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読書感想-BL小説- 『ほほえみ喫茶の恋みくじ/海野幸』

こんにちは、falです。
今回は、大好きな海野幸先生の「ほほえみ喫茶の恋みくじ」(イラスト:雨隠ギド先生)の読了記録です。

開始数ページでもうおもしろい
こ、こけし〜〜〜?

喫茶店の店長 直文と、お仕事大好き東宮寺そしてスーパー小学生朝彦くんの話。
海野先生の書く登場人物たちはお仕事に真剣に向き合っている人が多くて、私が海野作品を好きな理由の一つです。

海野先生やっぱり好きだ〜という思いをギャンギャンに感じながら読みましたが、こういうところが好きなのよ…となった箇所について。

自分の大切にしているものを柔らかく受け止めてもらえたのが、なんだかとても嬉しかった。

そう、そうなんよ…
出会った相手が特別になっていく過程をね、こちらにも味わわせてもらえるのはありがたさしかない。

誰かを喜ばせてあげたいとか、元気に過ごしてほしいとか、好きなことをして活き活きと暮らせるように応援したいとか、そういうの全部尊いです。愛です。
クスッとくるユーモアもあり、じんわり心も温まり、happyをありがとう。
(東宮寺さんの色気もあざした)

直文のいる喫茶店で癒されたいな〜という気分で物語の余韻を楽しみながらコーヒーでも飲んでみます。

海野作品はあとがきも楽しいから必読ですよ
(だいたい声出してわらう)
コーヒーもしくはこけしを片手にぜひ。


▼これよりネタバレあり



海野先生自身あとがきで書いていましたが、朝彦くんの現実離れしたスーパー小学生ぶりは必見。
(あとがきといえば、近所の小学生エピソードも最高だった)

雨隠ギド先生のイラストのターンで、まんまるフォルムのマシマロほっぺさん(かわいい)が登場し、
あぁせやったせやった朝彦くんは小学生
と思い出すということを少なくとも3回はやりました。

東宮寺さんがバイというのもよかったな。
お子が登場するBLで、何某かの理由があって血のつながっていない子を育てているが本人に結婚経験はなく、性的指向はゲイという展開を何度か目にしてきたが、実際にかつて女性と婚姻関係にあり、(おそらく)セックスを経て産まれた子を育てているというのは新鮮な空気を感じた。
あまりお子登場BLを進んで手に取ることがないからかもしれないけど。

“結婚経験がある=異性愛者“ではないということの描かれ方がごく自然で、東宮寺にしても直文にしても、自分の性的指向を後ろめたく感じている描写がなかったのがとてもよかった。
(直文が葛藤していたのは、東宮寺が結婚していた事実を知って異性愛者と思い込んでしまったからであって、男同士は変だからとかいう理由ではなかった

私はBLを愛しているけれど、男同士は“普通”じゃないとか、男同士だから結婚できないとか子育てできないとか、そういう描写はどんどん無くなっていけばいいと思ってる。

用意されたような“障害“を乗り越える恋が見たいんじゃないんだ、対等に人と人とが愛を分かちあう物語を見たいんじゃ。

とはいえ、物語とて商業BLはお仕事ですからね…
市場が求めているものをつくり、より多くの人に受け入れられやすいものを売りますよね…そうなんだよ
創っている方々の方こそ、もどかしさや葛藤を感じているということもあるかもしれない
私なんぞの想像の及ぶところではないが、とにかく願っています。
早く社会変われ

今回の作品の中ではそういった社会の問題に苦しむような描写はなかったけれど、直文と東宮寺さんと朝彦くんみたいな人たちが、お互いの望み一つで“家族“になれる社会になってくれと思いました。

少々飛躍してしまいましたが、とにかく、

末永くお幸せにね!!!

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