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基本的に学部での留学は意味ない
概要
学部での留学は基本的に意味がないと思う。
はじめに
意味がないという言葉は漠然としているので明確化すると、投資としての価値が世間で過大評価されていると言うことだ。
理由は、お金と時間が莫大にかかる割に、大した経験や能力が身につかないからだ。
もちろん、その後の人生設計によっては、リターンが人によって変わると思うので、当然どんな場合も意味がないとは思わない。しかし、少なくとも世間で過大評価されているということは言える。
以下その理由を記述していく。
自分の経験
私は、東京大学入学後、大学の制度で短期の海外派遣を何度か経験した後、1年間の米国大学への学部での留学をしている。進路としては米国大学院進学も本気で検討したこともあるので、海外留学の知識や経験は多い方だと思う。
その中で、一番多く出会ったのが、留学の究極の目的が「留学したという履歴」である人々だ。
個人的には残念なことだが、現在私が留学している大学は、世界大学ランキングTOP10常連の大学にもかかわらず、1年間の交換留学生だけでなく、正規で4年間通っている人のほとんどがこのタイプだ。
なぜそう分かるかは簡単で、ずっと「遊んでいる」からだ。ひどい場合には、日本人同士で恋人や親しい友人を作って、旅行に明け暮れたりしている。遊んでいなくても、だからといって勉強もしていないというタイプもいる。
もちろん各個人に留学の目的があり、それが全く私と違うので「遊んでいる」だけのように見えるのかもしれないし、本人がそれでいいなら人の人生に口出しはしないが、少なくともそれを見ていて残念だなと思う。
これでも米国だし、世界的にも名の知れた大学なので、「留学」の中でもかなりまともな環境なのだと思うと、やや絶望に似た感覚を覚えるのと同時に、これも「異文化理解」かとも思う。
一般的な学部留学の目的
もう少し深く考えてみよう。
彼らの留学の目的は、英語力向上や異文化理解だろう。少なくとも周りにはそう言うし、自分でもそう信じているパターンが多いと思う。
しかし、どれだけ安くても留学は1年で100万円はかかる。本当に英語力を上げたいなら、そのお金で日本のスクールや外国人の友達探しをすれば良いと思ってしまう。さらに言えば、友達と遊んで手に入る程度の英語力は、社会ではほぼ役に立たない。簡単に理由を言うと、日常の英会話の7割は定型文で済むからだ。それでは、7割既知の単語帳を100周して満足している人と同じだ。
また、異国に1年間住み、期間限定の友達を作って「理解」できるほど、異文化は浅くない。逆を想像すれば分かる。アメリカ人が日本に1年間留学に来て、美味しい寿司をたくさん食べて日本人の友達とカラオケに行くだけのような生活で、「日本の文化がわかった」と言っていたら腹が立つだろう。
では、彼らの目的は何か。私が唯一合理的と思える理由は、履歴書に書けることだ。確かに、留学経験が日本国内の企業の新卒採用の際に有利になるというのは、恐らく一定程度事実だろう。
学部の交換留学程度で入りやすくなる企業で働きたいなら、自由にすれば良いと思う。その人生にどんな価値と幸福があるのか、私は一切理解ができないが、他人が干渉することではない。
おわりに
ここまでをまとめると、学部での留学は、日本国内の企業の新卒採用で若干有利になるという理由を挙げる以外、正当化され得ないと私は考えるということだ。
ちなみに、「国内の外資系企業」ではなく、海外で新卒で就職したい場合は学部での正規留学は意味があると思う。また、中途採用では学部の留学など誤差の範囲内なので、「新卒採用」と修飾語をつけている。
また、大学院以降の留学はまた事情が違うので、ここでは議論の単純化のために除外している。基本的に、大学院以降に世界的にある程度名前の知れた研究大学またはMBAに留学するなら、意味があると思うが、ここで詳細は割愛する。
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