今日の1戦 その10
前の記事から全然経ってないが、あえて今日の1戦。理由はその試合がYouTubeで公式からアップされたから、だ。実際この試合は前々から取り上げようと思っていた。試合そのものがよかったのももちろんだが、その前後も合わせて最高の戦いであったと感じていたからだ
スポーツって、究極では敗者も輝くものだと思う。前回取り上げた世紀の一戦、あれも結果そうだった。負けて去る武尊に対して、天心からも観客からも惜しみない賞賛と声援が贈られたわけで、そこも含めて伝説の1戦となったと私は思う
そういう意味も込めての今日の1戦はこちら!
RIZIN.48
RIZINバンタム級タイトルマッチ
井上直樹
vs
キム・スーチョル
9月28日に行われたRIZIN.48のセミファイナル、タイトルマッチのこの1戦。もう全てが良かった試合、まさにMMAの素晴らしさを体現していた。選手達の話は後に回して、試合やその他どんなことが起きたのか、それを順を追っていこう
カード発表から………は、そこまで取り上げない。普通といえば普通だし。ただ、2人とも相手に対するリスペクト溢れるコメントをしていた。この時点で噛み合うし、楽しみだったのは間違いない。最近は選手同士の煽り合いがすごかったし………
公開計量&フェイスオフから、この試合は始まったと言っていいだろう。まずは実際の映像から………
こんなお互いの人柄が出たフェイスオフも珍しい。お互い、というか井上から笑いだし、釣られてスーチョルも………そしてスーチョルが井上へ掛けた笑みには何の邪念もなかった。相手に優しく接することができるというのは、やはり人間性があってこそだろう。もうこの時点で2人ともかっこいい
そして試合だ。もちろん始まる前から戦闘モード、2人の顔は厳しい。試合は試合、そこで馴れ合いは不要。オンとオフがはっきりしているのはプロの証だ
試合はこちらの動画を見てもらいたい。井上直樹のストレートからの追撃、1RTKO勝ちで勝負は終わった。が、2人の物語は終わっていない。負けたはずのキム・スーチョル、本当は泣くほど悔しい。実際バックステージでは泣いている姿もあったのだが、リング上では笑顔で新チャンピオンを称える姿がとにかく印象的だろう。動画後半でその姿は見ることができる
こんな気持ちのいい選手、なかなかいない。近似値を挙げるなら朝倉海に負けた直後の堀口恭司だろう。彼もまたチャンピオンベルトを笑顔で海に渡そうとしてた(タイトルマッチじゃないのだが)し、本当の王者たるを示した。キム・スーチョルもタイトルこそ取れなかったものの、王者の風格がある(RODE FCの王者ではあるのだ)
これぞ私の見たかった綺麗なMMAだ。このカードにこそ総合格闘技の、いやスポーツの魅力が全て詰まっている。ここまで素晴らしい試合はなかなか見ることができない
是非とも動画もご覧いただき、スポーツとしてのMMAを実感いただけたら嬉しい
P.S.で、キム・スーチョルは結局任天堂Switchは買えたのだろうか?川尻さんも言ってる通り、RIZINからプレゼントしてあげて欲しい。なんかもうかわいそうになってしまう………頑張ってるんだしさ