の調査のときからお世話になっているDance Nawipaさんです。


メエ語を調査しようと思ったら、媒介言語としてインドネシア語は必須です。わたしは2018年の研修のあと、メエ語を本当にこれから調査、研究しようと、2020年からインドネシア語の勉強を本格的に始めました。しかし、思っていたよりも新型コロナウイルスの影響は大きく、インドネシア語の勉強は続けていたものの、なかなか現地に行けるような状況ではありませんでした。そのうち大学の仕事も忙しくなってきて、メエ語にもしばらく触れられていませんでした。

そして、今回のWSでコンサルタントのDanceさんと久しぶりに再開し、いろいろ話をすることができました。専門の朝鮮語もありますし、わたし一人ではなかなか調査、研究を続けていくのは難しいですが、当時メエ語の研修をともにした仲間もいるし、なによりとてもよくしてくれている母語話者の方もいます。ひとまずは現地に赴くことと、さらにインドネシア語の運用能力を高めることを目標にがんばっていこうと、決意を新たにしました。


この記事は2月21日「国際母語デー」 に合わせて書かれました。Twitter、Blueskyで#みんなの母語デーで検索してもらえれば、他の方の記事や投稿が読めます。また、発案者のまつーら先生がこちら「みんなの母語デー2025まとめ」で記事をまとめてくれているので、ぜひご一読を。

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