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HIGH RAIL1375に乗って小海線の旅

HIGH RAIL1375は2017年から運行しているJR小海線の観光列車である。山梨県の小淵沢と長野県の小諸の間を週末や夏休みに1〜1.5往復している。信州旅行の帰りに予約が取れたので、HIGH RAIL 1375 の初乗車と久しぶりの小海線の旅を楽しんで来た。(2019年8月訪問)

座席とオプションの予約

2両編成のうち、1号車は窓向きのペアシートやシングルシート、2号車は通常のリクライニングシートである。乗る列車は小諸発のHIGH RAIL2号である。1ヶ月前の発売日にみどりの窓口に向かい、狙っていたペアシートを予約することが出来た。

HIGH RAIL2号ではオプションのデザートを事前予約すれば食べられるのでJR東日本のネット予約で予約してみた。指定券と別々に予約支払が必要なのは、やや面倒ではある。使い勝手の良くないと評判のえきねっとであるが、なんとか2名分のオプション申し込みが完了した。お値段は1名で1,600円である。

小諸を出発してスイーツを楽しむ

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乗車当日は小諸発14:32分の定刻から少し遅れての発車となった。車内は観光列車らしくきれいに内装がされ、先頭部にはお土産や社内販売カウンターがある。夏休み中なので、車内のあちこちから、子供たちのはしゃいだ声が聞こえる。

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ペアシートは2人並びの窓向きで、外を見るには都合が良い。しかし身体が大き目の私にとっては足元スペースがせまく足を伸ばせないのが玉にキズ。それでも窓の外には緑濃い水田や雑木林が流れては消え、車窓に飽きることはない。

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発車して間もなく、予約したスイーツと飲み物がアテンダントさんから配られた。スイーツはHIGH RAILの車両を模した紙箱に桃を丸ごと1個使ったケーキである。製造元は佐久市のお菓子屋さんのようだ。佐久市はケーキなどスイーツのレベルが高いらしく、今度はそちらも訪ねてみたい。

小諸発車後、しばらく佐久平のひろびろとした田畑を列車は快走していたが、だんだんと遠くの山が目の前に近づいてきた。そういえば小海線に乗るのは30年振りになる。思えば学生時代に乗った時以来である。その時も途中から激しい雷雨となり、あまりの雨脚の強さで途中駅で一時運転見合わせとなったほどだった。今回もさっきまで快晴の天気からだんだん雲行きが怪しくなって、行く手に真っ黒な雲が広がってきた。どうも小海線の天気との相性は私は良くないらしい。

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案内によれば車内wifiにスマホを登録すると、車内限定で運転席カメラの映像を見ることができるそうだ。鉄ちゃん得意の運転士後ろのかぶりつきが、座席にいながら楽しめるのがうれしい。アテンダントさんが記念撮影用のボードを持ってきて記念撮影する定番のサービスだけでなく、趣向を凝らしてさまざまなサービスが提供されるようになった。

JR最高地点を越えて小淵沢へ

列車は小海駅のあたりまでくると山の中をカーブしながらエンジンをうならせて急勾配を登るようになり、窓の外は森の緑ばかりが続くようになる。時折、視界が開けて川の眺めが飛び込む。通り過ぎた一瞬の景色に、うす暗い林のなかに2頭のシカがいることに気が付いた。最近は野生のシカも数が増えたのか、集落から遠くない場所でも姿を見かけることが増えた気がする。

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雨が今にも降りそうな気配の中、1時間半ほどで野辺山駅に到着。ここは標高が国内JR最高地点の鉄道駅として有名な場所である。16分停車なので、下車して記念撮影したり、周囲を歩いてみたが、あまり見るものもなく早々に列車に戻る。野辺山駅出発後ほどなくしてJR線標高最高地点1375mの地点を通過するので、みんなでカメラを構えて撮影。この標高がこの列車名1375の由来である。

標高最高地点を過ぎてからは下り勾配に変わり、列車は軽やかな走りに変わる。しかし天候はますます悪化してきて、どんどん薄暗くなってしまい、八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳など大好きな山の姿を見ることはできそうにない。小淵沢に到着する頃にはとうとう本降りの雨が降り始めてしまった。

小淵沢には定刻の16:56に到着した。天候はちょっと残念だったが、始発の小諸から小淵沢まで2時間半の列車の旅はことのほか楽しかった。

終わりに

小海線は途中に清里や野辺山といった有名な観光地もあるため、高原列車という呼ばれ方で観光路線として有名である。しかし、自分のように乗っているだけで満足な鉄道ファンには良いが、一般の観光客が乗って楽しめるかというと少々疑問もあった。しかし、HIGH RAILのような観光列車であるなら、鉄道に興味のない大人も子供も楽しめるので大いに結構だ。地方路線の経営が厳しいなか、このような列車を走らせて大いにお客を呼んで、路線廃止なんて寂しいことにはならないでほしいと願う。



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