「死ぬ」音ゲーと、そのプレイヤーの話
白羽です。
今日は何でもない、誰も得しないことを語ります。
純粋に音ゲーを楽しみたい人間からすれば、今回語ることは恐らく何の得にもならない情報だと思います。ところが実際はTwitterなんぞを触っていれば、いくら頑張ってもこういった情報をシャットアウトすることは不可能で、実際自分もそういった理由でこれを書き上げるに至りました。
発端
最近jubeat plusにアプデが来て「jubeat」になりましたね。
ACでももし新筐体が来ればタイトルはjubeatになるらしいですし、サブタイは取っ払う方針なのでしょうか。我々としては名前で区別出来なくなってプレイデバイスで呼ぶことになるので少々面倒なのですがね。
このスマホ版?モバイル版?jubeat、登場初日から相当グダグダなのをTLを眺めていて悟っておりました。
私自身はjubeatはLv.9もクリアに乗らないヘタクソ野郎ですが、ゲームシステムも全く知らない訳ではない程度の人間です。そこまで上手くありません。ただ、「Extreme譜面が無い」「30秒単位のローディングがある」等信じられないワードが飛び交っているのを見て流石に思う所がありました(ローディングは端末差のようですがExtreme譜面はどう頑張ってもありません)。
とまぁ散々なことになっているjubeatですが、私がこんな記事を書くつもりになったのはこのモバイル端末版jubeatプレイヤーのとあるnoteを見たがためです。ゆえに自分自身がこの散々さをがっつりと体感して「jubeatは死ぬ」と言っているのではありませんことだけ注意ください。
しかしながら、思えばiidxもsdvxも他音ゲーもそうです。何かを変えると何かが上手くいかなくなる。そして場合によってはその音ゲーは「死んで」しまう。まだまだ稀有な例ですが、その根本的な原因はいったい何にあるのでしょうか……?
ユーザー目線の話
当然、私よりjubeatが上手いプレイヤーなんて無数にいますし、jubeatに限らず他の音ゲーでも私より上手いプレイヤーは無数にいます。私はどの音ゲーでもランカーと呼べるクラスには至ったことはありませんし、音ゲー以外でも目を見張るような成績はそこまでありません。従って「そういった」人間からの目線で物事を語りますことをご注意ください。
BEMANI音ゲー機種は近年「変更」に力を入れているように感じられます。iidx, sdvx, DDR, jubeat, Pop'n Musicの以上5機種に新筐体が発表され、既に前方3機種は稼働しています。
中でもiidx新筐体が来たときは、かなり致命的なバグが多発していたのを覚えています。処理が早過ぎてGET READYが消える前にノーツが来る、断続的に遅延が来て譜面とバックトラックがズレる、S-RANの補正がfps依存なせいで1/2になる、その他自分がこのゲームをメインにプレイしていたら涙目であろうものばかりでした。いうてiidxも四段程度なんで何にも言えませんが。
sdvxで言えば開始エフェクト中にもう譜面が来ている、遅延で譜面およびエフェクトが曲からズレるなど、マトモなプレイが期待できないレベルのバグです。
それでもiidxは無事に27 HEROIC VERSEを最後までやり切り、現在は28 BISTROVERが稼働しています。新筐体のバグラッシュも比較的しっかりと対応していたのではないかと思います。実際(本気で正常にプレイできないバグが発生した場合を除いては)バグが出てもプレイヤー側も急激に荒れ狂ったりはしませんでした。iidxは私が産まれる前から続いているシリーズですし、その分しっかりとそのコンテンツ性に根付いたプレイヤーも存在しています。そういったところも生存の一要因だったでしょう。実際遅延バグなどが放置されっぱなしだったら流石にもう更新停止してたでしょうけども。
逆に、バグだらけになって死んだ音ゲーは存在するでしょうか?バグだらけでサ終したソシャゲなら数多く聞きますが、音ゲーでぱっと思い浮かぶものはありません。
では、変更を行った音ゲーが死んだとき、その直接要因はどこにあるのでしょうか?
単純に、「変更した」ことそのものでしょうか。
変更そのものが死因になった音ゲー
変更そのものが起因となって死亡状態となった音ゲーがあるとすれば、ひとつとしては「STELLIGHTS」があると思います。
元々はArcaeaやTAKUMI³のようにプレイそのものには制限のない音ゲーだったようですが、いわゆるプロセカやバンドリのようなスタミナ制を導入して炎上したとか何とか。違ったらすみません。スタミナ制導入のアプデと同時にスマホ音ゲーにとっては目の上の瘤である判定関連もズタボロになり、つい最近(最近でもない)ではArcaeaでコラボパックが削除され、ただの個別課金曲にされるまでに至っています。
音ゲーの「ユーザー層」論
こういったゲームの根底に変更を与えてしまう、全く別物に置き換わってしまうようなものは、プレイヤーに対する選別的な要素が図らずも含まれてきます。その結果、狙いのプレイヤー層が迷子になってしまうなどすれば、致命傷は逃れられないでしょう。
プロセカは収録曲をほぼボカロに絞り込むことでスタミナ制も受け入れられるようなプレイヤー層を引き込みました。
D4DJも音ゲーをプレイしていないゲーマーを惹くようなモンハンBGMのリミックス、有名ボーカロイド、アニソン、某Vオリジナル曲(検索避けであり私自身が忌み嫌っているわけではありません)、果てには徹子の部屋のテーマ(??????)を収録するなど、広いジャンルから楽曲を収録しています。
対してArcaeaはBMS楽曲を多数収録する、ボス曲が堂々のt+pazolite、削除、Team Grimoire vs Laurという顔触れであり、楽曲自体はアーケード音ゲーと比較しても遜色ありません。そしてゲーム自体もそういったプレイヤー層を対象にしているでしょう。Worldは軽いスタミナ制であり若干の不評も見られるほどですし、それ以外での楽曲解禁の条件もスマホ音ゲー全体として難しいです。
また、TAKUMI³はアーケードをメインとしたいわゆる「硬派」な音ゲーマーを主としたコミュニティが形成されている音ゲーの一つです。この音ゲーはそういったコミュニティ内の作曲者を楽曲公募によって採用し、楽曲が収録されれば、同じような嗜好を持つプレイヤーを惹き、という循環を達成しています。
音ゲーは路線変更できる?
