大人の階段と富士山と その2
さて、富士山登頂のため昼から登り始め、遅いながらもやっと最初の本六合目山小屋に到着、というところまで書いた
そこまでに既に体力をめちゃくちゃ使った気がする………というか使った2人。とにかく休まないとどうしようもない。で、2人で選んだのが
クーリッシュ!
これがね、とんでもなく美味しかった!!やっぱり山で疲れきった中で食べるって特別な体験だ。なので未だに長男はアイスといえばクーリッシュを選ぶ。私も一番先に目がいくのはクーリッシュ………こういう体験を共有できたのは何より嬉しい
ここからまた登り始めるわけだが………どう考えても遅い……いや、長男だけの問題じゃない。私もかなり遅い。さすがに足を引っ張ることはなかったが、それを考慮しても余裕が無い。五合目で予約した山小屋までとてもじゃないが着けそうになくなった
途中途中休み休みをとりつつも、着実に(めっちゃゆっくり)登る。気分はうさぎとかめの亀になった感じだ。電話で山小屋の予約は取り消し、その上で夜になってきたので次の山小屋で………と頑張って登るが先が見えない。そうしてると長男が眠気に!
「寝るな!寝たら死ぬぞ!」
………とは言わなかったが(当たり前だ)、とにかく寝ずに前へ進ませたらやっと山小屋発見!慌てて泊まることとなった。なんとかギリギリで部屋(というか寝台)に入ることが出来た
やっと着いた山小屋では………眠気が失せた長男とラーメンとカップヌードルを食べた。何故カップヌードルなのか、これが食べたかったと言う長男。イマイチ私には分からないが、ここではクーリッシュみたいなことはなかった
さて、普通なら翌日は早朝出発で山頂を目指すところだが………今の2人ではどう考えても到着しない。途中で見ても御来光は御来光、せっかくなのでこれを見てから動き出すことにした。と………全然私は眠れなくてやたら困ったのだが………
あさが来た!………と朝ドラみたいな掛け声だが、みんなと一緒に外に出た。そこで日の出を待っていたのだが………そこに出てきたのがこちら!
いやーやっぱり美しい!これは登ってきたからこその景色。昔車で行ける山や海岸で初日の出も見たが、ここまで感動はなかった。そういうものが見たいなら富士山でなくても上から見るのに限る。登山される方が登りたくなるのもよくわかる
さあ登山再開。とはいえ昨日からの疲れが身体に溜まってしまっている。ますます2人の速度は低下。富士宮口の人々と合流し、人の数は一気に増えてくる。中にはご年配のみなさんの団体もいたのだが……
続々と抜かされていった
恥ずかしながらそれくらい体力不足。全くもって準備も不足してた。物よりも自分達の力が足りてなかったのだ
それでも亀は頑張る!!そして昼ごろについに山頂へ!
着いたー!!
いやーよく頑張った!自分もそうだが、なにより長男は上しか見てなかった。計画力はない(発達障害なので)がひとつの事をやり遂げる力は相当だと思えた。これもまた新しい発見だった
まあそのまま山頂で多動で走り回ってたのだが、よくもまあその体力があるなぁと………こっちはもうそこまで元気がないのだが………とにかく満喫はできた
さすがに頂上に行くのは余裕がなく(カルデラの途中にあるので)このまま下山。須走口の名物は一気に駆け下りられる砂(と石)の地帯。2人もさくさく降りる…………のは無理で、小学生の時の高速山下りからは程遠かった
まー足がついてこない!途中なんど転げたかわからない。とてもじゃないが軽い行程ではない。これは短距離走の筋肉がなくなってるから、というのもあるのだろう。ブレーキもまともに効かないし、足はガクガク。まあ倒れまくりだ。もう足のあちこちにマメだのなんだので痛い!
まー大の大人が弱音吐きまくり。自分で後々考えても情けないこと情けないこと。もう少しかっこよくできないのかと、自分に喝を入れたくなる。そんな私とは全く対照的なのは長男だ。こちらのうるさいほどのヘタレ発言に苦笑こそするが、黙々と降りていく。スピードは遅いが、それでも泣き言ひとつなしだ
そうこうする中、かなり遅い時間に五合目に戻り着いた。そこでアイス食べつつ聞いてみた。「降りるの辛くなかった?」と。そうすると………
「降りることしか考えてなかった」
………もうね、自分を改めて恥じるしかない。長男に負けてるところはそれまでにも沢山感じていたが、こりゃ人間としても負けてない?いやー本当に素晴らしいところのある男だ。こちらも見習わないといけない
とはいえさすがに帰りの車では大爆睡。まあ自分の限界を超えたんだから、それくらいはいいだろう。親として得がたい体験をさせてもらった。そして何より成長も感じ、彼からも沢山学ぶことができた。とてもとても嬉しいことだし、親をさせてもらったからこそ得られたものは大きい
正直息子達には感謝しかない。よく「親に感謝しろ」とかいってたり言われたりするが、とんでもないことだと感じる。むしろ子供達こそギフトなのだと私は思う。二度と登らないと決めていた富士山だが、登れて、もちろん息子と行けて嬉しかった。まあもう一度………はいいかな^^;
でも