アダルト動画配信大手Pornhub「風営法届け」は不要ってマジ？確かめてみた。キーワードは「仮想通貨」

アダルト動画配信大手Pornhubの躍進が止まりませんね。Pornhubは昨年12月、VisaやMastercard社などのカード決済企業によるサービスの中止を受けてしまいました。その主な理由は児童の性的虐待コンテンツ疑惑です。
そのため、報酬の支払い手段がなくなってしまったので、急きょ「仮想通貨決済」を行うことになりました。

Pornhubに違法コンテンツがあることを指摘したニューヨーク・タイムズの記者であるニコラス・クリストフ氏は、「Mastercardは、Pornhubに違法なコンテンツがあることを確認したので、Pornhubへのサービスを直ちに終了させると発表しました。これにより世界中の男の敵となってしまったニコラス氏ですが、連邦議会のジョシュ・ホーリー上院議員も、「MastercardはPornhubでのカード決済を完全に終わらせてくれました。Visaなどの他のクレジットカード会社もこれに倣うべきです」と述べて、Mastercardの対応を称賛しています。

.@Visa and every other credit card company should immediately do the same

— Josh Hawley (@HawleyMO) December 10, 2020

今回、この仮想通貨を巡って「確定申告は不要」だとか、派生して「風営法の届け出は不要」だとか、そういった誤った情報が散見されます。実際に筆者の顧問をしている税理士と司法書士に詳しくヒアリングをいたしました。

日本のAVクリエイターも参入し始めたPornhub

Pornhubに参入したいがために「コンサルティング」の真似事をするユーザーも増えてきています。Pornhubで儲かりました！PornhubはYoutubeを超えます！といった、少々胡散臭い話しもちらほら。

実際に2021年1月から日本人クリエイターは確認できるだけでも1,000人以上。徐々に増えてくること間違いありません。
筆者もPornhubでハメ撮りビジネス展開を計画していますが、決済、法律、文化の解釈など留保しなければならない事案が多く、今のところは様子見という感じです。

コンサルティングの人が「大丈夫って言ってた！」と、専門家でもない人の知識を妄信的に受け入れていませんか？
正しいリテラシーを持って、この問題について考えていきましょう。

Pornhubの現在の決済方法

同社は現在、オンライン決済サービスプロバイダーである「Probiller」を通じて仮想通貨決済を受け入れており、支払い手段として使用可能な仮想通貨は以下の17銘柄だと伝えられています。

・ビットコイン（Bitcoin/BTC）
・イーサリアム（Etheruem/ETH）
・リップル（Ripple/XRP）
・ライトコイン（Litecoin/LTC）
・テザー（Tether/USDT）
・ダッシュ（Dash/DASH）
・モネロ（Monero/XMR）
・ネム（NEM/XEM）
・トロン（Tron/TRX）
・バージ（Verge/XVG）
・ジーキャッシュ（Zcash/ZEC）
・ビットコインキャッシュ（BitcoinCash/BCH）
・イーサリアムクラシック（EthereumClassic/ETC）
・ウェーブス（Waves/WAVES）
・BNB
・DOGE（ドージコイン）
・USDC（ステーブルコイン）

More use cases. A friend told me, I am not *too* familiar with it. 😆#BNB pic.twitter.com/DC1mZngMp0

— CZ 🔶 Binance (@cz_binance) January 20, 2021

仮想通過決済ってそもそもOKなの？

原則として、日本では法律では、お給料は通貨で支払うように、と定められています。（労働基準法第24条 賃金の支払いに関する部分）

ここで言う通貨というのは「日本円」のことですので、仮想通貨はこれに該当しません。

ただ、中にはフリーランスで働いているエンジニアさんは、報酬を仮想通貨でもらっている人もいらっしゃいますよね。企業さんと労働者の中で、しっかりと労働契約を結んでいるのであれば、契約上通貨以外で支払うことも可能です。

そこに違法性はありません。
ここ最近になって登場した仮想通貨に日本の法律はまだちゃんと整備できていないのです。

仮想通貨を確定申告する難しさ

「日本円で源泉徴収したうえで、該当分のお給料を仮想通貨に換えて支給」というのが確定申告のルールです。会社ではありませんが、Pornhubから毎月報酬を得て、利益を得る場合には確定申告が必要になります。

仮に10万円相当の仮想通貨が支払われた場合、年収にすればおよそ120万円。この120万円相当の仮想通貨が確定申告の対象となります。

フリーランス・個人事業主は、利益の額に関わらず、確定申告が必要です。仮想通貨の所得（儲け）は「雑所得」とするのが一般的です。

ここで注意したいのは、仮想通貨は値上がり・変動することがあります。

こんなふうに塩漬けして年間120万円分の仮想通貨利益が値上がりしたとしましょう。倍の240万円の価値になったので日本円に変えたとすると、本来120万円の２倍の儲けが。差額は税務上、同様に「雑所得」として扱いますが申請額が増額します。

仮想通貨はお役所にバレない？

昨今、仮想通貨の利用者が増えたことにより、税務署は仮想通貨の無申告には敏感です。
どうせ、ばれないだろうと思っても、結構簡単にばれてしまうと思います。

【バレる根拠①】
取引所から税務署が情報を取れば、利益を把握できる

仮想通貨の取引所の内容は税務署が必要によって情報を収集することができるので、仮想通貨長者などで怪しい事業をしていると調べるのは容易です。取引所が情報を拒否しても、税務調査を実施することで、最終的には確定申告をしていない人間を割り出すことはできます。