では、ハードにやり込む音ゲーマーを主としていたはずの音ゲーが、突然としてライトな音ゲーマーだけを主軸として引き込むように路線変更したら、既存プレイヤーはどう思うでしょうか。
当然、いい思いはしないでしょう。sdvxのBLASTER PASS効果内容が変更になった時もBLASTER GATE全解禁者からは若干の不満が出たほどですし、ゲームを根底から路線変更することは非常に危険なことです。
それを敢行した音ゲーはあるでしょうか。
最も近いのはmaimaiだと思います。
maimaiはFiNALE→DXへのアップデートにおいて、チュウニズムやオンゲキと同様になるようにスコア天井を100.**%から101%に一律変更し(それなのにレーティングは色以外チュウニズムともオンゲキとも比較できない整数値になり)、実際は擦っていれば取れるうえにセンサー関連がやたら厳しく、とガバガバなタッチノーツを追加し、ホールドの終点離し判定を消し、Criticalを2Fで細分化してDXスコアという概念を追加。アーケード音ゲーという枠組みの中で最大限の大改編だと思います。
それでもiidx同様長い歴史が故にmaimaiは廃れることなく、それからも3回の大型アップデートを経て現在はmaimai DX Splash Plusとなっています。
ただ、maimai DXのアップデートが結果としてコミュニティを新規プレイヤーばかりにしたかと言われれば、そうと言い切れはしないと考えます。
音ゲーは路線変更しがたいという話
任意の音ゲー機種について、その音ゲーを主にプレイしている既存プレイヤーの当該機種への思い入れは基本的に強く(だからこそ根本的な改定に反感が生じる)、大きなゲーム内容の変更を受けても「操作性」「楽曲」「過去の成績」などを理由に離脱せず、変更後のゲームを遊び続けるプレイヤーは少なくありません。
そして、実際にそういったプレイヤーの一部は尋常でない金額を掛けて音ゲーをプレイしています(別にそれが社会的にどうとか言うつもりではありません)。
すると、そういった方のプレイは少なからず金銭的にその音ゲーの運営に影響します。
もし何らかの音ゲーが大規模な変更を行ったとしても、ほぼ確実に、その音ゲーを「回している」プレイヤーを抜きにしてはその音ゲーは存続し得ません。
すなわち、音ゲーというのは、プレイヤー層を変更しようとしてもし切れないところがあります。実際にmaimaiには今も現行Lv14+の譜面が追加され続けていますし、それはどう考えても初心者向けではないにも関わらず、アップデートの目玉として追加されます。悪く言えば今までと大差ないのではないでしょうか?それどころかLv14+といえばFiNALEの最後の最後まで出してこなかったLv13+と同格のようですし……
それでも、「変更」したいと思ってしまう人間もいる
プレイヤーが望まない変更を、プレイヤーの意見を無視して実行してしまう音ゲーは確かにあります。後になれば受け入れられるとしても、変更する瞬間のプレイヤーの反論を、例えば取り入れられないとしても、だからといって全く無視するのは流石に野暮な行為ではないでしょうか?
しかし残念ながら、私たちプレイヤーはこういった荒波にもまれ続ける存在です。気に入らないとしても運営には勝てない、あるいは発想を変えて自分で音ゲーを作るか?というところでしょう。実際にやった人間もいますが。
既存プレイヤーの反論をガン無視するような行為をしても生き残る音ゲーだっています。それは変更前の環境が快適すぎて多数のプレイヤーが集まった音ゲーや、歴史の長い音ゲーに限りますが。
では結局、どんな条件が揃えば音ゲーは「死ぬ」のでしょうか?
簡単に言えば、確固たるプレイヤーからの信頼も無しに音ゲーの根本を変えようとする、これが一番の問題でしょう。
そして今回のjubeatは、恐らくプレイヤーのことを勘違いしていました。ただでさえ時折古参プレイヤーから意見が飛ぶような状態でありながら、今このタイミングにおいてシステムを大きく変更したり(それも変更先のシステムはまだ不具合だらけ)、新筐体の話をうやむやにするなどのミスをしてしまいました。
jubeatが数年前と同じような人気を取り戻す日は来るのでしょうか?その日が来る前に音ゲーとして廃れてしまうのでしょうか?
全ては無責任にもプレイヤーにかかっているという話
jubeatがこれからどうなるかは、特にAC版にどれだけの既存プレイヤーが投資するか、にかかっていると思われます。スマホ版は現状では手の付けようがありませんし。
そして、それはjubeatだけに限らず、他の音ゲーでも例えば運営がミスをしでかした時に、私たちプレイヤーが失脚をどれだけ抑えられるのか?というところが、その音ゲーを長くプレイしていくための一種の道であるように思います。
極めて無責任な話ですね。
今回は、ここまで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?