今日の1冊 その17
さてさて、こちらもお久しぶり、今日の1冊。今回は小説からのご紹介になる。これもまたいつもながら悩むところだ。あるのだけれど、特に作者が偏りやすい。こればかりはやむなしでもあるのだが……
まあその中でも今回は定番中のド定番、多くの方が読んでるだろう1冊をご紹介しよう。この小説、見た時期と自分の状況との絡みもあり、自分個人にとって重い1冊となっている。もちろん大好きな本で何度読んだかわからない。私は何度も何度も読む本、多いのだが…………
それでは今日の1冊をご紹介!今回の1本はこちら!
東野圭吾
容疑者Xの献身
当時ちょうど映画が公開された時で、だが私は入院中だったからこそ買ってきてもらった1冊だった。ガリレオシリーズはドラマが放送されてすぐ、単行本を読んでいたからこそ、むしろよかったのだが………この本の衝撃は相当だった。もう読む前から「覚悟」はしていたのだが………鈍器で頭を殴られた気持ちだった
それではネタバレなしのあらすじを
「愛するというのは?」ということに正面から向き合った、さすが直木賞作品と唸る作品だ。映画ももちろんよかったのだが、トリックを解くために湯川に依頼するのと、寄り道の中で自然と出てきた話では流れが違う。ここは湯川学の性格の違いというか、刑事の草薙との友情の差というかを感じさせられる。実写版ではやむを得ないことではあるのだが………
話を戻すが、無償の愛ってなんだろう?と思わされた。そりゃ殺人までしてしまうのはいけないことだ。有り得ちゃいけない話だが、母娘を守るために全力を出した石神の気持ち、他の言葉で表しようがない。しかも………最後を見れば、何故そこまで?!というところまで自分を持っていくのだ(ネタバレなので、これ以上書けないのはご容赦を)
名作としかいいようがない、そんな作品だ。ガリレオシリーズは続く「聖母の救済」以後の長編達は、みんな人間の深い部分に届く作品ばかりだし、短編でも登場人物を深堀りしてくれる話が多い
↓「聖母の救済」
映像版ガリレオシリーズも大変よくできている………って、前の「聖母の救済」書いた時にも言ったな………オリジナルキャラクターも長澤まさみなどがやっていたり、とても面白かったのだが………漫画ではあるのだが、「ゴールデンカムイ」の実写化みたいに最適解を作られちゃうと、ますます原作ありの映像作品は難しいだろう
とはいえ、もう湯川学といえば福山雅治。これは作者東野圭吾もそうらしい。石神はもっと柔道的だとよかったのだが………それでも堤真一の演技は素晴らしかった。入りがどこでもいいと思うが、この作品は最後まで見てもらえたら嬉しい
これはミステリーだがミステリーが主軸とは思わない。トリック云々が………という指摘もあるけれど、少なくとも私は全く気にならなかった。最初に言った通り、あくまでこの作品は「愛とは?」を各々考えるためのものと思う。答えは人の数だけあるだろう、是非ともみなさんそれぞれの感想を持ってもらえたら嬉しい