【バレる根拠②】
現金化すると銀行口座に記録が残るので、利益を把握できる

仮想通貨はそのままでも買い物ができたりしますが、現金化したいとなると、やっぱりお金は銀行に入っていくものです。

税務署は銀行口座を閲覧できますので、目立った金の動きがあると「どうしてこんなにこの人はお金を持っているのか」と疑われます。何か他に収入のアテがあると睨まれますのでバレちゃいますね。

仮想通貨無申告の危険性（リスク）

一般的に現金で行われる無申告に比べ、仮想通貨の無申告のほうがリスクが高いと言われています。その主な理由が税率の高さにあります。
実は、仮想通貨は税金がめっちゃくちゃ高いんです。確定区分としては「雑所得」ですとお伝えした通り、雑所得区分で課税が行われていきます。
儲けが大きかったり、年収が高かったりすると、33％、40％とか45％の所得税、別途10％の住民税が課税されてしまいます。

仮想通貨の確定申告を怠ると、当然罰則金も発生します。
この罰則金もけっこう高い。延滞税（最大14.6%）、 過少申告加算税（最大15％）、無申告加算税（最大30％）、重加算税（最大50％）。
無申告としてしまったがために、仮想通貨で儲けたお金の大部分が消えてしまう…なんて悲惨なことになりかねません。

よくある間違い「20万円以下の利益」

コンサルなどで耳にする「利益が20万円以下なら申請しなくていいよ」というのも、それは所得税法の中での話。
フリーランスとして活動している個撮マンは別途、住民税の支払いが必須です。サラリーマンなどの雇用に従事する中で、副業として活動している個撮マンはOKです。

Pornhubは風営法の届け出は必要？

風営法上、「映像送信型性風俗特殊営業」というものの申請が必要です。お金の流れは税務署で把握ができますので、バレてしまいます。従って、「警察はお金の流れを見ていないから大丈夫」などというのは間違いです。

「映像送信型性風俗特殊営業」というのは、有料のアダルトサイトやライブチャットなどのビジネスをする際に届け出なくてはならないものです。
Pornhubなどは比較的、投資金額が少なくても開設できる、手軽な事業ですが、無届出で営業していたら違法となります。
これからPornhubデビューをしたいという方は、営業開始10日前には必ず届け出を提出しましょう。

無届で逮捕される想定パターン

「火のない所に煙は立たぬ」というコトワザがあります通り、ビジネスを動かしていると色々と目立ってきてしまいます。

１．儲かりすぎて税務署経由でバレるパターン
無申告で事業をしていることがバレるケースで多いのがこれです。脱税は罪が重いのです。Pornhubなど仮想通貨を通すことで確かに金の流れは不透明になる部分があります。そうはいっても、年間数千万規模で稼げるビジネスですので、税務署が黙って見過ごすわけがありません。徴収されるときに、諸々の不正がバレて御用となります。

２．噂や妬み、ひがみでバレるパターン
儲かりすぎたり、儲かっていますと自慢していたりすると、予期せぬところで通報されます。AV業態においては、警察は暗黙の了解を貫き通しています。かといって、やはり出る杭は打たれます。
目立った行動をしたせいで、不正が暴かれたりするのはどの世界にもあります。

３．通報する「正義マン」に通報されるパターン
正義マンと勝手に筆者が呼称しているだけですが、実際に不正を暴いてタレコミをすることを生業や趣味にしている人が一定数います。儲かっていなくても正義執行を受けてしまうことも。

４．モデルやビジネス経由でトラブルが起因するパターン
これは別件逮捕と呼ばれるもので、例えば出演者が無修正で販売されたことに触発されて訴えを起こした場合や、出演者が未成年であった場合などです。AV業界はこの手の逮捕がけっこう多いのです。
逮捕してみて、ふたを開けてみたら、脱税はするし、風営法は無届の違法営業だしということで、役満になっちゃいます。
そうなると、いろんな罪で起訴されてしまうので、罰金の量がハンパないことになります。

安全にPornhubでビジネスするにはどうしたらいいの？

Pornhubの決済方法が仮想通貨であることに違法性がないということは前途の通りです。日本の法律では仮想通貨に関する法律やそれに基づく風営法がしっかりと整備されていないということ逆手にとって、バレないから大丈夫という考えは少々甘いのです。

１．開業届けを出しましょう
青色申告で確定申告が行えるようにするのが最初の一歩となります。その方が副業と会社にバレる心配もなくなりますからね。

２．確定申告をしましょう
儲かった分、税金を払っていれば税務署に突撃されることはありません。計算が難しければ、税理士に相談しましょう。

３．風営法の届け出をしましょう
Hな動画を売って、仮想通貨を利益として得る以上は営業行為です。届け出のない場合は違法です。届け出方法がわからなければ、ご自分で最寄りの警察署へ問い合わせてみてください。

いろいろ聞きたい！相談したい！

初めてPorn hubにチャレンジされる方も多いと思います。お気軽に質問いただいてOKです。筆者の顧問行政書士をご紹介いたしますので、各種届出も楽に申請できます。時短・安全を考慮にぜひ、ご検討ください。

ご相談メールアドレス
info@irina-entame.com

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参考：アダルトムービー世界最大手「Pornhub」への決済をMastercardとVisaが停止、児童の性的虐待コンテンツ疑惑で
https://gigazine.net/news/20201211-mastercard-visa-stop-payments-pornhub/

参考：アダルト動画配信大手Pornhub、決済手段に仮想通貨3銘柄を追加
https://coinpost.jp/?p=214489