生成AIと創作についてメモ✍️

日々AI関連のニュースが話題ですね.
皆さんも普段、翻訳・文章生成・イラストなど様々な活動にAIを使っているのではないでしょうか.
そろそろ創作フローに生成AIを組み込みたいなと思い始めている白葉ですが、どうやってこのAIと付き合っていくかついて現時点の考えをまとめておこうと思ったので書いておきます!



1. 創作の2つの要素

まず創作について自分なりの考え方から.
創作上の大きな要素として次の2つの要素があると考えています

  1. 表現したいもの

  2. 表現技法

表現したいものとは、作品を見る・聴く人に伝えたいメッセージ・世界観のことです. 多くの趣味で創作をしている方にとって最も大事な部分だと思います.
対して、表現技法、これは表現したいものをどう形にするかの部分を指します. 音楽で言えば、「一番悲しい場面に最も相応しい和音をどうするか」といった部分です.

個人的に、これらの要素同士のマッチ率が自分の創作では大事であると考えています.


2. 生成AIの仕組み(超ざっくり)

生成AIというと、画像生成AI「Stable Diffusion」や文章生成AI「Chat GPT」などが有名ですよね. これらの生成AIの仕組みはざっくり以下のようになっています

  1. ユーザーが「prompt」という注文をAIに対して行う

  2. それに沿ったイラストや文章をAIが出力

生成AIはその開発工程においてWeb上の既存の創作物を学習に使っており、これが権利上の問題になっています. しかし、ツールとしての利用メリットを考えると、権利的な部分に留意しつつ使っていくことが重要だと考えています.
具体的な活用シーンとしては

  • 作業の自動化・効率化

  • アイデア出し

  • マルチメディア(音楽を作っている人が、それに合ったイラスト・動画をAIで生成など)

などが挙げられます.


3. 必要なことは自分にとっての「好き/嫌い」の区別

前の部分で創作では表現したいものと表現技法のマッチ率が大切と書きました. 生成AIを創作フローに組み込む最大のメリットは、多量の案出しによってより多くのトライ & エラーができることだと思います. (私見ですが、何事もアウトプットの量増やした方が質は上がると考えています)
そこで必要になるのは、AIが出してきた多くの案から原石を見つける目利きの能力. この能力は「自分が作りたいのはこれだ」という理想像をイメージすることで、言い換えれば「これは好き/これは嫌い」といった自分だけの価値基準の明確化に他なりません.


4. 人間はAIにできない尖った表現をやるべきか

しばしば生成AIに関するよくある意見に「人間はAIにできない尖った表現を追求すべき」というのがあります.
自分個人としてはこちらの姿勢にはやや反対の立場です.それは以下のようなハードルがあるためです
ハードル1:一般的に、尖った創作物は受け取り手にとって受け入れづらい
ハードル2:AIの性能向上やプロンプトの工夫によって「AIにできない尖った表現」自体がほとんどなくなる可能性
ハードル3:「尖った表現」を追求するあまり、奇抜だが単発的なアイデアになってしまい、作風が担保しずらい(奇抜創作芸人にはなれるかも?)
気持ちとしては、「AI vs 人間」のような対立構造で捉えなくても良いのかなという立場です.


5. まとめ

生成AIに対してどうしても「人間はクリエイティブでAIに勝らなければならない」という先入観で捉えがちです. その際「クリエイティブ」という言葉について、全く新しい0 → 1だけでなく、既存の組み合わせから選びだした「クリエイティブ」も同等かそれ以上に重要です.
例えば、「納豆にペッパー入れると美味しい」(Xのフォロワーさんに教えてもらった)だって十分にクリエイティブです.

フランスの数学者/科学思想家のアンリ・ポアンカレはこう言っている。「発明とは、無益な組み合わせを排除して、ほんのわずかしかない有用な組み合わせを作ることである。わたしなら後の文をちょっと変えて、違う説を唱える。「選択とは、発明することなのだ」

シーナ・アイエンガー『選択の科学』文春文庫, p.308

たくさん試行錯誤して(1→100)、その中から自分の好きなものだけを選ぶ「100 → 1」を心がけたいなと思いました.


6. さいごに

この度音楽面でお手伝いさせていただいたゲーム「ヒサとヨミ」第一章がリリースされました〜🎉✨
公式サイトからダウンロード(なんと無料版あります)できますので気になる方はチェックしてみてください!!



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