読書感想-BL小説-『竜人と運命の対2 赤き月の縁/櫛野ゆい』
こんにちは、falです。
今回は、櫛野ゆい先生の「竜人と運命の対2 赤き月の縁」(イラスト:高世ナオキ先生)の読了記録です。
こちら、竜人と運命の対シリーズの2巻でございます。
日本から異世界トリップしてしまった陽翔と竜人ジーンの話。
今作も、ジーンの鱗の感触ってどんなんなんだろ…って大変そそられました。
サラサラタイプの画面保護シートのようなのか、カーボンフレームの自転車のようなのか…
たぶんこの世界にない感触してる。触ってみてえ〜
異世界ファンタジー好きとしてはわくわくの世界観で、聞いたことない食べ物の名前とか出てくるととてもアガっちゃいますね。
ただ、陽翔は日本で生まれ育った子なので、本当に大変だったよな。
いきなり飛ばされてあんなに頑張れないよ…
竜人のジーンには、人間にはない、とても魅力的な“しっぽ“という器官がありましてね、度々それで感情表現をするのがグゥかわでさ。
その他にも人間にはない特徴がたくさんあるので、言葉以外のものでも心が伝わる描写がたまらんでした。
「番」「対」「たった1人の」「最愛」こんなワードにギュッとくる方、お手に取ってみてはいかがでしょう。
主役2人の他にも素敵なキャラが登場し、それぞれの考え方や関係性を持っているところがとても良かった。
陽翔とジーンももちろん好きだけど、私は最推しあのお方なので、みんなも誰が好きだったか話そ。
こん中で誰が一番好き〜?トークはいくつになってもずっと楽しい。
どうせ悲しむのなら、自分で道を選びたいじゃないか。……後悔しても仕方ないと思える道を、ね。
選んでいきましょうよ。
生きることは選ぶことだって、どっかで聞いたし。
どこかにあるかもしれない、ここではない世界を楽しみたい方はぜひ。
焼きトゥッファーハでも食べながら。
▼これよりネタバレあり
2巻だから当たり前だけどさ、すでにラブラブの陽翔とジーンが序盤からイチャしてて、全員公認なのに恥ずかしがるとか、誰彼構わず嫉妬するとか、ハァ〜イわかりましたァ後日談ファンブックですね〜!って思ってたのに…
異世界トリップものでは避けて通ることのできない、元の世界どうするか問題。
陽翔がジーンと生きていくってことはつまり元の世界のものを大事なものも全部置いてくるってことで、比べられないくらい大切なもののうち、どちらかを選ぶってことで…。
どちらかを選ぶってことはどちらかを選ばないってことなんだよな。
声が出ない陽翔が泣きながらジーンを呼ぶ姿がつらすぎて泣いてしまった。
あの、元の世界との別れのシーンは本当につらくて、ご両親と桜ちゃんの気持ち考えたらくしゃくしゃに潰れた。
こんな、どちらを取っても悲しいことが起こるしんどい選択だったのに「自分でどっちって決められて、よかった」って言える陽翔が眩しかった。
自分の人生を、ちゃんと自分で生きようとしている人の輝きを浴びた。
まるごと守るとか、相手の価値観に合わせるとか、そういうんじゃなくて、寄り添いあえると信じて違いを受け入れあうこと、痛みを伴ったとしても分かち合うのを諦めないことがつまり、運命を共にするということというメッセージ、感動したよね。
これこそ対話だ、言葉を用いてコミュニケーションをする者たちの共存への営み。
二人で選んだ道ならば、それは同じ道…。
現実世界ではなかなかお目にかかれんよ。尊…。
前作でも今作でも、大事なことに気がつかせてくれるアースラ様。最推しです。
「いい女だな」って言われて「だろう?」とこたえる女ほんと好き。
鼻つままれたい〜
他にも、ゼノスや他の仲間が逆鱗を預けるシーンとか、桜ちゃんが陽翔の帰還に安堵して、もしずっと声出なくでも私が助けるよって泣くシーンとか胸アツでした。
陽翔とジーンなら、困難も幸せに変えて生きていけるよ。ラブ溢れてるもんね。