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ゆくさき、小豆を煮る頃には
12月の頭、小豆を煮る
手作りの餡子は、ラップで包んで4頭分にして冷凍庫へ
正月が終わり、最期の餡子の包みを冷凍庫から取り出して来て
鏡餅を割り、お汁粉に
柔らかな甘さのお汁粉をすすり休みが明けて行く
この餡子の包み
出来たてをどら焼き作りに一つ、冬至に一つと少しづつ減って来た
最後の餡を使ったお汁粉に舌鼓しながら
来年も12月になったら小豆を煮ようと誓ったのだ
日常や人生はこんな日課の積み重ねから成る
新しい人生を生きるつもりで
新しい日常を作るつもりで、素敵な日課を見つけて行きたいといつも思って生きている
小さな自分を喜ばせる日課をいくつも積み重ねて、自分らしい人生を手作りしている途中なのだ
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とうとう、正月も終わり仕事始め
うん。うだって機嫌が悪くていいね
良い、お正月を過ごせたってことで
なんて思いながら、気分が保温されたまま休みが終わって行く感覚をささやかな嫌気の中から取り出した
お正月が見せてくるもの
随分と焦げた人生の片側からパンケーキの様に反対側にひっくり返そうと片付けを始めてから数年
私のお正月のあり方は変わって来た
結婚、はたまたお別れ
仕事やらなんやら…
環境の変化はお正月のあり方を良くも悪くも大きく変えることを私はよく知っている
お正月ってのは、自分の人生そのものを映し出す様で、目の前に今あるべき物を差し出してくるから嫌になる時がある
仕事詰めで終える正月はそんな嫌な気分を忘れさせてくれるから、ここ数年はそうして過ごして来た
しかし、とうとう今年はそんな事をする必要もなく正月が過ぎて行ったのだ
こたつのみかん
酔っ払った頭で歩く、除夜の鐘が響く道
境内の背の高い杉の木に向かって飛んで行く赤い火の粉
こっそり包むお年玉
朝一番のお雑煮の出汁のにおい
いつも負ける、おみくじの競い合い
空を泳ぐ凧
そして、今年はじめた新しい我が家の正月にやる事
鏡餅で食べるお汁粉
今年は我が家のお正月が出来上がった年だ
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お正月の形
正月が来るたびに私は誓ってきた
それぞれの家族や家庭、親族の中で
"これがいつものお正月"と言う形があるのなら
その形を自分の家族の形で作ろうじゃないかと
今年も新しい正月の形を加えて、私たち家族のささやかで小さなお正月が終わって行った
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皆と競うように賑やかに過ごすことが本当の望みじゃないことに気づけたら
すぐそこで腕を組んで背中丸めて小さくして待っていた幸せが、やっとと胸に帰って来れる
そんな事を深く感じた年の始まり
人生も日常も、気に入らないなら作り変えればいい
親に教わった日々の過ごし方が
社会で知った人生の生き方が合わないとしたら
自分に合うようになるまで、何度だって作り変えればいい
今年の年末年始は
来年とその先の未来の我が家の幸せを作った年だったとそう思っている
▼ akaiki×shiroimi 作画
Kotoba to shiroimi