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大家さんと文鎮

今日、アパートの中庭に住んでいる大家さんがコンコンと来て、こういうものをくれました。

銀製の文鎮だそうで、「良かったらアクセサリーの材料に使ってね。」とのこと。
大家さんは無茶苦茶いい人で、マダガスカルの隣にあるレユニオン島出身の中国系フランス人、というなんとも正体不明な出身。
実際はレユニオン島には中国系の人が多く、山あり海ありの大自然に囲まれたすごく美しい仏領の島。
日本ではあまり馴染みのない島ですが、ヨーロッパの人々にとっては大人気のリゾート地なのです。
そんな風光明媚な土地出身の大家さんだけど、「私、暑いところ嫌いだし、青い空と青い海と白い砂があるだけで退屈。」だそうです…。

先日大家さんは、鳥のブローチを買ってくれていたのですが、今日その代金と一緒に家にあった中国の物と思われる文鎮を持ってきてくれました。
かつて6,7年前に鍛金作業でコツコツ1点物のシルバーアクセサリーを作っては、闇市のごとく希望者に売っていた私ですが(笑。でもちゃんと収入申告してますよ)、あまりの大変さにやめてしまい、数年の時を経て今回一念発起。
私財を投じて機材を揃え、やっと販売に至りました。

そんな私を昔から知る(かれこれ20年近く住んでいます)大家さんは「応援したい!」と文鎮を持ってきてくれたわけです。文鎮はどうやら中国製のものらしく、ということはご両親から受け継いだ形見のような物なので、そんなものを熔かしていいのかどうか…う~ん、しばらく考えます。
でもたぶん熔かしちゃう!

よく見ると裏には「足銀」という刻印が。

どういう意味かネット検索したものの、「足利銀行」ばかりヒット。
以前、金メッキのサックスを「ゴールド、サックス」で調べた時もゴールドマンサックス社ばかりヒットしたし、うちのパソコンはご主人のことを金銀大好物なギラついた金融業者とでも思っているんかいな?
サックスのことを調べたのは実はミュージシャンでもあって、全ての職業を書き出すと目次録のようになってしまうので、私のでたらめな経歴についてはまた追々書きます。

脱線しましたが、「足銀」をしつこく調べると、Yahoo知恵袋で同じような質問をしている方がいらっしゃいました。
回答者によると中国製品に刻印されていることが多く、中国語で「純銀」の意味だそうです。なんで足なんでっしゃろ?
ぎゅうぎゅう踏んづけて純度を上げている姿を想像したけど、そんな精錬法があるわけがなく…、想像力がたまに5歳児なので悪しからず。
読者に中国語が分かる方がいらっしゃったら由来を教えてください。

そんな足銀文鎮2本の重さを量ったら、なんと340g。

今の銀相場だと数万円もするけど…。大家さん、なんて良い人!

表の柄は、狩りの様子と鯉の模様。

そのままでも綺麗な気がするのだけど。
う~ん、熔かすべきか否か…。

(Shirokane)

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Shirokane Kobo
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