今日の1戦 その7
前回の吉成名高は隠れたスーパースターの話だった。今回は格闘技ではなく、他のスポーツを取り上げたい。ってパリオリンピック!と思ったのは取り上げるものを決めてからだった…………オリンピックは次回に回そう
今回の1戦、おそらくほとんどの方が少なくともニュースなどでは見たと思う。興味がなかった人も、いっきに面白さに引き込まれたんじゃないだろうか。かく言う私もその1人………というか、分かっていたのだが久しく見ていなかったのだ。そんな多くの日本人を動かした試合だったと感じている
では今日の1戦はこちら!
ラグビーワールドカップ2015
南アフリカ vs 日本
まさにジャイアントキリング、まさに大逆転勝利だ。ある意味とサッカーの「ドーハの悲劇」と対照的でもある。まさかまさか格上(どころではない)の相手に日本ラグビーが通用する時代がやってくるとは………
ラグビーに私が興味を持ったのは小学生の時だ。従兄弟が慶応で、その関係で伯父宅では大学ラグビーが冬の定番だった。そこで見てから楽しくみていたのだ(ルールは当時ほとんどわかってなかったが)。その後は高校の授業でやってみて………あ、こりゃやるもんじゃなくて見るもんだなと思っていた
何せルールが難しい。一番面倒なのはノッコンだ。触ったボールを前に落としてはいけない。これがあるのに、まあ落とす落とす………もちろん反則だ。で、キックなんかできる訳もなく、そうすりゃ結局スクラム………これもイマイチどうすりゃいいのかがわからない。優先権問題も絡んで、上手くいくわけが無い。少なくとも専門的にやるスポーツだということだ
この時のワールドカップでは、見ている側に大変丁寧だったと思った。なにしろ反則その他全部字幕付きで教えてくれていたのだから。こういうフォローアップこそ、その競技のファンを増やす強い要因になると思う。格闘技なんかもそうできたらいいのだが…………
さて話を試合に戻そう。南アフリカは優勝候補チームの一角だった。当然日本はそこまで期待されていなかった。そもそもがラグビーは人気スポーツでもなかったし。だがテレビ局の盛り上げ方も素晴らしかったろう。ドラマ「ノーサイドゲーム」もあったし、オロナミンCのCMもB'zの「兵走る」でインパクト絶大だったし
…………と書いたところだが、「ノーサイドゲーム」も米津玄師の「馬と鹿」も、そして「兵走る」も2019年日本大会の時だった。もっと書く時はきちんと調べなきゃいかん………(ご指摘いただいたおかみさんに感謝だ)
そんな中ホイッスルがなる。あれ?思いのほか日本代表が押してる時間が多い………フィジカルの差があるはずだが押し負けないし、タックルも決まる。かなりの接戦を繰り返す両チーム。もうルール云々言う人も(あんまり)いなかったろう。最後は逃げ切られるけどいい試合………そう思っていた多くの日本人を、日本チームはいい意味で裏切った
引用YouTubeにあるとおり、最後の最後まで諦めなかった日本代表は、同点策を捨ててまで勝ちにいった。結果は………逆転トライ!!まさかまさかの結末だ。こんなことが起こるのか?そもそもラグビーに詳しいのは一部の方々のみだから、当時分からなかったが、今考えるとよほどの覚悟の決断だったはずだ。サッカーなどもそうだが、勝ち点がつくなら同点引き分けは立派な戦術なのだから。しかしあの時そうしなかったラグビー日本代表には、結果より意識に対して賞賛したいと改めて思う
さて、その後サモアに勝った日本だが、惜しくも決勝リーグに進むことはできなかった。グループリーグ2勝して決勝リーグまで行けなかったのは日本が初めてらしい。しかしラグビー日本代表は勝利した。世界のラグビーファンや関係者、そして日本の国民に、だ。これがあってこそ、その後の注目がある。メジャー化したとは言いきれないが、少なくとも準メジャーなスポーツとなったのは間違いないだろう
さて、このチームでタックルを指導したのは、「格闘技界の賢者」高阪剛だった。さらに彼は選手達にグローブ付けてのスパーもさせたそうだ。格闘家の持つ勝利への執念を身につけさせたかったとか。これがあってこその体格上の相手へ向かっていく低空タックルが生まれたのだ。格闘技ファンとしてはこれは嬉しい話だった
最後にラグビー選手がどれだけすごいのか、ノッコン寺田と朝倉海のYouTubeで見て欲しい。全く追いつけないステップ…………アスリートの中でもトップクラスの能力ある格闘家朝倉海が翻弄される姿…………やっぱり……