『海月を育てる』と『平岡海月』
ネタバレに配慮した感想
最高でした。
みっちゃんのビジュアルが大好き過ぎるので、ずっと可愛いみっちゃんを見ていられるのが最高。
PVの仕上がりは、なかなかにパンチ効いてる感じでしたけれども、個人的には、そんなみっちゃんも、それはそれで凄く魅力的で良かったです。
あくまでフィクションとして受け取れてるので大丈夫なんですけども、もう少し、映画とかを見て"物語を受け取る"という経験を積み重ねてなかったとしたら、ダイレクトに受け取っちゃって、めっちゃショック受けていたかもしれませんが。笑
惜しむらくは、予告編を先に見てしまった事でしょうか。ある程度の防御力を築いてから見てしまったので、要所要所のパンチ効いてるシーンで、もっと新鮮に悲鳴を上げたかったなぁ。最初の伏線とかも、予告編のニュアンスから先読み出来てしまったので…。
ネタバレ込みの感想
気持ち悪くて最高。
特に、徐々に明かされていく『海月』への違和感の塩梅が良いですね。
水槽の移し替えで、なんかニョロっとしたウナギみたいなもの…?っていうパッと見からの、いや、髪の毛の束では?????みたいなところ。
そこから、餌の招待が徐々に明かされていって、化粧水の話で指先が全部絆創膏になってるところとかめちゃくちゃ気持ち悪くて良い。
最初の餌としてあげた粉末が、しっかりと爪磨きの残りと明かされて、うわー…ってなるところとか本気出して来てなかなかギョッとさせられて、終いには水槽に手が浮かび始めるところとか、最高でした。
Vlogの枠外でぴょんぴょんしてるクラゲの絵も、徐々にバグっていくのも良いですね。不穏ー!
本当に、何回でも見てられる。
みっちゃんのビジュ良も、落ち着いた声も、全部心地良いハズなのに、内容だけ気持ち悪くて、そこの塩チョコレートみたいな味わいがクセになっちゃいます。
あと、普通に演技上手いのでは?ってなっちゃいますね。
たまにセリフがあからさま過ぎるところは、ちょっと違和感はあるんですけれども、最初の、飼育きっとが届いた時の笑顔の感じとか、凄い自然でビックリしました。ビックリした、っていうのも、見終わって、見直して、あれ?ここ、そういえば演技なんだよな?って振り返るまで気づかないぐらい、普通に見逃してた事に気づいて、でしたし。
考察的なお話
まあ、考察、って程の分解をしたい訳じゃあないんですが、自分の受け取り方を因数分解して言語化したいな、っていう感じで。
まず、みっちゃんは個人PVに何を込めたかったのか、のお話から。
多分、『物語』を作りたかったんだと思います。
そして、その物語は、"過去"と"これから"の2つを題材にしていて、物語の見え方は、受け手に任せたかったんじゃないかな、と思います。
表
まず最初に表面を見て受け取ったお話から。
このPVのテーマは『不老不死』です。
みっちゃんは、セルフドキュメンタリーにて「大人になるのが嫌だった」と語っていました。アイドルになるには"年齢"というものが重要視されている事を知っていて、自分の夢を叶えるには、タイムリミットとの戦いである、という感じていたハズです。
だから、ずっと若く居たい、歳を取りたくない。そういう願望がずっとあったんだと思います。
だから、このPVの題材は『不老不死』で、分かりやすく「ぴちぴちで居たいのにな」という台詞を言ったり、ウーロン茶を「永遠に変わらない美味しさ」と形容して、時間が止まる事を願うような言葉を散りばめていると感じます。
そして最後に、新しい海月に生まれ変わり、この後も何回も何回も、同じ年齢の自分で居続けるような、そういう余韻を残して終わります。
裏
表面は、敢えてそういう、ある種の"固執"のようなお話として見えるように作ったんじゃないかと思います。
しかし、裏返して見直すと、このPVの本質のテーマはむしろ『生まれ変わり』だと感じました。
というのも、最後に入れ替わった後のみっちゃんは、日向坂の制服を着ています。ここは最初、入れ替わりを明確にするために衣装を変えたのかな、と思ったのですが、そうではなくて『ここが新しいスタート地点』という意味合いだと思います。
アイドルとして私の歩みたかったスタート地点に立てた。
だから、最後のテロップは「海月0日目」であり、日向坂の制服衣装なんだと思います。
なので、多分、この後、また次の飼育キットを買ってループをする、という余韻は実はノーマルエンドで、『この1回で飼育が終わる』がトゥルーエンドなんじゃないかと思います。
"過去"と"これから"
自分が何回でも話せる"みっちゃんを好きなところ"として、ひらがな2期生オーディションと、ひらがな3期生オーディション(正式には合同オーディション)を経て、日向坂4期生としてオーディションを受けて合格した、という経緯を辿ったところです。
オーディションなんて、何回受けても、そのままじゃあ絶対に受からないハズです。ましてや、2期生、3期生オーディションの結果は、本人も言うように、最終まで辿り着けずに終わってしまっているわけです。
だから、それらを整理すると、4期生として受かるためには、絶対に努力を積み重ねているんです。直接見た訳じゃなくて推測ではありますが、それでも"ハズ"なんてつけません。それくらい、確定していると思います。
(実際、BRODYさんのインタビューだかで、3期生オーディションの結果を受けて、このままじゃダメだと思った旨を語っていますし)
だから、この物語で飼育をしている30日は「平岡海月という人間がアイドルになるために過ごした時間」を指していると思います。
そして、そういう必要な時間を過ごした事で念願の「日向坂46の平岡海月」という存在になれた事を「海月0日目」で示していると思います。
その自分の歩んだ"過去"と、自分が歩む"これから"の、そのグラデーションを、この個人PVに詰め込んだのでしょう。
裏返しで見ようとしたきっかけと平岡海月
みっちゃんは、ただ単に、人を怖がらせたいとか、ゾッとさせたいとか、そんなネガティブな気持ち"だけ"で終わらせるような人じゃあない。そういう信頼があります。
アイドルになりたい。その根底の部分を、自分はまだ知りません。
けれども、尊敬する先輩がくみてんで、理由が人間性、と語る人が、希望を届けたい、という思いは多かれ少なかれ、いや、少なくないくらいには抱いていると思います。
そう思いながら見直したら、きっとちゃんと、届けたい想いがどこかに埋まっていなければおかしい。というところで、深く潜り込んで、そこで見つけた答えが、"過去"と"これから"のお話として成立する構成、でした。
ショートショートっぽい構成も、読書家なみっちゃんらしくて面白かったです。大満足の個人PVでした。