粘土複製の限界とフィギュアの話。
ご無沙汰しております(前回の記事から二週間近く経ったのか…)。ちょいとミニチュアから離れておりました。仕事が忙しかったのと、時間と手間をかけたお化粧品達を没にした脱力感でしばらく創作が出来ず…(´;ω;`)気分転換にと別の趣味に逃避してました。
フィギュアです。
いや、こっちのフィギュアじゃなくて…
こっち。
しろいぬは、まだ2年ほどですがスケートを習っています。フィギュアスケートは観るのも滑るのも大好きです。コロナでずっと教室も自主練もお休み、試合やショーは軒並み中止。シーズンは始まっているのに何だかやりきれない。おうちにこもりながらスケート靴と、窓辺に打ち遣ってたマッチ箱ハウスを交互に眺めている内、ふと思い付きました。
「…コレ、リンク錬成出来んじゃね?」
「行けないなら、アレを応用して作ってしまえばいいのだ」
※アレ
(パーツサイズと配置を修正し、ハサミを使った手切りに切り替えたらうんとスッキリしました。スキャンカットは使えなかったけど、ペーパークラフトはこれで良いのだ。)
で、折角なのでこの技術をマッチ箱(大箱)サイズに応用。
出来ました。
※左はご本人から頂いた坂本花織選手のおハガキです。
これは外箱の裏面。自販機だけフリー素材を使いましたが、基本全てクリスタで手描きです。ホントにこんな雰囲気なのです…
そして肝心の内箱がこちら。
男子〜!
女子〜!
やったーお家でいつでもどこでも試合観戦出来るよ!
…ハイ、自己満以外の何物でもないです。密度が高くて疲れた…。実在の選手の皆様ですから、もちろん商品化する予定は無く完全に自分用です。思いがけず推し活に時間を費やしましたが…これも全て、マッチ箱ハウスという創作を進めて来たからこその産物です。
「小さいものを作るのは、やっぱり楽しい!」という気持ちを取り戻した所で、ミニチュア制作に戻ることにしました( ´∀`)
今取り掛かっているのはこちら↓のミニチュア化。
今も使われているかも知れませんが、昔の診察室に必ずあった、「シカン瓶」です。診察に使う細長い医療器具や筆記用具を入れて置く、ペン立てのような物です。ちなみに私物です。もう老兵ではありますが、しろいぬの本業は看護師です。このシカン瓶は、大昔に勤めていた診療所の倉庫で埃を被っており…退職する時にお世話になった院長先生にお願いしたら「もう使わないから」と譲ってもらいました。以来ペン立て代わりに愛用しています。戦前の診察室と言えば、これがなければお話しになりません。このシカン瓶と聴診器、電気スタンドの3点セットから手を付ける事にしました。ガラス瓶の方はもう4色とも出来ているので、金属の土台部分を原型作成↓シリコン型を作り、複製開始。
※左:原型 右:複製
…ううううん😓違う、そうじゃない。
凹凸面のこのいびつさよ…しっかりモールドに粘土を詰め込んだつもりでしたが、①テーパー型でも空気の逃げ道がないと、粘土が入らない間隙が出来る。②冷凍して型から出した瞬間は綺麗でも、自然乾燥する過程で溶解した水分で粘土の表面が僅かに溶ける。③かと言って粘土に水分がないと可塑性が低下し綺麗に成型出来ない──という問題が発生しました。
まずは①を解決すべく、シリコンモールドの底面に小さな穴を開け、空気の逃げ道をつくりました。②③の問題、粘土の水分も減らして再度挑戦。小さい方のパーツは逆テーパーのうえ恐ろしく小さいので、、取り出す時半分の確率で首が折れてしまいました…😢これだけはUVレジンで複製。化粧品のルージュでも痛感しましたが、やはり直径5ミリ以下の凹凸を精巧に再現するには、引けなく液体状から固形に変化する素材…すなわちレジンキャストを選択せざるを得ないようです。ちなみにFRPはダメでした。臭いに耐えかねて体調を崩したので…
出来た〜!\( *´ω`* )/またひとつ山を越えました。
シカン瓶は硬化前に上からエンボスヒータで熱を送りましたが、縦に細長い形状のためか、完全には気泡が抜けませんでした。写真では分かりにくいのですが…レジン複製に関しては、やはり気泡問題を解決しなくては、人様に差し上げるクオリティにはならないようです。脱泡機買おうかな…
亀の歩みですが、今日も頑張りました。お読み頂き有難うございます☺️