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今日の1冊 その17

さてさて、こちらもお久しぶり、今日の1冊。今回は小説からのご紹介になる。これもまたいつもながら悩むところだ。あるのだけれど、特に作者が偏りやすい。こればかりはやむなしでもあるのだが……


まあその中でも今回は定番中のド定番、多くの方が読んでるだろう1冊をご紹介しよう。この小説、見た時期と自分の状況との絡みもあり、自分個人にとって重い1冊となっている。もちろん大好きな本で何度読んだかわからない。私は何度も何度も読む本、多いのだが…………



それでは今日の1冊をご紹介!今回の1本はこちら!



東野圭吾
容疑者Xの献身

新書版の(多分)初版本
この頃に読んでおきたかった1冊


当時ちょうど映画が公開された時で、だが私は入院中だったからこそ買ってきてもらった1冊だった。ガリレオシリーズはドラマが放送されてすぐ、単行本を読んでいたからこそ、むしろよかったのだが………この本の衝撃は相当だった。もう読む前から「覚悟」はしていたのだが………鈍器で頭を殴られた気持ちだった


それではネタバレなしのあらすじを

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘の美里と暮らす隣人の花岡靖子に秘かな想いを寄せていた
ある日、靖子の前夫・富樫が母娘の居場所を突き止めて訪ねてきた。金を無心し、暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺してしまう。 呆然とする二人を救うために、石神は完全犯罪を企てる

だが皮肉にも、石神と帝都大学の同期であり、親友である物理学者の湯川学がその謎に挑むことになる。 ガリレオシリーズ初の長編

Amazon本の概要より


「愛するというのは?」ということに正面から向き合った、さすが直木賞作品と唸る作品だ。映画ももちろんよかったのだが、トリックを解くために湯川に依頼するのと、寄り道の中で自然と出てきた話では流れが違う。ここは湯川学の性格の違いというか、刑事の草薙との友情の差というかを感じさせられる。実写版ではやむを得ないことではあるのだが………


話を戻すが、無償の愛ってなんだろう?と思わされた。そりゃ殺人までしてしまうのはいけないことだ。有り得ちゃいけない話だが、母娘を守るために全力を出した石神の気持ち、他の言葉で表しようがない。しかも………最後を見れば、何故そこまで?!というところまで自分を持っていくのだ(ネタバレなので、これ以上書けないのはご容赦を)


名作としかいいようがない、そんな作品だ。ガリレオシリーズは続く「聖母の救済」以後の長編達は、みんな人間の深い部分に届く作品ばかりだし、短編でも登場人物を深堀りしてくれる話が多い

↓「聖母の救済」


映像版ガリレオシリーズも大変よくできている………って、前の「聖母の救済」書いた時にも言ったな………オリジナルキャラクターも長澤まさみなどがやっていたり、とても面白かったのだが………漫画ではあるのだが、「ゴールデンカムイ」の実写化みたいに最適解を作られちゃうと、ますます原作ありの映像作品は難しいだろう


とはいえ、もう湯川学といえば福山雅治。これは作者東野圭吾もそうらしい。石神はもっと柔道的だとよかったのだが………それでも堤真一の演技は素晴らしかった。入りがどこでもいいと思うが、この作品は最後まで見てもらえたら嬉しい


これはミステリーだがミステリーが主軸とは思わない。トリック云々が………という指摘もあるけれど、少なくとも私は全く気にならなかった。最初に言った通り、あくまでこの作品は「愛とは?」を各々考えるためのものと思う。答えは人の数だけあるだろう、是非ともみなさんそれぞれの感想を持ってもらえたら嬉しい

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